散歩
ふと思い立って家を出た。
深夜2時、街灯の明かりだけがどこか寂しく道を照らしている中、私はあてどもなくただ歩く。
自宅から5分ほど歩いたところに公園がある。公園といっても小さな滑り台とブランコ、砂場がある程度のものだが。
ブランコに腰をかける。大人の私には小さな子供が遊ぶための物では小さすぎるが。
ふと昔のことを思い出した。近所にあった公園で友だちと遊んでいた日々のことを。
すっかり「大人の付き合い」という形での遊びが普通になってしまっている。それは少し寂しいことのように感じた。
久しぶりに旧友に連絡を取ってみようと思う。
大人同士が出会うのではなく、あの頃の純粋な気持ちでまた遊んでみたい。という気持ちを抱きながら、私は再び歩き出す。