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第二章 Ⅷ

 以前と同じ場所かどうか判別する術もない変わらぬ暗闇の中に、あの三人は集っていた。前回は緊急招集だったが、今回は定期的なものの様だった。

『薬品の改良等は捗っているか?』

二人目が、静かに訊ねる。

『素材や配合割合等を変え、試作品を多数作成中だ。その素材集めに苦労している。自分では動けんからな』

一人目が嫌味のつもりなのか報告に一言、付け加えた。

『素材集めでは、私が協力しているだろう?幻影魔術で人のふりをするのはなかなかに愉快だぞ?』

三人目が恩を着せる様な口調で言った。

『貴様は幻影魔術が得意だからな。人の姿をしてギルドとやらに依頼を行うのも容易かろうよ』

『それらを受け取るのもな。少々面倒ではある。実験の様子も確認せねばならんしな』

『そちらはどうなっている?洞窟の実験は?』

二人目の問いに。

『そう急かされてもな。少なくとも、仕掛けは順調に作動している、と言っておこうか。それと、少々面白い新顔が入った様だ』

さも愉快げに三人目が語る。そもそもがさほど期待していた訳でもなかったのが、ここへ来てはて、どの様な影響があるものか、と楽しみにしている様だ。

『何らかの、目に見える成果が欲しいものだ。手段はもはや問う段階にない。なんとしてでも『臭素器官』を手に入れねば』

思い詰めた様な二人目の言葉。藁にも縋るような心境なのだろうか。

『おや、随分と積極的な物言いではないか?それは良い事だな』

少し揶揄する様な一人目に、三人目も便乗して。

『そうだ。我らは人共を利用して目的を達成すれば良い。解析、複製が成れば、今度は人共に効果の程を確認させてやろう』

『見本が入手可能となれば、後は我の出番だ。再現実験まで済めば、本拠に戻って本格的な実験に入ろう』

まるで誓いでも立てるかの様に、二人目は言った。

『その日が早く来れば良いな』

しみじみと一人目。

『来るのだ。殿下に安寧を』

二人目に続き、二つの声が同じ文句を繰り返したのだった。

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