第8話 順位決め
どうも、Rowun☽です。
第8話を読みに来てくださりありがとうございます。
今回は訓練での順位決めが行われる回になっています。
ロムの実力や、戦い方にも少し注目していただけたら嬉しいです。
それでは、第8話をどうぞ。
朝食後。
俺たちは野外訓練場に集められていた。
どうやら今日は、ここに来て初めての順位決めらしい。
「ロム、本気出すなよ?」
隣でナルアが小声で言った。
「殺しかねないから」
「加減はするよ」
たぶん。
俺は軽く肩を回す。
勝負に手を抜く気はない。
こういうのは、本気でやるから意味がある。
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「これから順位決めを始める!」
教官の声が響く。
「この中で1位を取った者は、俺と遠征に出てもらう!」
ざわつく新兵たち。
……遠征か。
情報を得るにはちょうどいい機会だ。
順番はランダム。
名前を呼ばれた者から順に戦っていく。
俺は他の新兵の動きを観察していた。
足運び。
構え。
反応速度。
……ダメだな。
ほとんどが素人だ。
身体の動きは硬いし、判断も遅い。
戦場に出れば、長くは持たない。
「はぁ……」
思わずため息が漏れる。
本気でやったら、死人が出るかもしれない。
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「最後に――ロム・ルーカス対ギルベルト・クニップハルツ」
呼ばれた。
俺はフィールドに入る。
対戦相手を見る。
……大きいな。
ガタイもいい。
だが。
動きは遅そうだ。
「おいおい」
ギルベルトが笑う。
「こんなチビが相手か?」
周りの取り巻きもニヤニヤしている。
「子供は帰ってママに甘えて寝てな」
下品な笑い声が響く。
……くだらない。
「このギルベルト様に勝てるわけねぇだろ?」
しっしっと手で追い払う仕草をする。
……典型的だな。
こういうタイプは、最初に死ぬ。
「怖くて声も出ねぇか?」
ニヤニヤしながら煽ってくる。
チラッとナルアたちを見る。
ヴェスターが今にも殴りかかりそうになっているのを、ナルアが必死に止めていた。
……ほんと分かりやすい。
俺はもう一度ため息をついた。
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「準備はいいか?」
教官が手を上げる。
「いつでもいいですよ」
ギルベルトが笑う。
「ロム新兵は?」
「大丈夫です」
「では――」
手が振り下ろされる。
「始め!!」
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ギルベルトが突っ込んできた。
正面から。
一直線に。
……愚直すぎる。
俺は一歩ずれる。
そのまま、気配を消す。
視界から外れる。
「どこいった!?」
「……後ろ」
背後から声をかける。
そのまま足を払う。
バランスを崩すギルベルト。
だが。
まだ終わらせない。
……あれだけ煽られたんだ。
少しは付き合ってやる。
ギルベルトが立ち上がろうとした、その時。
動きが止まった。
顔が青ざめる。
理由は簡単だ。
俺が、殺気を向けたからだ。
場の空気が変わる。
新兵たちが固まる。
教官ですら、わずかに表情を変えた。
……この程度でか。
「降参するなら今のうちだよ?」
さっき言われた言葉を、そのまま返す。
ギルベルトは歯を食いしばる。
「ふざけんなぁ!!」
突っ込んでくる。
だが、動きが雑だ。
簡単に躱す。
そして――
手刀を首筋に落とす。
一撃。
ギルベルトの意識が飛ぶ。
そのまま倒れた。
ドサッ。
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「……勝者、ロム・ルーカス」
教官が確認する。
少しだけ焦ったように脈を取っていた。
「気絶しているな。医務室へ運べ」
担架で運ばれていくギルベルト。
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「ロム!!やばいって今の!!」
ヴェスターが駆け寄ってくる。
「スカッとした!!」
「あはは」
ナルアも隣に来る。
「やりすぎてないよな?」
「加減したよ」
「いやあれで?」
少し呆れている。
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その時。
「ロム新兵」
エルダ教官が近づいてきた。
「怪我はないか」
「大丈夫です。全部躱したので」
「そうか」
エルダ教官は小さく頷く。
「……だが」
少しだけ目を細めた。
「あの挑発に乗らなかったのはいい判断だ」
「子供騙しですから」
俺は肩をすくめる。
「戦場なら、あれで死にます」
エルダ教官は一瞬だけ俺を見た。
そして。
「……そうだな」
短く言った。
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その後も試合は続き。
結果。
俺は1位になった。
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「ロム新兵」
エルダ教官が呼ぶ。
「お前は1位だ」
「はい」
「後で俺のところに来い」
「わかりました」
そう言ってエルダ教官は去っていった。
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……呼び出し、か。
少しだけ面白くなってきたな。
【あとがき】
第8話を読んでくださりありがとうございました。
ロムの強さや、周囲との違いが少しずつ見えてきた回だったかなと思います。
ここからさらに物語も動いていきますので、続きも楽しんでいただけたら嬉しいです。
これからも応援していただけると励みになります。
それではまた次のお話で。
またね。




