碧羅の天は狼月に恋をする
とある王国、とある領主の館にて、人ならざるもの、生まれ堕つ。
プレラティ侯爵家の長女であるその子は、燃える赤い髪と、金色に光る狼の眼差しを持っていた。忌み子、鬼子と殺意を向けられる中、同席した司祭が歓喜の涙を流しながら高らかに宣言する。
曰く――この女児こそ、人類の希望たり得る勇者である――と。
殺意、疑心、怒りと、少しの畏怖。それらがないまぜになった状態で、赤子の父はひとつの決断を下した。
このモノを、この女児を、男として跡継ぎに育て上げる、と。
これが、この宣言こそが、神に祝福されし子の、本来ならば喜んで受け入れられるはずの、"勇者"である女児――ウォルター・ヴォルフガング・プレラティにとって、地獄のような日々の始まりの音となった。
待ち受けるは試練の数々。そして定められし『魔王』との決着。過ごした幼少期故か、決して人を受け入れぬ孤高のウォルターだが、彼女の前に現れたのは――?
――何もいらなかった。ただ生きるために耐えてきた。そんな自分が――ただひとつ、心から、欲しいと思うものを見つけた。
プレラティ侯爵家の長女であるその子は、燃える赤い髪と、金色に光る狼の眼差しを持っていた。忌み子、鬼子と殺意を向けられる中、同席した司祭が歓喜の涙を流しながら高らかに宣言する。
曰く――この女児こそ、人類の希望たり得る勇者である――と。
殺意、疑心、怒りと、少しの畏怖。それらがないまぜになった状態で、赤子の父はひとつの決断を下した。
このモノを、この女児を、男として跡継ぎに育て上げる、と。
これが、この宣言こそが、神に祝福されし子の、本来ならば喜んで受け入れられるはずの、"勇者"である女児――ウォルター・ヴォルフガング・プレラティにとって、地獄のような日々の始まりの音となった。
待ち受けるは試練の数々。そして定められし『魔王』との決着。過ごした幼少期故か、決して人を受け入れぬ孤高のウォルターだが、彼女の前に現れたのは――?
――何もいらなかった。ただ生きるために耐えてきた。そんな自分が――ただひとつ、心から、欲しいと思うものを見つけた。
生まれた時に受けるものが愛情だけとは限らない #1
2020/11/12 15:34
光陰矢の如し #2
2020/11/12 15:47
光陰矢の如し #3
2020/11/13 12:00
恐怖の種が蒔かれる話 #3.5
2020/11/14 12:23
光の女神の祝福を #4
2020/11/15 22:15