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プロローグ Ⅲ

 立ち上がり、睨み殺さんばかりの形相で自分へと向かって来る清香を、ニヤニヤしながらリーダーは見詰めていた。

「全く、兄妹揃って余計な事に首突っ込みやがって。それで、『お兄ちゃん』はその様だ、世話ねぇな!」

『お兄ちゃん』で口真似をされ、清香の怒りは更にヒートアップする。リーダーから二メートル近く離れて立ち止まり。

「そんな物持ち出して、偉そうに!どうなるか判っているの!?」

あまつさえこの国では保持自体が違法の凶器で、卑怯にも人を背後から撃ったのだ。後々極めて面倒な事になるのは容易に想像がつきそうな筈だが。

「ははは、知るか!お前もそいつと同じ目に合わせて、さっさと玲奈ちゃんと逃げりゃ何の問題もねぇ!」

言いつつ清香の額へと銃口を向ける。彼の頭の中では、もはや完全犯罪が成立しているらしかった。銃口を見据えつつ、清香が薄ら笑いを浮かべる。

「貴方、甲家無心流をなめすぎよ。この間合いで銃を恐れると思っているの?しかも背後からじゃなく、こうして相対して」

「こう、何だ?ま、何でもいいや、死ねや!」

ニヤニヤ笑いのまま、撃鉄を引き絞ろうとするや。清香の上体は射線から消えた。背後に反らしつつ、反動で右足を跳ね上げる。高く蹴り上げられた銃口は、三発目の銃弾を放った。と、次の瞬間。

「確保!」

一人の中年警官が、背後からリーダーを羽交い絞めにした。

「何だてめぇら?放しやがれ!」

リーダーが咆え暴れるのを意に介さず、もう一人の警官が銃をもぎ取る。見る間に、リーダーは俯せに床に組み敷かれた。


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