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Wissen ist Macht.  作者: Rowun☽


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第5話 夕食と風呂

どうも、Rowun☽です。


第5話を読みに来てくださりありがとうございます。

今回は少し息抜きのような、日常に近い雰囲気の回になっています。


キャラクター同士のやり取りや、ちょっとした空気感も楽しんでいただけたら嬉しいです。


それでは、第5話をどうぞ。

エルダ教官の書斎を出る頃には、すっかり日が傾いていた。


窓から差し込む夕焼けが廊下を赤く染めている。


……思ったより長く居座ってしまったな。


俺は軽く息を吐きながら自分の部屋へ戻った。


扉を開ける。


ガチャ。


「おー、やっと帰ってきた!」


「遅いぞ〜!」


中ではナルアとヴェスターが騒いでいた。


どうやらすっかり仲良くなったらしい。


「ロムどこ行ってたんだよ!」


ナルアがベッドの上から身を乗り出す。


「ちょっと散歩」


「散歩?」


ヴェスターが首を傾げた。


「いや絶対違うだろそれ!」


「ほんとほんと」


俺が適当に答えると、二人は怪しそうな顔をする。


「で、聞いてくれよ!」


ナルアが突然身を乗り出した。


嫌な予感しかしない。


「女の子がいたんだけどさ!」


やっぱりか。


「話しかけたらビンタされた」


「……何言ったんだ」


「可愛いですねって」


それは完全にお前が悪い。


ヴェスターは腹を抱えて笑っている。


「そりゃ殴られるわ!」


「ひどくない!?」


ナルアが抗議する。


「優しく声かけただけだぞ!」


「優しくナンパしたんだろ」


「ナンパじゃない!」


……うるさい。


俺は小さくため息をついた。


「とりあえず夕食行こう」


「お、いいね!」


「腹減った!」


三人で食堂へ向かった。



---


食堂は兵士たちで賑わっていた。


想像より人数が多い。


「兵士多くない?」


ヴェスターが周囲を見回す。


「これ第1部隊だけだろ?」


ナルアが答える。


「他の部隊も合わせたら相当いるぞ」


「ざっと五万くらいかな」


俺が言うと二人が止まった。


「……なんで分かるんだ?」


ナルアが聞く。


「なんとなく」


嘘だ。


食堂の広さ、席数、回転率で大体分かる。


……まあ言う必要はない。


「ロム時々怖いんだよな」


ヴェスターがぼそっと言った。



---


夕食を終えた後。


俺たちは風呂へ向かっていた。


「風呂久しぶりだな〜」


ナルアが腕を伸ばす。


「基地で風呂って最高だよな!」


ヴェスターも嬉しそうだ。


俺は少し立ち止まった。


「俺、最後に入る」


「え?」


ナルアが振り向く。


「なんで?」


「人多いの苦手」


顔を見られるのが得意じゃない。


正直それが一番の理由だ。


「じゃあ俺も待つ」


ナルアが即答した。


「え、俺も」


ヴェスターも言う。


「いや別にいいよ」


「いや待つ」


ナルアはきっぱり言った。


「幼なじみだろ」


「……好きにして」


結局、三人で脱衣所で時間を潰すことになった。


しばらくして、ほとんどの兵士が出ていく。


静かな空間になった。


「よし、今だな」


ナルアが言う。


俺たちは服を脱ぎ始めた。


その時だった。


ガラガラ。


脱衣所の扉が開いた。


「お前ら……まだいたのか」


聞き覚えのある声。


振り向く。


そこに立っていたのは――


エルダ教官だった。


「すいません!」


ヴェスターが慌てて言う。


エルダ教官は少し首を傾げた。


「なぜこんな時間まで入っていない」


「あ、それは……」


ヴェスターが口ごもる。


仕方ない。


「俺が人に顔を見られるの苦手で」


俺が言った。


「二人に待ってもらってたんです」


するとナルアが口を挟む。


「違います!」


「俺らが勝手に待ってただけです!」


「……そうか」


エルダ教官は少し考えたあと言った。


「俺も今から入る」


そして俺を見る。


「……俺にも見られたくないか?」


少し意地悪そうな声だった。


「いえ」


俺は首を振る。


「教官はさっき見ましたし」


その言葉に、エルダ教官の動きが一瞬止まった。


「……そうか」


小さく咳払いをする。


「では入るぞ」


エルダ教官は服を脱ぎ始めた。


……鍛えられた体だった。


軍人だから当然だが。


「ロム肌白っ!」


突然ヴェスターが叫ぶ。


「触っていい!?」


「やめろ」


ペチン。


ナルアが頭を叩く。


「馬鹿言ってないで入るぞ」


「痛っ!」


二人のやり取りに、俺は思わず笑ってしまった。


その瞬間。


視線を感じた。


エルダ教官だ。


こちらを見て、少し固まっている。


「……どうしました?」


俺が聞くと、エルダ教官は慌てて視線を逸らした。


「いや」


短く答える。


「早く入るぞ」


俺は首を傾げながら、湯船に向かった。


この時の俺はまだ知らない。


エルダ教官が――


さっきから妙に落ち着かない理由を。

第5話を読んでくださりありがとうございました。


少しゆったりとした回でしたが、こういった時間もこれからの物語にとって大切なものになっていきます。

キャラクターたちの関係や雰囲気を感じてもらえていたら嬉しいです。


次回からまた少しずつ動きが出てきますので、ぜひ楽しみにしていてください。


それではまた次のお話で。

またね。

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