③墜落
三話を纏めて一気に投稿です。
#9
「はあ〜、スッキリした」
我慢した後のアレってやっぱり気持ち良いですよね。ついつい言葉遣いが丁寧になってしまいます。
………別にアッチ系の白いおたまじゃくしの事じゃないぞ。
「っと、それより早く行かないと」
校門で美琴が待っている。
幸いトイレは分かり易い所に有ったから、間違っても迷うことはないだろう。
#10
「迷った………っ」
もう本当、なんだよこの高校!
トイレに行く道をそのまま戻った筈なのに、何故か行き止まり。回れ右してもう一回トイレに行ったら、今度はパソコン室に行き着くし。じゃあ、と今度は違う道を選んだらトイレに逆戻りして。まるで巨大要塞。伊達に迷路高校と呼ばれてはいないと思った。
単に俺が方向音痴なだけだとは、絶対に思いたくない。
仕方ない。
此処は三階だが、俺の身体能力を持ってすれば、この窓から直で降りられる。その後は校舎の壁に沿って進めばどうにかなる筈だ。人がいると確実に騒がれるから、あまりこういうことはしたくないのだが、今回ばかりはやむを得ないだろう。
今日は受験なだけとあり、複雑な廊下を練り歩いても、誰一人として擦れ違わない。先生ぐらい歩いてても良いと思うが、大方テストの採点で忙しいのだろう。
三年生は朝の受付だけで、直ぐに帰った模様。誰も居ないのも無理はない、のか?
………もう時間が無い。
飛び降りるために近くの窓を全開にし、首を出して隅々まで人がいないか見回す。
よし、居ない!
窓の縁へ立つ。今は、開けた窓のガラスを掴んでどうにか立っている状態だ。
覚悟を決め、膝を曲げて跳ぼうとしたその瞬間、
「______ーッ!」
誰かの叫び声と共に、脚に違和感が生じた。
何かに巻きつかれる様な感覚があるのだ。脛の部分はそれほどではないが、脹脛には、ボールの様に丸みがあり、だが柔らかく、それでいて弾力がある物体が左右それぞれに押し付けられていた。俺の貧困なボキャブラリーでも伝えられる、男子諸君の憧れ、だが女子が欲して堪らないモノ。その二律背反の瀬戸際に存在し、見るだけで荒んだ心が癒される。甘くも切ない、生物の神秘。それは______。
「OPPAI………!」
そう、感触だけでも分かるほどの大きさ。AやBでは断じてない。最低E。いや、それでもまだ甘過ぎる。
OPPAI事情にそれほど詳しくない俺でも分かる。これはまさしく、女神の祝福______
「じゃねーよ!こんなこと思ってる場合じゃおわっ!」
「きゃあ!」
体制を崩した途端、窓の縁から墜落した。
______やばっ!
瞬間、俺の身体能力が覚醒し、直ぐに体制を立て直して、何故か一緒について来た女子を抱きながら無事着地できた。
「く、ぐうぅ………!」
しかし、微妙な受け身しか出来なかったせいで、脚への衝撃が半端ない。落ちてから少し経った今でもまだジーンと痺れているが、それは然程問題ではない。
逆に、もっと問題なのがこっちの方だ。
「誰だ、こいつ」
こんな女子に見覚えはない。こんな究極ボインちゃんは見たら忘れない筈なのに、記憶に無い。恐らく、いや確実に、跳ぶ瞬間に脚に抱きついて来たのはこいつだ。このふくよかな胸が確たる証拠。
でも、何故こいつは抱きついて来たんだ?
まあ今はいいか。
まずは俺の腕に抱かれて寝ているこいつを起こさなくては。いい加減、重い。
「おーい、大丈夫か〜。起きてくれ〜」
一旦地面に降ろして頬や額を平手で弱く叩いたが、動かないし、起きる気配すらない。手首の動脈に親指を押し当ててみたが、確りと心臓は機能していたから、生きているには生きている。
「起きないと、レイプしちゃいますよ〜」
気絶だな。全く反応が無い。
いや逆に、レイプされるのが好きな変態と言う見解も出来るが………。あっ、その可能性高いぞ。こんなけしからん胸が有るなんて、数多の男に揉みしだかれた以外に考えられない。
「………保健室に持ってくか」
これが最善の選択の筈だ。俺はあまり、そっちの話に首を突っ込みたくない。
「そうだ、美琴に連絡入れないと」
ブチ切れると後が怖いからな。
『急用が出来た。先帰っててくれ』と打って送信を押した瞬間に『急用って、何?』と返って来たが、教えても意味が無いから『いや、ちょっとな。気を付けて帰ってくれ。じゃあまた、面接で』と、直ぐに帰るように促した。『----------分かった。また、明日ね』と言う返信から、しぶしぶ了解、と言う感じだろう。
なんにしても、オッケーが貰えて良かった。ボクもその急用手伝う、などと言われた時には相当焦っただろうな。
#11
「失礼しま〜す。気絶した人連れて来ました」
適当に歩いていたら、何故か速攻で保健室が見つかった。この運を最初に使ってくれと言いたいが、今回も同じ様だったら嫌過ぎるので、あえて言わない。
「あら、貴方達、見ない顔ね。受験生?」
保健の先生と思しきその人は、ボンキュッボンなベストスタイルで、保健の先生らしい白衣を、私服の上から着用している。そして一際目立つのが、立った状態でも地面に付く程長い黒髪。
………保健の先生がこれで良いのか。男子生徒が挙って怪我をしそうなんだけど。
「あ、はい。俺はそうですけど、こっちの人は知りませんよ」
先生に、背中に負ぶった女子が見える様に、一瞬だけ掴んでいる脚を持ち上げて体を浮かせる様にした。
「………いや、その子も受験生の筈だよ。ここ3年保健室の養護教諭を勤めてるけど、見たことが無い娘だ。あれ?じゃあ君達は知り合いってわけじゃないんだ。………ちょっとイケナイ匂いが漂って来たよ。お姉さん、そう言う話題に興味あるわ」
「いえ、そんな匂いは微塵も有りませんから。安心してください」
「チッ」
「今舌打ちした、舌打ちしましたよね!」
「ま、その話は置いといて。その娘、気絶してるんだっけ。じゃあそのまま其処にあるベッドに寝かせて」
「………はい」
こういう時は無視が一番だと、我が愚姉に教わった。
先生に言われた通り、気絶したボイン女子をベッドに降ろして布団を被せた。
(しかしこの人、美人だな)
この保健の先生まではいかないけれど、黒髪は腰まで届いていて、日本らしい淑やかな顔つき。例えるとするなら、大和撫子。和服とか袴とかが似合いそうだな。
………って、何を考えてんだ俺は。煩悩退散煩悩退散!
ほおを叩きながら頭を振って邪念を振り払っていると、唐突に、保健の先生が何かを思い出した様に手を叩いた。
「あっそうだ。今日さ、今から会合があって他の高校に行かなくちゃいけなかったんだった」
「え?じゃあこの人は?」
まさか………。
「ゴメンね。この娘起きるまで、ずっと見ててくれないかな」
「無理です」
「この会合すっごく大事でね、絶対にすっぽかせないんだ」
無視ですか。
「ああ、間に合わない。じゃ、頼んだよ〜!」
「ああっちょっ………!」
俺が止める前に、あっと言う間に消え去った。
「はあああああ………………」
それはもう、深い、深ーーーーーい溜息をついた。
………俺、あの先生苦手だ。
「______ん、うぅん」
あの残念な先生の事を考えていると、微かに唸り声が聞こえた。男のものではない。甘ったるい、女子の声だ。
「起きたか!」
あの人が起きたと思ってベッドを見たが、単に寝返りを打っているだけだった。………いや、寝返りを打ったって事は、起きたんじゃね。
「お〜い、起きろ〜」
試しに肩を弱く揺すってみる。唸り声も大きくなって来た。確実に反応は有る。
「おい、起きろ!」
今度は力尽くで揺すり、耳元で大声を上げてみた。
「うぅ、ん………………ん?」
そいつは突然振り返り、俺の視界が綺麗な顔で埋まった。
「ん?」
腑抜けた表情を浮かべるそいつは、理解が追い付いていないのか、寝ながら首を傾げた。しかし徐々に意識が覚醒していくに連れて、顔が赤く染まっているのに気が付いたのは、
「きゃあああああああ!!!」
黄色い声で叫ばれて、平手で張り飛ばされた後の事だった。俺は壁に激突し、背中が強く押されて咽せた。壁が凹んでる様に感じて振り向いたら、案の定壁に穴が空いていた。
衝撃が強すぎて、少しの間呆けてしまった。
「エッチ、変態、どすけべヤロー!いたいけな少女を気絶させた挙句に犯そうだなんて、正気の沙汰じゃないです!お巡りさーんっ、こっちです!この人がやったんです!」
「ちょっ、ちょっと待て!誤解だ、誤解なんだ!」
身も蓋もない犯行容疑を突き付けられて、黙っていられるか!
「誤解!?じゃあさっきの目の前に有った顔は何ですか!明らかにキキキ、キスをしようとしたじゃないですか!現行犯ですよ!」
「だから誤解だって!」
「信じられますかー!」
「まず落ち着いて話を聞いてくれ、なあ!」
高校入学前に警察の御厄介になったら敵わん。ましてやその高校の校舎内だぞ。絶対に百十番を押される前に引き止めないと。
必死で懇願していると、目の前の彼女は深妙な顔つきになり、何かを考えている様に、顎に片手を添えて目を瞑った。
「………まあ、いいでしょう。その目を見る限り、悪い人には見えにくいですから」
「なんで『にくい』なんだよ。『ません』の間違いじゃないのか」
「携帯って何処にありましたっけ」
「ああ、すいません!もう無駄口叩かないので、聞いてください!」
なんにしても良かった。
本当の事を言い続ければ、こんな乱心娘でもいつかは信じてくれるだろう。
『三階から飛び降りようとした俺の脚を掴んで一緒に落下し、命は助かったものの気絶。その後保健室で寝かせようとしたら先生に逃げられ、起きるまで看病する事に。寝返りをしたから起きそうだと思い、体を揺すりながら耳元で大声を上げ、其処で振り向いたから顔が目の前に』
と言うことを言ったら、
「ふ〜ん、………って、信じると思いましたかこのキッス魔!」
「へぶぅ!」
華麗な回し蹴りをくらい、さっき空いた穴に顔を突っ込まれた。
………首が痛い。
「それにしても、三階から飛び降りようとしたって………。貴方まさか、自殺志願者!」
「ちげえよ!普通に飛び降りて地面に着地しようとしたんだよ!」
わざとらしく俺のことを自殺志願者だと言うそいつに向かって、真実を突き付けた。
どうだ、反応は如何に。
「今日のテストで絶望的な点数を取ることが確定。今までの自分の努力が報われなかったと自暴自棄になり、即断決行してしまったのでしょう………。なんて可哀想に」
「お願いだから、ねえ、俺の話を聞いてくれ!」
こいつ中々の難物だ。人の話を聞いちゃくれない。
わざわざハンカチを取り出して泣いているフリをしているこいつを見てて、ふと疑問に思った。
「そういやお前、なんで俺が飛び降りようとした時に脚を掴んで来たんだ」
「何故って、自殺を止めるために決まっているじゃないですか」
「自殺じゃないぞ」
「貴方にそのつもりが無かったとしても、咄嗟にそう判断してしまったんです!三階から飛び降りようとしている人を見て、止めない人がいますか!」
その顔は真剣そのものだった。
「まあ、そういやそうだな」
俺だって、目の前で自殺しようとしている人がいたら、無視出来る程人間を捨てていない。
「それに貴方、三階から飛び降りて、死亡もしくは骨折以外の末路を思いつきますか?」
「お前が脚を掴まなかったら、脚も痺れずに美琴の所に行けたよ!」
正直、これが本音だ。助けようとしたのは良いが、そのせいで危険な目に遭いかけたんだ。かと言って責めることも出来ないし………。なんというジレンマ。
「ミコト………と言う方のことは知りませんが。つまり、要点を纏めると、『三階から飛び降りて、ミコトさんの所へ逝こうとした』と言うことですね」
「纏めるどころか意味が全く変わってるぞ!」
「冗談です。普通に三階から飛び降りようとしたら、それを自殺と思った私が脚を掴んでしまい、私諸共転落。気絶した私を保健室に連れて行ってくれた、と」
「そうだ」
「そして、寝ている私にキスしようとしている様に見えたのは、耳元で大声を上げていたための事故」
「その通り。分かってんじゃないか」
「………ま、こんな所でいがみ合いをしていても無意味ですからね。お互い、さっさと帰って面接の最終確認をした方が良いでしょう」
長々と口喧嘩せず、スッパリと割り切る方向は俺も賛成だ。此処で喧嘩しても何も良いことが無い。
何方が悪いというわけでもなく、それでいて双方に言い分があるわけで。此処らで止めておいた方が、後々楽になるだろう。
「………そうだな。いや、悪かった。誤解させて」
「いえいえ、此方こそ。自殺と勘違いしたばっかりに。すいません」
俺達は無言で握手を交わした。友情に言葉は無粋だ。
「よお………。そろそろ離してくれねえかなぁ」
「それは此方の台詞ですよぉ………。女の子相手なんですから、もっと優しく握らないとお!」
凄まじい力で手を潰されかけている。これ女子の出して良い力じゃねーよ!
「ぐおぉ!………へっ、やるじゃねえか。女の分際でぇ!」
此方も黙っていられない。この際、女子だということは無視をして、一人の人間として考えるんだ!
俺の全身全霊の力を込めて、その華奢な手を握り潰す。
「ぐうぅ………!お、大人気無いですよ」
「そっちこそ………っ。………。………プッ、あははははは!」
「ふふふふふ!………私達、これから仲良く出来そうですね。悪い意味で」
やっと手の力を抜いてくれたから、俺も手を離した。
「そうだな。面接、ドジんなよ!一緒にこの高校入るためにもな」
「貴方もね。………それにしても貴方、よく見るとイケメンですね」
「神連悠だ。貴方じゃない。そしてイケメンでもない。そう言うのはお前だけだぞ」
「そう言うのも貴方だけだと思いますよ」
呆れ顔で溜め息をつかれた。
「私は神楽撫子です。以後よろしく。そうだ、メアド教えてくれませんか?赤外線で………」
「あ、ごめん。俺、携帯持ってないんだ」
家庭の事情で。
「そうなんですか。じゃあ、買ったら此処に連絡してください」
と言って、筆箱からメモ帳を取り出して、メアドを書いた。それを受け取り、俺は「ああ、分かった」と言った。
「じゃあな神楽。一応、一度気絶したんだから、少しは安静にしてろよ」
「撫子で良いですよ。私も悠と呼ばせてもらいますから!」
「………じゃあ、撫子。また明日な」
「はいっ。また明日!」
そんな優しい笑顔を向けられて、無事でいられる男子はいない。そんなのを町中でやられたら、町内の男は脳がヤられるだろうな。簡単にその笑顔を見せるな、と言いたかったが、言い出しにくかったから止めといた。
今日をもって、更に高校生活が楽しみになった。あいつとは、もしかしたら、美琴やリンよりも親しくなれるかもしれない。
そんな淡い期待を内に秘めながら大股で廊下を歩き、やっとのことで昇降口を見つけた。
#12
「ねえ、今まで何してたの」
探し回ってやっと見つけた校門も出ると、良く知った声が横から聞こえて来た。
それは______。
「美琴、なんで………」
「ねえ、今まで何してたの。答えて」
「早く帰れって言った筈じゃ………」
「答えて」
目が怖い。俯いているが、分かる。これは本気だ。
何に怒っているかは大体想像が付くが、これは、素直に吐いた方が楽だ。
はっきり言って面倒くさい。
と思って素直に話したら、更に心身が沈んでしまった。事情を美琴に話さなかったのは確かに悪かったが、其処までの事か?
「あ、あのな。美琴に相談しなかったのは悪かった、謝る。ゴメン。………さっ、帰るか」
早く帰って気を落ち着けた方が良い。出来るだけ穏便に、和やかにこの場を鎮めようとしたが、
「______やっぱり」
ダメだった。
「やっぱり、ボクのこと、嫌いに、なった、の………?」
「______っ!」
こいつ、本気だ。本気で泣いている。
「今日、言ってたよね。大人びた、感じの人と、友達になりたい、って………。やっぱり、その、撫子さんって人、は、大人びて、いるの?」
「ま、まあ、そうだな。黒髪ロングで、美人でしかも、胸もでかい。常に敬語だけど、話し方は柔らかくて。それに、俺と物凄く気が合うしな。高校が楽しみになった、ぞ………?」
リンではないが、地雷を踏んでしまったのか?俺に気が合う友達が出来て怒るなんて、それこそ筋違いな気がするが。
「美琴………?」
「………ボクは、ボクは………っ」
涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げて、悲しみに溺れた表情を浮かべて、叫んだ。
「ボクは悠くんのことが好きなのっ!!!」
………え?
理解が追いつかなかった。せめて、考えを巡らせている間に何か、何か話さないと。
「それは普通に友達として………」
「違う!」
俺は、いつもとまるで違う迫力の美琴に、微かに身じろいだ。
「性別なんて関係無い!世間の目なんて関係無い!悠くんやリンちゃんがどう思うかなんて、関係無い!!………ボクは、悠くんのことが好きなの。もうどうしようもないぐらい。だから、他の女の子達と仲良く話してるのを見ると体がムズムズするし、アレする時も、毎回悠くんのことを思いながらしてる!気持ち悪いって思ってくれて良い!だけど………」
静かな声で、言い切った。
「答えが何であっても、返事が欲しいよ。そうすれば、諦められるから______」
帰った後も、面接の練習なんてする気も起きず、ただベッドの上で、ボーッとすることしか出来なかった。
♭12
何も無い暗闇の中、俺と美琴だけが其処に居る。お互いは向き合い、でも俯いていて、楽しく会話が出来る雰囲気ではない。
『悠くん、ごめん』
美琴が、唐突に話しかけて来た。
顔が周りの暗闇と同化していて、上手く表情を読み取ることが出来ないが、その口調だけで、とても暗い話であると確信出来る。
『なんだよいきなり。美琴が謝る様なことはしてないだろ』
『でも、ごめん』
俺にも、美琴に謝られる心当たりがまるで無い。だが、こんなにも真剣に謝っているんだ、何も無いわけがない。でも本当は、薄々感じていたんだ。何に対して謝っているのか。
______そしてこの話は、それで終わるものではないということも、分かっていた。
『………………サヨナラ』
美琴の体が闇に侵されていく。それに溶け込む様に体が薄れていき、遂には存在自体が消えてしまった。
『待てっ、美琴………!』
その声も虚しく闇に飲み込まれ、俺の視界も黒く、塗りつぶされていった。