テスト大戦さんIII
「アサダヨッッッ!!」(cv.三波)
「うるさ……」
繰り返されるアラームに私は目を覚ます。私は目覚ましのアラームを止める。三波からもらった音声だけど寝起きが最悪だ。
時計は六時を指す。外はわずかに明るくなっているが、まだ少し寒かった。
「よしっ……」
私はカーテンを開け朝の日差しを身に浴び気合を入れる。パジャマを脱ぎ、制服に着替える。
「〜♫」
スカートが乱れていないか、ボタンがずれていないか鏡で確認する。
私は階段を降り、キッチンへ向かう。キッチンには母が私の弁当を作っていた。
「おはよ……」
「あら、おはよう?珍しいわね?都子が早起きなんて」
「お母さん、それ昨日も言ってた……」
「あら?そうだったかしら?それにしても都子が早起き……今日は雪が降るわね」
「それも言ってた……」
ボケてきたのかな?
見た目『は』若そうだからそんなことはないと思ってたけど……
ドン!!
とテーブルの上に力強く皿を置く。少し更に割れ目ができていた
「何か言ったかしら?」
「いえ、何も……」
私はそれ以降何も言うことなく、ココアを飲みながら外を眺める。
「お母さん……」
「ん〜?」
「雪降らないね……」
「そうねぇ〜」
母は料理の手を止める事なく言う。その音色はどこか嬉しそうで待ち遠しそうだった。
「よっ、都子おはよ」
「おはよ……」
「お、おう。今日は普通なのか」
「?」
テスト開始
余裕……
テスト中間
うーん、この問題は難しい……まっ、それは一般論だけどね(ドヤッ
キンコンカンコーン
「だぁ!!あと一教科!!」
「三波。みっともない……キリッとして」
私は三波に軽く注意する様に嗜める。普段の様子をいつも見ている結衣ちゃんは面白そうにニコニコと笑っている。
「普段グダってしてるやつに言われたくねぇ……」
「今回は、都子が正しいわよ」
「結衣ちゃんまでぇ……?」
と三波は涙目だった。味方?いませんね。
テスト終了。
私はずっと練り消しねりねりしてた。だって開始二十分で終わった。他の人が寝てるのを横目に
「よし行くか」
と三波はバックを背負って教室を出ようとする。
「まだ、HRある……あと三波、寝てた」
「そうね、おでこに跡が残ってる」
教室に担任が入ってくる。やっとテストから解放されたからかみんな友達の席に行って談笑していた。
「よーし、お前ら席に座れ」
その一声でクラスは静かになり、席へ座った。
「相変わらず、真面目だなお前ら……」
担任はもしかして、俺怖いのかなっと少し心の中でションボリする。だが、決してそんな事はない。生徒からの印象は面白くていい先生なのだ。
(((((後で怖いので)))))
ただ、まだ入学したての昔、クラスの一人が授業中うるさかったのを担任の耳と都子の逆鱗に触れ、担任と説教からの都子にダメ人間と言われるダブルコンボで男の子が泣いたのをクラスメイト達が見ていたのである。
教訓は過去から来るとはよく言ったものである。
「おーし、とりあえずこの後の事だけど、終業式と卒業式は新型ウイルスが流行ってるから、参加しなくていい」
ざわざわ、ざわざわ
「はーい、静かにしろー。来年から一年生も入って来るんだら問題は起こすなよ」
と担任は軽く言う。まぁこのクラスは問題ないだろうと言う判断である。
「あ、後は五月には体育祭もあるかr「ガンっ!!」……」
この鈍い音の主は、都子 である。
「だ、大丈夫か佐野咲?」
担任は心配そうに声をかける。
運動が嫌い……なんてものじゃない。絶滅すればいいのに。
都子はギギギっと顔を上げ、緊迫した表情に担任はゴクリと喉を鳴らす。
「ど、どうしたんだ……?」
「……先生、腹痛くなる予定なのでその日休みます」
「だめに決まってるだろ」
( ^ p ^ )
「ゆ、結衣さん?ど、どうして都子さんはこんな事になってるのかしら?」
「( ^ p ^ )」
アリスは店に来てからというか来るまでずっと気になっていたことを三波に聞く。都子さんがおかしい。顔がなんか、有り金を全て溶かした人のような……
「いつものことだから大丈夫よ。甘い物でも食わせとけば治るわ」
それで治るの!?と驚いたがまぁ、結衣さんが言うのだから間違いない!!と納得した。
何事にもやる気をなくした都子に三波は先に来た自分のパフェをスプーンで一口すくい、都子に向け
「ほら都子、あーん」
「あーん……」
パクッと一口。もぐもぐ
「うまい……」
イチゴとプリン。それにアイスがいい味を出し、ケーキの生地がそれらを包み込むような……変にカッコつけている味じゃない。下手な専門店よりうまい
幸福感に包まれながらもでも、少しの憂鬱になる。
「はぁ……体育祭いや……」
「まだ先の事気にしてたら気が滅入るわよ。今のこと考えなさい」
三波はなんて事なさそうに言う。結衣ちゃんも同じ感じ。アリスは……あっち側?アリス?ナカマダトオモッタノニ
「ひっ……!?」
殺気の篭った視線に気付いたアリスは話題を変えるように、
「そ、そういえばテストどんな感じでしたから?みんさんは」
ちっ、うまく逃げやがった……命拾いしたなぁ……
結衣ちゃんは少し自信あるように悩む表情をする。
「そうねぇ……」
「なんで結衣さんそんな余裕なのかしら?も、もしかして自信でも……!?」
「いやいやそういうわけじゃないけど、負けても、勝ってもねぇ?……」
「それも、そうだよねぇ……」
三波はそれに加えて、「今回は都子が本気だし……」と小声でいう。
そう勝っても何もないのだ。わーい勝った。で終わりなのだ。
「……それじゃぁ、こんなのはどうでかしら?」
「冬休み期間。一番成績良かった人がここにいる人たちに一つ命令できるというのはどうかしら?」
「「「……」」」
「えっ?」
アリスは自分いっちゃいけない事言ったのかしらと顔を引きつらせる。
「いい案ねそれ?採用」
「え、えぇ?そうです、かしらぁ〜?」
「アリスはん、いいこと言うやない?」
結衣ちゃんは口角を上げながら、視線をまじわせる。
「は、はん?」
「褒めて遣わす……」
「なんで上から目線なのかしら?」
そうして、少女達はテストの結果による賭けが始まった。
そう、これが悪夢の始まりだと知らずに……
担任視点
「都子……お前、頑張ったな……!!ぐすっぐすっ」 テストの結果を見ながら。
テスト結果
一位 佐野咲 都子
二位 アリス・ドール
三位 糸井 結衣
・
・
十位 山村 三波
とりあえず前振りというかキャラが出揃いましたということで!第一章入って行こうかなっと思います!!