第1章
<主な登場人物>
エリー
ディール島の人々との戦いに赴くために選ばれた戦士。 アクアクリスタルの守護を持つ。
ユリ―
エリーの異母姉。 母親が違うことから、最初はエリーに冷たくしていたが、ディール島との戦いに赴くことになり、エリーに心を開く。 エリーと同じ、アクアクリスタルに守護されている。 頭もよく、頼れる人である。
フェイル
アースクリスタルに守護されている戦士。 エリーたちとともに、戦う。 7人の中では一番年上で、みんなのリーダー的存在である。
シンクレア
イリュージョンクリスタルを守護に持つ戦士。 ユリ―の親友。
ティシア
ウインディクリスタルを守護に持つ戦士。 気候や風を操ることができる。
ルイザ
スカイクリスタルを守護にもつ戦士。 エリーの親友。 ヒーリング能力を持っている。
ジェミ―ヌ
フレームクリスタルを守護にもつ戦士。 炎を操る。
レイリア
アレス島の女神。
南に位置する島・アレス。
この島を治める女神・レイリアは、今日も祈りの間で祈っていた。 その祈りの間へ兵士がかけつける。
「レイリアさま、 大変でございます!!」
「どうしたのです? そんなに慌てて」
「隣の島のディ―ルが戦を仕掛けてまいりました!!」
「なんですって!?」
「すぐに、戦士たちを向かわせましょう」
「戦士は選んであったのですが、このような戦いに巻き込む形になるなんて…。 女神の間へエリーたちを集めてください。 私もすぐに行きます」
女神の間。
エリー、ユリ―、フェイル、シンクレア、ティシア、ルイザ、ジェミーヌの7人が集まっていた。
「レイリアさま、いったいなにがおこったのですか?」
秀才で、レイリアの信頼もあつい ユリーが尋ねる。
「我々と敵対している、ディ―ル島をご存知ですね? そのディ―ル島が戦いをしかけてきたのです」
「あのディ―ル島が!?」
「はい。 あなたがたはこれから、ディ―ル島の人々との戦いに赴いてもらわなければなりません。 危険なこともあるかと思いますが、どうかこの島を守ってください」
「心配なさらないでください。 レイリアさま。 私たちは必ず、この島を守ってみせます!!」
「ありがとう。みんな。 あなたたちに、この島の源であるクリスタル・ストーンと聖剣を与えます。 この剣は、あなた達のクリスタル・ストーンで操ることができます。 それに、あなた達の持つ魔法を加えれば、精霊を召喚できたり、いろいろなことに役立ちます」
レイリアは、エリーたちに聖剣とクリスタル・ストーンをわたす。
「申しあげます。ディール島のものが西の地方を占拠したとの連絡が入りました。」
「みんな、行きましょう!!」
「ええ!!」
外へ出ると、ユリーは言った。
「みんな、悪いけどここで待ってて」
「いいわよ。 でも、なるべく急いでね」 と、ユリーの親友のシンクレアが言う。
「ええ。 エリー」
「なに? お姉さま」
「話があるの。 来て」
「うん」
エリーは、ユリーの後についていった。
「おい、 大丈夫かよあの2人」
ティシアが心配そうに言う。
「そうだよな。ユリー、今までずっとエリーに冷たくしていただろ」
フェイルも賛同した。
「エリーちゃん、どれだけつらかったでしょうね」
「本当よね、シンクレア。お母さんが違ったって、 姉妹なんだから」と、ルイザ。
ユリーの部屋。
「お姉さま、なあに? 話って」
「エリー、ごめんなさいね。 今まで、あなたにつらくあたって」
「お姉さま…!」
「私、ずっとうらやましかったの…。 お母さまとの思い出があるあなたが」
「え…?」
「私のお母さまは私が生まれて間もなく亡くなったけど、エリーにはお母さまとの思い出があったでしょう。それが、とてもうらやましかったの」
「お姉さま……」
「それに、私はあなたが来るまでは、この島で1人で過ごしていたけれど、あなたはお父さまとも一緒にいられた。 それがとてもうらやましかったわ。 もちろん、お母さんの違う妹がいるということ自体が、最初は受け入れることができなかった。 でも、本当はもっと早くにあなたに心を開ければよかったのに…。 こんなに時間がかかってしまって、本当にごめんなさいね」
「お姉さま… ありがとう。その気持ちだけで、私 とても嬉しい」
「エリー…」
「ねえ、お姉さま、これからは一緒に力を合わせて頑張りましょう」
「そうね。ディール島との戦いも始まるんですもの。フェイルたちとも協力して、お互いに助け合っていきましょうね」
「うん!」
「これ、 あなたにプレゼントよ。 あけてみて」
「ありがとう」
エリーが包みを開くと そこには姉とおそろいの髪どめが入っていた。
「お姉さま、 これ…!!」
「私と同じやつよ。 もう少し髪が伸びたら、一緒につけましょうね」
「ありがとう!!」
エリーは、ユリーに抱きついた。
ユリーはその背中を優しく抱きしめる。
「さあ、みんなが待ってるわ。 行きましょ」
ユリーは、エリーと部屋を出る。
「あ、きたわ」
「ごめんね、待たせて。さあ出発しましょう」
ユリーたちは、島を離れ 森へと進んだ。
「気をつけろ!」
「ティシア? どうした?」と、フェイルが聞く。
「いやな予感がするんだ…」
そばの茂みから、魔物が出現する!!