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異世界のハーレム主  作者: ポリみや
第1幕 異世界のハーレム事情
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仕事を探す

 「すまない、間違えた。仕事を探そう。いや、いつまでその服装のままじゃグラーノさんも嫌だろうし、服も買いたいんだが・・・」


ミーリィの驚いた顔を見て、とっさに言い換えた。

なぜ、誠也はこんな事を口走ったのか。それは先ほどの洋服店での話である。誠也は店長が鑑定していた時に、洋服の価格を調べていた。しかし、実は、それと並行してミーリィにどんな服が似合うか妄想していたのである。正直、ブレザーを売った金を使って、服を買っておきたかったのだが・・・

金貨を使い切るわけにもいかなかったし、折角だしミーリィにも選んでほしかった。そして、最大の理由は、誠也が人並み以上に女の子大好きだからだ。誠也は、まず第一に女の子のことを考える紳士だが、それと同じくらい異性に興味津々なのだ。女の子の胸も大好きだし、お尻も好きだ。女性特有の柔らかい体、S字を描くボディライン。全てが大好きなのである。そんな誠也は、女の子の服を選ぶというだけでテンションが上がっていたのだ。


つまり、誠也の頭の中では、ミーリィの服を買いたい。しかし、お金がない。ならば仕事を探そう。

仕事をすれば、お金が稼げる。すると、ミーリィの服が買える。ミーリィならどんな服が似合うだろう。

やっぱり和服風の服か。しかしそれよりも・・・(略)

こんな、脳内妄想が行われていたのである。結果、今後の行動ではなく妄想の走りを喋ってしまったという訳である。


「あのー、服を買って下さるのは、嬉しいのですが、お金がないんですよね?」


誠也が変なことばかり言うせいか、少し暗い雰囲気は残るが初めてまともに喋った。そのことになんだか嬉しくなった誠也はさっきの失態はなかったことにして話始めた。


「そうなんだ。何か良い仕事はないか」


「すみません、私は田舎の出身ですから、あまりこちらの地理には詳しくないので」


「そうか・・・困ったな。いや、当てならあるか」


誠也は、面倒くさそうな顔の男のことを思い出していた。確か、困っていることがあれば来いと言っていたと思う。誠也はミーリィを連れて酒場に向かった。


 酒場に入ると、思ったよりも人が少ない。日はまだ高いから酒を飲むにはまだ早いからかもしれない。そんな中で男は一人テーブル席でビールを飲んでいた。


「聞きたいことがあるんだが、隣いいか」


誠也は、テーブルに銀貨を一枚置いて、男の許可なしに椅子に座った。


「オーケーとは言ってないんだが・・・。ん、そこの女は戦女神デーアか」


無礼な誠也の態度にも表情を変えることなく答え、手のひらを前に合わせ綺麗な姿勢で立っていたミーリィに目を向けた。


「そうだな、俺がマスターになった。グラーノさん座っていいよ」


誠也は立ち上がり、空いていた椅子を少し後ろ下げて、座るように促した。ミーリィはびっくりした顔をしていたが、おずおずと椅子の前に立ち、腰を下ろした。その際に誠也が椅子の位置を合わせる。


「おいおい、マスターのすることじゃないな」


「女の子が一番大事が俺の考えでね。それに知り合ったばかりだ。偉そうな態度はよくないだろ」


誠也は椅子に戻りながらした会話に、男は面白そうなやつに会ったと思っていた。男の職業は情報屋でだ。今まで様々な人間に情報を売ってきたが、彼にはこんなやつは初めてだった。子供でも知っているような神話の話を真剣に聞くような世間知らずに、マスターになったというのに威張るわけでもなく、むしろ優しくなっている態度。ガイアの常識を気にしないその姿勢に情報屋として興味をそそられた。


「それで、何が聞きたいんだ」


「あー、言い難いんだが、金がなくてな。手っ取り早く金を稼ぐ方法を探している」


「金がない・・・。そういえば、お前とは変なコインで取引したのか」


男は、テーブルの銀貨をポケットにしまいながら、金を稼ぐ方法を探した。一番、手っ取り早いのは戦女神デーアを売ってしまうことだが、誠也はそれを却下した。そのため男の中には一つの選択支しかなかった。


「それじゃ、冒険者はどうだ」


「冒険者というのは何をするんだ」


「そんなことも知らないのか」


男は面倒くさそうな顔をさらに面倒にして話始めた。


 冒険者というのは、冒険者協会に所属するメンバーの総称である。冒険者協会はあちこちに拠点を持つが、世界のどの国にも属さず、独自の決定機関を有している。冒険者の仕事とは、協会が国、個人から依頼された仕事を協会からの斡旋という形でこなすことである。以来の内容は多岐に亘り、街中でのお使いから薬草の採取、モンスターの討伐等様々である。

入会は、近くの拠点に行き届出を出すだけでいいことから、職に困って冒険者になるものも多い。

システムとしては、協会が依頼主から依頼を受けそれをメンバーに紹介。以来達成時に、成功報酬の何割かを協会が貰い、残りをメンバーに支給をする形になっている。


「なるほど。依頼主と仕事人の仲介役になるわけだ」


「そうだ。もちろん、協会に所属しなくてもフリーで依頼を受けることも可能だが、その場合、依頼探しから、以来達成の証明、成功報酬の交渉まで全て自分でしないといけない」


冒険者協会は、大きな組織だ。依頼主との折衝や豊富な情報など冒険に必要なことはある程度してくれる。


「そのくらいだな。後は、受付のねーちゃんにでも聞いてくれ」


話は終わりとビールをぐっと飲み始める男。


「助かった。そういえば名乗ってなかったな。俺はグラーノ。そっちはミーリィグラーノさんだ」


「俺は、情報屋のダンだ。なんか会ったら、金持ってここに来い」


誠也の自己紹介に答えたダンは、自分の足元を指さし、前回とまったく同じことを言った。

その言葉に、苦笑いで返した誠也はミーリィと共に酒場を出て行った。



 酒場を出ると、冒険者協会は酒場の向かい側にあった。周辺の建物が石造りなのに対して、大きな山小屋を連想させる木造の建造物は、まさに冒険者といった雰囲気が漂っている。中に入ると外観と同じようにいかにもな雰囲気が漂っている。奥のカウンターに向かって真っ直ぐ敷かれた絨毯じゅうたん。絨毯を境に右側にはコルクでできたボードにびっしりと紙が貼ってある。左側には冒険者の憩いの場である酒場が併設されており、たくさんの冒険者たちで賑わっていた。

誠也たちは、一部の冒険者の視線を集めたが、誠也は気にせず、ミーリィは顔を下に向けカウンターに向かった。


「すまない。冒険者になりたいのだが、届出の紙を貰えるかな」


「はい、こちらになります」


完璧な営業スマイルで紙差し出した受付嬢に、軽く会釈を返しながら受け取った誠也。手に持った届出書をさっと読んだ誠也は受付嬢に届出の一部を指さしながら訊ねた。


「ここの、主な使用武器という項目は必ず書かないとだめか」


「そうですね。町の外に出る依頼であれば、簡単なものであっても武器の携帯か。戦闘に使える能力を持っている必要があります」


ニコッと笑いながら答える受付嬢。


「ちょっと考えさせてくれ」


誠也は、本日何度目かの熟考タイムに入った。














仕事の関係で、明日は更新できるか未定です。

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