03
「私は人殺しです。私の事が怖くないですか?」
・・・は? 何ソレ なぞなぞ?
「どういう意味?」
暗くてスーの顔はよく見えないけど、微かに笑った気がした。
「そのままの意味です。私の事、怖いですか?」
ああ、つまり。
このちっちゃな女の子は私が人殺しで、だから怖くないかって聞いてるんだね。
そのまま。
「・・・私の話、聞いてくれる?」
私は静かに言った。それは、つい最近の出来事――――――――――――――
・・眠いなぁ。
夜のおハナシは楽しいけど、昨日のは微妙だった。しかも二時まで話してやっと寝たのが三時。なのに五時に起こされるってどゆこと!?
・・・スーは普通に寝てるのに。
私を起こしたのはメイドだった。
なんか小声で言って私を他の部屋に連れだしたのだ。
話がある、とか なんとか。
―――
私はぱちりと目を開けた。
―メイドがアリスを連れて行った。
めんどくさいなぁ…。
でもね、殺さなきゃいけないの。
みんなみんな、殺さなきゃいけないの。
アリスを殺すことなんてできるかなぁ。
仲良く、なったのに。嗚呼、そもそも仲良くなっちゃだめだったんだ。
今までもそうしてきたのに。
私はそっと、ベッドを下りた。
そして微かに聞える二つの足音についていった。
―――
「何?どうしたの?」
私はメイドに聞いた。
「スー・・・様は」
メイドは歯切れ悪く言った。
「スーがどうしたの?」
「死神の娘です」
「!」
人殺しって、そゆこと?
「あまり近づかない方が良いと思います。…殺されますから」
「そう・・・」
私は意外に冷静だった。
「じゃあなんであんなに良くしてあげるの?」
「なにがですか?」
「村を町みたいに変えたり、あとスーの家、こんなに大きいじゃない」
メイドはああ、と言って溜息をついた。
「殺されるからですよ」