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第一章 prologue
私は過去を愛おしいとは思わない。
懐かしいとは思わない。
過去から今まで、全ての記憶が組み合わさって今の私がいる。
過去が違うものなら違う私がここにいる。
そうかも、しれないけど。
もし過去が違っていれば…私はどんなに幸せだろう。
今の私が嫌なんじゃない。寧ろ今の私で良かったと思っている。
それでも、思ってしまう。 ……あの時、こうしていれば、
私はもっと、幸せなんじゃないかって・・・。
泣きやんだ日に私は呟いた。
それからも過去を思い出して泣くたびに私は呟いた。
私の、名前を。