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Wissen ist Macht.  作者: Rowun☽


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第2話 敵国グライス

どうも、Rowun☽です。


第2話を読みに来てくださりありがとうございます。

今回は物語の舞台となる場所や、これから始まる出来事の空気を少し感じてもらえる回になっています。


まだ序盤なのでゆっくりと物語が動き始めるところですが、楽しんでいただけたら嬉しいです。


それでは、第2話をどうぞ。

グライス国へ到着したのは、それから数日後のことだった。


馬車を降りた瞬間、冷たい風が頬を撫でる。


石造りの建物。


整然と並ぶ軍の施設。


行き交う兵士たちは無駄な動き一つなく歩いていた。


……なるほど。


噂通り、規律が厳しい国らしい。


「ついに来たなぁ」


隣で伸びをしながらナルアが言った。


「ここが敵国グライスか」


「そうだね」


俺は周囲をさりげなく観察する。


建物の配置。


見張りの位置。


警備の動き。


……頭の中で地図を組み立てていく。


スパイとしての癖だ。


「おいロム」


ナルアが肘で軽くつついてきた。


「見すぎ。スパイってバレるぞ」


「見てない」


「いや絶対見てた」


ナルアは肩をすくめる。


「まあいいけどさ。任務忘れるなよ?」


今回の任務は単純だ。


志願兵として軍に入り、内部情報を集める。


それをエーベルへ送る。


ただそれだけ。


「ロット書記長のおかげで潜り込めたんだよな」


ナルアがぼそっと言う。


「ああ」


ベルネ閣下の右腕。


ロット書記長が裏で手を回してくれたらしい。


新兵の入団テストは二日前まで行われていた。


普通なら、今から入隊することはできない。


だが――


俺たちは例外として潜り込めることになった。


ありがたい話だ。


少なくとも、今の俺はそう思っている。


入団式は野外訓練場で行われるらしい。


俺とナルアが到着した頃には、まだ人は少なかった。


新兵たちがぽつぽつと集まり始めている。


俺は何気ない顔で周囲を見る。


足の開き方。


呼吸。


視線。


……戦えそうなのは三人。


それ以外は戦場に出れば三日も持たない。


「また分析してるだろ」


ナルアが呆れた声を出す。


「してない」


「してた」


こいつは昔から妙に勘がいい。


「まあいいけど」


ナルアは笑う。


「俺は可愛い女の子探してるから」


「任務を思い出せ」


「忘れてないって」


そう言った時だった。


遠くで怒鳴り声が聞こえる。


「なんでこんなに遅いんだ!」


幹部らしき男が声を荒げていた。


「す、すいません! 馬車が遅れていて……!」


どうやら新兵を乗せた馬車がまだ到着していないらしい。


そして――


しばらくして馬車が到着した。


そこから新兵たちがぞろぞろと降りてくる。


「申し訳ございません!」


運転手が幹部に頭を下げている。


「落石で道が塞がれておりまして!」


「怪我人は?」


「いません!」


「そうか。下がっていい」


男は敬礼し、慌てて戻っていった。


その時だった。


笛が鳴る。


ピィーーーッ。


訓練場に鋭い音が響いた。


「全員整列!」


兵士の怒号が飛ぶ。


新兵たちは慌てて並び始めた。


俺とナルアも列に加わる。


そして。


「全員敬礼!」


声が響いた。


その瞬間、場の空気が一変する。


緊張が一気に張り詰めた。


「これより入団式を始める!」


低く響く声。


どうやら幹部が来たらしい。


……さて。


どんな軍人が出てくるんだろうな。


俺は静かに顔を上げた。


これが――


敵国グライス軍での生活の始まりだった。

【あとがき】


第2話を読んでくださりありがとうございました。


少しずつ物語の舞台や雰囲気が見えてきた頃かなと思います。

ここから登場人物や出来事も増えていき、物語が動き始めていきます。


引き続き読んでいただけたらとても嬉しいです。


また次のお話でお会いしましょう。

またね。

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