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異世界のハーレム主  作者: ポリみや
第1幕 異世界のハーレム事情
9/18

仕事開始

本当はもうちょっと、ミーリィと誠也を絡ませたいんですけど・・・

ミーリィの今の状態では変なことができないんです。

本当は彼女は真面目で明るい女の子なんですが、彼女からすれば自分の体か能力が目当ての男に貰われるという状況ですからね。不安と恐怖でいっぱいになっています。

 新田誠也は一般的な日本の高校生である。モテる事に人生を掛けた誠也は、陸上、勉強、ダーツ、様々なことをやってきた。中には、女の子を守るためとボディーガードの心得を習ったこともある。だが、平和な日本から来た誠也は、使える武器というのをとっさに思いつかずにいたのだ。


「受付さん、参考までに初心者におすすめの武器ってないか」


「そうですね。基本はショートソードになります。もし、自分の武器をお持ちでないならこちらを銀貨五枚でレンタルすることも可能です」


武器について漠然としたイメージしか持てなかった誠也が受付に訊ねると、質問に答えながらも、実物を持って来た受付さん。商売のプロである。

実物のショートソードは、刃渡り六十センチほどの両刃の剣であった。特に装飾の類はなく、子供が絵に描いたような鉄の剣である。


「そうだな。俺は武器に関しては素人だし、依頼を受けるときはそれをレンタルさせてもらうよ」


「ありがとうございます」


誠也は、そのまま届出書の欄を書き始めた。あらかた書き終わり、次にミーリィの分を書こうとしたところで、受付さんから待ったの声がかかった。


「失礼ですが、お連れ様は戦女神デーアではありませんか。申し訳ありませんがその場合、別の紙への記入となりますのでこちらへお願いします」


そう言うと誠也が描いた紙とは別の紙を渡された。誠也がそのまま書いてもよかったのだが、前のに比べ項目が多く、本人のプライバシーにかかわる部分があったの本人に書いてもらった。


「グラーノさん、すまないが自分で書いてくれ」


誠也の言葉が以外だったのか、きょとんとした顔をしたミーリィだったが、カウンターの方に寄り空欄を埋めはじめた。


「一般の冒険者と戦女神デーアとでは、何か待遇に差があるのか」


「そうですね。違いはあるのですが、違いの説明の前に協会の依頼システムについてお話します」


協会については、ある程度ダンに話を聞いたが今回はそれとは別の内面的な部分であった。

まず、協会のメンバーにはランクが付けられ、下からE~A,S,SSとなっている。このランクはメンバーの依頼の達成度と達成した依頼の難易度によって区別される。依頼にもランクと同じような難易度表記がついており、下からランクと同じような形になっている。

例を挙げると初めは、ランクEから始まり同じく難易度E、Dの依頼しか受けることができない。上のランクに上るための条件は、達成度と難易度。ランクEの場合、難易度Eの依頼を百パーセント達成できる実力があると見なされれば昇級となる。つまり、自身のランクの依頼を完璧に達成できるようになるのが条件になる。

そしてランクには別の意味がある。それはランクによる報酬金の差である。ランクによって受けれる以来の難易度が違うのだが、ランクによって依頼達成時の報酬に若干の差があるのだ。報酬金を百パーセントとするならば、難易度が同じ場合、報酬金は百パーセントになる。しかし自分より上、若しくは下の難易度のランクを受けると難易度とランクの差×五パーセントを協会の予備資金として払わなければならない。この制度はメンバーには不評であるが、力のある者を働かせ、もし高難易度の依頼に失敗した際の事後処理費として使うという名目で施行されている。


「なるほど。それが大体のシステムか。よくできているな」


「はい、ありがとうございます。次は戦女神デーア場合の説明をさせて頂きます」


戦女神デーアは、普通の人間に比べ強力な力を持つが、冒険者としての数に入れず、マスターとセットで扱う。理由としては、現在の世界的な意識による物が大きい。そのため戦女神デーアは、マスターと共でなければ、冒険者として活動ができない。

そして、冒険者との最大の違いは報酬金が出ないことである。例えば、一人手取り金貨一枚のクエストをマスターと二人で受けたなら、手金貨一枚しか貰うことできない。


「それじゃ、こっちが損じゃないか」


ミーリィの服を買うために金を貯めたい誠也は、眉を寄せ、不満そうに言った。

だが、話には続きがあった。それが、「ハーレム」というメンバー単位である。ハーレムはマスター一人と封印された戦女神デーア(戦女神の数は何人でも可)を一つのグループとした単位である。

ハーレムは通常の冒険者と違い、ランクに関係なくすべての依頼を受けることが可能である。そして、A,S,SSに限り通常の冒険者より多めの報酬が全員分、マスターに支給される。理由はランクの話と同じで強い奴に強い奴を倒してもらおうという単純な話である。


「以上です。ハーレムとは別にパーティーという単位もありますが、新田さんがパーティーを作った際にご質問下さい」


受付さんの長い話が終わった。誠也が横を見るとミーリィは書き終わっていたようでペンを置き、顔を下に向けてじっとしていた。


「ところで、ハーレムとして登録しない場合どうなるんだ」


「はい、登録者については戦女神デーアやマスターに負担がないようある程度、依頼中に発生した事故等についてはこちらで対応をします。逆に登録していない場合、こちらでは一切の負担をいたしません。さらに程度よっては除名処分を致します」


つまり、登録していれば優遇するが、しなければ逆に罰を与える。ということである。


「冒険者って聞くと、脳筋な連中の集まりだと思っていたんだが、協会は意外とそうじゃないんだな」


「協会としての信頼と、円滑な業務達成には必要なことですので」


この受付さんは、素晴らしい営業スマイルを浮かべるかなり理論的な女性であった。



 登録を終え、二人はクエストボードの前に来ていた。最初は難易度Eの依頼にするもりだった誠也だったが、難易度Eは街中での依頼がほとんどで、手紙の配達など子供のお使いのような物ばかりだった。しかも、配達などは地理を把握できていれば楽だろうが、ミーリィも誠也もこの町に詳しくないため時間ばかりが掛かってしまい、報酬に労力が合わない。それで、Dランク以上の依頼となるのだが討伐依頼は、かなり荷が重い。そこで、定番中の定番、薬草採取になった。


「これを、受けたいんだが」


「了解しました。こちらは町の外、ゴブリンの森での依頼となります。名前の通りゴブリンが生息していますが、先日一斉討伐が行われたため危険度はかなり下がっています」


「初心者なんでな。それくらいが限度だろう」


誠也が依頼を受け、受付さんから注意事項を言われたあと、二人は町の外に出た。ミーリィは薬草の見分けができるそうなので、特に問題はないだろうとの判断だった。

そして、依頼より誠也的に問題なのがミーリィの状態だった。儀式のときからそうだったがとにかく暗い。そこで、どうにかできないかと森に向かいながら考える誠也だった。


明日の更新ですが、23時以降になります。

もしかしたら、日を跨ぐかもしれませんが必ず更新します。

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