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Wissen ist Macht.  作者: Rowun☽


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第7話 混乱

どうも、Rowun☽です。


第7話を読みに来てくださりありがとうございます。

今回は少し余韻の残るような、静かながらも変化を感じる回になっています。


これまでとはまた少し違った空気を楽しんでいただけたら嬉しいです。


それでは、第7話をどうぞ。

――唇が離れた。


ほんの一瞬だったはずなのに、やけに長く感じた。


「……っ」


声が出ない。


何が起きたのか、理解が追いつかない。


エルダ教官は何も言わない。


ただ、すぐ近くでこちらを見ている。


近い。


さっきよりも、ずっと。


「……あの」


やっと声を出す。


「教官、今の……」


言いかけて、止まる。


なんて言えばいいのか分からない。


キスされた?


いや、されたよな。


された。


……なんで?


「……静かにしろ」


エルダ教官が小さく言った。


まだナルアたちが近くにいる。


「どこ行ったんだよロム〜」


「さっきここにいたよな?」


声がすぐ近くまで来ている。


エルダ教官の手が、俺の肩に触れる。


押さえられるようにして、さらに距離が近くなる。


「……っ」


心臓がうるさい。


近い。


近すぎる。


さっきより意識してしまう。


「いないなー」


「どっか行ったか」


足音が少しずつ遠ざかっていく。


やがて完全に聞こえなくなった。


静寂。


「……もういい」


エルダ教官が手を離す。


俺はその場に座り込んだまま動けなかった。


「……大丈夫か」


エルダ教官が少し低い声で聞いてくる。


「……大丈夫じゃないです」


即答してしまった。


自分でもびっくりするくらい素直な答えだった。


「……そうか」


エルダ教官は少し視線を逸らした。


沈黙が落ちる。


気まずい。


ものすごく気まずい。


「……あの」


俺は恐る恐る聞く。


「さっきのって……」


エルダ教官は少しだけ間を置いた。


そして。


「……事故だ」


短く言った。


……いや絶対違う。


さっきのはどう考えても。


でも言えない。


「……ですよね」


とりあえず合わせておく。


エルダ教官はそれ以上何も言わなかった。


ただ、ほんの少しだけ耳が赤い気がした。


……気のせいか?


「行くぞ」


エルダ教官が立ち上がる。


「ナルアたちのところに戻るんだろう」


「……はい」


俺も立ち上がる。


足が少しふらついた。


なんだこれ。


戦闘の時でもこんな風にならないのに。


「大丈夫か」


また聞かれる。


「……大丈夫です」


今度はちゃんと答えた。


たぶん。



---


茂みから出る。


少し歩くと、すぐにナルアとヴェスターが見えた。


「ロムー!!」


ナルアが手を振る。


「どこ行ってたんだよ!」


「急にいなくなるからびっくりしたぞ!」


ヴェスターも言う。


「ちょっとな」


できるだけ普通に答える。


普通に。


普通に……できてるか?


「……顔赤くね?」


ナルアがじっと見てくる。


「気のせい」


「いや絶対赤いって」


「赤くない」


「赤い」


うるさい。


「てか教官と一緒だったの?」


ヴェスターがエルダ教官を見る。


「はい、たまたま」


俺が答える。


エルダ教官は何も言わない。


……いつも通りだ。


「へぇ〜」


ナルアがニヤニヤする。


「何もないよな?」


「ない」


即答した。


「ほんとに?」


「ない」


ちょっと強めに言ってしまった。


ナルアは「ふーん」とだけ言った。


絶対疑ってる。



---


その日の夜。


ベッドに横になりながら天井を見つめる。


……なんだったんだ、あれ。


事故?


いや、絶対違う。


でも理由が分からない。


そして。


思い出す。


あの距離。


あの表情。


あの感触。


「……」


顔が熱くなる。


……なんでだ。


意味が分からない。


「……寝よ」


考えても分からないことは考えない。


それが一番だ。


俺は目を閉じた。


だが――


その日はなかなか眠れなかった。

【あとがき】


第7話を読んでくださりありがとうございました。


少しずつですが、関係や感情に変化が見え始めてきました。

ここからどうなっていくのか、引き続き見守っていただけたら嬉しいです。


これからも更新していきますので、ぜひよろしくお願いします。


それではまた次のお話で。

またね。

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