第6章
そこは広い高原のようになっていた。
「高原みたいね…」
「ええ」
「ねえ、レイリア様がおっしゃっていた、エターナルクリスタルって、いったいどこにあるのかしら?」
「さあ…」
「みんな、気をつけろ!!」と、フェイルが叫ぶ。
「フェイル?」
「どうしたの?」
「今、敵の気配があったような気がしたんだ」
「なんですって?」
エリーたちは精神を集中させた。
「来るぞ!!」
フェイルが叫んだと同時に、ディール島の戦士がいっせいに襲いかかってきた。
「卑怯な手を使うわね。みんな、行くわよ!」と、ユリー。
「ええ!!」
「イリュージョン・ラビリンスミラー!!」
「アクア・ウオーティ・フリーズ!!」
「アクア・スティアー・サンド!!」
「ブラック・バースト・サンダー!!」
「ウインディ・ハリケーン!!」
「いったい何人いるの? きりがないわ」と、シンクレアが言う。
「ティシア」
「なんだ?」
「おまえのクリスタルの力を、俺に貸してくれ」
「ああ」
ティシアはクリスタルを掲げた。
「ウインディクリスタルよ、このものに力を与えたまえ!!」
フェイルのクリスタルに、ティシアのクリスタルの力が注ぎ込まれる。
「おまえたち、俺から離れろ。 もしかするとおまえたちまで巻き込んでしまうかもしれない」
「わかったわ」
エリーたちはフェイルから距離を取った。
「くらえ、グランドストーム・ハリケーン!!」
フェイルのクリスタルに、ティシアのクリスタルの力が備わったこの技は、これまでとは桁違いだった。
ディール島の戦士は一撃で吹き飛ばされる。
「おのれ! 覚えていろ!!」
ディール島の戦士たちは撤退していった。
「みんな、怪我はないか?」
「私たちは大丈夫。 それにしてもすごいわ。 こんな技を生み出せるなんて」
「ティシアのクリスタルは風のクリスタルだ。だから、俺とあわせて使うほうが威力も増すだろうと思ったのさ」
「私たちのクリスタルに、こんなすごい力があったのね」
「よし、先を急ごう」
「ええ」