もしも、ヒロインズが腐女子だったら
もしも、異世界乙女ゲーム転生したマニファーナ姫とアレク伯爵とアリーナ伯爵令嬢とチェルナ男爵令嬢が腐女子前世の業を背負っていたら?
「あら?あらあら?
アリーナ様の新刊が、出ていますの?
お忍びで買いに行かなくては!」
マニ姫はそう呟くと、隠し扉からお城を抜け出した。
城下町の一角に、ご婦人向け書籍を大量に扱う書店が有った。
表向きは若い娘が好きそうな恋物語。
だがその裏で、麗しい殿方同士の恋物語も扱っていた。
正に異世界の腐女子や、貴腐人育成場所である。
実は、アリーナの父アレクが前世の趣味を捨てきれず。
こっそり伝手を使って流行らせたのだが。
ウッカリハマってしまった娘のアリーナは、その事を知らない。
ちなみに、アレクは読み専門。
アリーナは書く専門と、血は争えない。
そしていつしか貴族王族間で流行し、マニ姫ももれなくハマっていた。
「やーん、こっちでもBL読めるとか思わなかったわ、うふふ。」
書店に辿り着くと、かなり売れたのか少ししか残って居なかった本を手に取る。
「何々?銀の華は赤騎士と共に?
ある赤騎士様と銀宰相補佐の道ならぬ恋の行方?
ん?これは婚約者殿っぽくね?
こっちは脳筋騎士?
うはは、面白っ。
あいつら直ぐ調子に乗って、最近生意気なのよね。
今度なんかやらかしたら、これ音読させよーっと。」
クスクス小さく笑って呟くと、持っていた本ごと手を握られる。
「そこのお姉様、その時は是非混ぜて下さいませ。」
気配分からなかったわ!
てか、めっちゃ可愛い娘ね。
クールそうな顔立ちなのに、好きな事には情熱的って感じなのかしら?
あら?でもこの方何処かで…。
「あ、貴方原作者のアリーナ様では有りませんか!」
以前外交パーティーで会ったから覚えていてよ。
「はい、マニファーナ姫殿下。
覚えて頂けて光栄ですわ。」
この後、意気投合した私達は、お互い転生者と知り。
益々優雅に、貴腐人活動を広めて行った。
アリーナ様の勧めで私も本を執筆をする様になり。
アリーナ様はちょっとダークな、強引系と腹黒の濃い物語が多めでしたが。
私はショタ攻めのインテリ受けとか、ちょっとドタバタ系なライトな物が多く。
ファン層が見事に分かれたと言われました。
そして、マニの断罪の日。
にならなかった。
「なんで、チェルナと仲良く読書して居るんだよ。」
困惑顔のギルシュ達。
マニとチェルナは、仲良く読書して居るのは…。
ヤーゼフがぱっと本を取り上げて、中身を読み始めた。
「どうしてだ、何故君が姫の婚約者になってしまったんだ。
俺の事は遊びだったのか?
銀宰相補佐を詰る赤騎士は、力一杯だきしめた。
彼の吐息が耳に掛かり、甘い声が漏れる。
俺は遊びなんかでは無い、仕方ないんだ…。
ってこれ。」
何と無く音読して、ヤーゼフは後悔する。
だが、マニとチェルナは、超ハアハアしていた。
「朗読の続きはよ!」
「ダメだこいつら、腐ってやがる。」
チェルナも腐女子前世の業を背負っていたらしい。
この世界に、彼女達による腐女子王国が出来たとかできなかったとか?
一方そ頃。
アリーナのためにイケメン攻略者達を見事籠絡?攻略し、アレクは別の意味で身体を張ってシスティア王国を平和?に導いた。
あまりのハーレムっプリに、前世旦那のすがりつきっぷりが一番酷かったらしいが。
「うわぁぁぁぁぁん、だからお前が男女問わずモテモテの天然タラシから、自覚ありに進化するの阻んできたのに。
俺だけのお前で居て欲しかったのに。
男になったらなんで解き放たれちゃうんだよぉぉォォ。」
「つーかお前今さ、国王なんだから落ち着けって、な?」
「うぅ、アレクの馬鹿ぁ。」
ぐしぐしと子供のように泣くゼボネアス国王の頭を撫でる。
「いいじゃん、これでアリーナは傷物にならないし。
色々あちこち安定したみたいだし。
第二の人生たのしまなくっちゃね?
問題ないだろ?」
あっけらかんとして嗤う。
小悪魔が居た。
「アレクが傷物になっちゃったじゃないか!」
「いやぁ、俺攻めだから別に問題なかったぜ?
俺が傷物にしちゃった、的な?
イケメンの甘えボイスとか、ご褒美しかなかったしな。」
声フェチのアレクに隙はなかった。
「おれの元妻が腐女子で何でもありだったんだが、どうしたらいいんだろう?」
頭を抱えるゼボネアス国王を、気にせず次の朗読会の参加をどう捩じ込もうかと考えるアレクだった。
今日も異世界ファーブラは平和です。
何と無く思い付きました。
腐女子の友達は、人の話を聞かずにヒートアップして。
ギラギラ腐話に暴走する人が多かったので。
それを参考にしてみた。
(全部の腐女子さんがそう言うタイプでは無いよ)
本編で、本当の前世腐女子はフィン君だけなのは秘密だよ。
ちなみに、アリーナとアレクの居るシスティア王国の有る世界は、異世界ファーブラの中に有ります。
マニファーナ姫のいたシュルツ王国の有る世界と同じです。
でも、時代もずれていて。
かなり大陸も離れてるから、交流する事は無いかと。
あと、この話のアリーナとマニは前世の記憶を幼少期にガッツリ思い出した。
そんなもしも設定にしてみた。
ちなみに、攻略者が馬鹿やらかすたびに、貴腐人集めて彼等に朗読強制させるイベントをたまに開催して。
断るとお家断絶なので、彼等に朗読断れなかった。
貴腐人の支持層が厚く。
国王達も、見なかった事にしているようです。
そのうち、一名腐男子に目覚めて色々大変な自体が発生したとかしないとか。
あ、ちょっとだけアレクサイド書き足しました。
手段選ばなすぎのアレクたんですが、ちゃんと籠絡した人の精神面や環境のケアは過保護なほどにしてます。
なので、アレク好きな親御さんには反対されません。
こんなアレクやだ!
と嘆くのはどうやらゼボネアス国王だけのようです。
それでは又気が向いたら書きますね。