生きて
久々に書いたので、拙いところもあるでしょうが、良ければ呼んでください!
同じ時間、同じ場所で、ずっと笑っていられたらよかったのに。
それは出来ないことだった。それは、叶わない夢だった。
醒めないでと願うほど、夢は儚く醒めていき、私たちはあっけなく目覚めてしまった。
切っ先を向け合う戦世に―――。
私の頬はあなたの血で濡れ、あなたの頬は私の血で濡れている。
まるで夢の続きのよう。私たちは互いに同じだけの命を削り、別たれることを拒むかのように死へと歩む。
いつかうわ言のように交わした約束。
『ずっと、ずうっと、一緒に居ようね。世界が終わってしまっても。私たちは…変わらずに……』
―――たとえ、戦世に目覚めても。
私はあなたを愛してた。
あなたも私を愛してくれた。
もう、疲れてしまったね。
「一緒に逝こう」
あぁ、ようやく、これで…。
心臓に深々と刃が突き刺さる。
血の気が失われ、色を無くしてゆく面。
手足が冷えて、微かに震える。
互いの体が近付いて、弱く、ゆっくりと身を抱き合う。
耳元であなたが囁いた。
「…愛しているよ…。だから、どうか、君だけは………」
「生きて」
私の頬が、濡れていた。
あなたの頬も、濡れていた。
互いの命と涙の雫で濡れていた。
もう動かないあなたを抱きしめ、私は泣き叫ぶ他はなかった。
読んでくれてありがとうございました!
楽しんで頂けたなら幸いです。:+((*´艸`))+:。