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テスト大戦争

時間はある。いつ描くのか……今がその時だ


ここは……?


私はいつもの電車に揺られていた。見慣れた人物に見慣れた風景。だけど、どこかその雰囲気に慣れない感覚が私の中にあった。少し目眩もし、立っているのも正直辛い。だけど、誰かに声をかけるのはとても怖い


『あの……?』


席に座って休みたい気持ちもあるけど、すでにどこも満席、次に降りるまで待つしかなかった。


「はぁ……はぁ」


息が苦しくなっていく、とてもじゃないが次の駅まで持つ気がしない。私は、とうとう我慢する事が出来なくなり、手すりから手を離し……


『大丈夫ですか!?!?』

「誰……?」


私は一人の男の人に抱き抱えられていた。

『誰か救急車を呼んでください!倒れた人がいます!!』

そう言い男の人は、自分の座っていた席に私を横にさせ、

『もう大丈夫です!今すぐ駅員さんを呼んできますので!』

そう言い残すと彼は人混みの中に飲み込まれていき、視界は真っ暗に……


「……はっ」

目を覚ますと、そこは私の寝室だった。静かな空間に薄ら差し込む光と時計の音が部屋にこだまする。ここでやっと私はなんてことはないさっきのは夢だったのだと認識する。


起き上がろうとしてあることに気付く、私の寝巻きがぐしょぐしょに汗で濡れていた。

うへぇ……

「……今何時?」


部屋の時計を確認すると、時刻は五時。家を出るのが七時なので時間には余裕があった。


「……シャワーあびよ……」

あぁ……朝からなんて夢をみたんだ。と私はパンツとシャツ、パジャマを持ち、気分を変えるためにお風呂場へと向かう。


朝風呂は、健康に悪いとは聞いた事があるが、そんな事はない。朝に目を覚ますにはうってつけだと私は思う。まぁ、私はこんな時間に起きてまで朝入ろうととは思わないんだけどね。

「ふぅ……気持ちよかった……」

私はタオルで髪の毛を拭きながら、部屋に戻ってきた。

「んー……まだ時間あるな……」

「なにしよ……」

時計は五時半、準備するといってもまだまだ時間がある。

私はふと、机のほうに目を向ける。そこには昨日の夜、途中で眠気に耐えきれずに放り出してしまった課題が机の上に乱雑に置かれていた。


「……」


私は少し何かを考え、イスに座り鉛筆を握る。


私は、勉強が嫌いだ。だけど、それ以上に中途半端が一番嫌いだ。やらないならやらない。やるならやると決めている(はず。)ただし、妥協はなんぼでもする。そこまで頑張ればいいからだ。


「……」


私は机に向き合い、勉強する。朝から勉強するというのは始めてたけどこれも案外悪くない。そう思った。それにプラスして、朝は久しぶりに朝食を食べた。母から「今日は雪が降る」とか言われた。誰が雪女よ。



「んー?都子さん?何か今日はいいことありましたか?」

「……なんで?」

隣の席に座った小野は訝しげに私の顔をジロジロと見てくる。気持ち悪い。


私は心の中でそっと毒舌をはく。

「いえ、なんだかいつもより顔色がいいですし、なんていうんでしょか……カッカととしてない?落ち着き払っているなぁっと思ったので?」

「そう?」

多分だが、朝からちゃんと目を覚まして、朝食も食べたからだろう。いつもの私だったらこの小野発言にもイライラしていただろう。だけど今日の私はそれすらも優しく受け流せる。


「ありがとう、小野……」

そういえば小野に感謝するなんて初めてかもしれない

「っ……!?」

「……どうしたの?顔なんか隠して?しかも顔真っ赤」

「なんでもない、です……!」

小野は私から顔を隠すように上で隠そうとしているが無駄だった。耳がとても真っ赤になっていた。まさか感謝するだけでこんな顔するなんて

「……照れた?」

「っ!?そ、そんなこと!」

「……バレバレ」

「〜!!!」

小野は下唇を噛みしめ、俯いた。なんだ、こんなにも人間らしい顔ができるんだ。こいつのいけすかないイケメンスマイルは嫌いだったからちょうどいいや。



私は、愉快に学校までの道のりを登校していた。決して顔に出すことはなく。(多分顔には出てないはず)

「はぇ〜、珍しいこともあるもんだね?」

私が勉強している横で三波はナマケモノが真面目に餌を運ぼうとするのを見るような瞳で見る。何その目は、やめてほしい……


「何が?」


と返すと

「しかも反応もいい。ねぇ、何かあったの?もしかして例の彼??」

「いや?」

例の彼と言われると……誰だ?小野か?へぇー、あいつ生徒会長だったのか……それなのにあんな姿をわたしには見せているのか……


「あっ!!笑った!都子が笑ったよ結衣ちゃん!!」

「笑ってない……」

笑ったよ、笑ってない論争を繰り広げ、最終的にコウの名前を出したら私が勝った。二人とも息を切らしながらも私の粘り勝ち。

「まぁいいや、それよりもさ」

三波は息を整えると、やっと本題に入った。


「テストいける感じ?都子?」

「……余裕、学年一位までは見えている」

三波は驚いたかのような、それでいて納得したかのように笑う。流石に学年一位は言いすぎたかと思ったが、断じて取り消すつもりはない


「へぇ〜」

「今回は本気なんだ?」

「……まぁ」

「だってよ、結衣ちゃん!ライバル増えるね」

結衣を見ると、何故か不敵な笑みをしながら、


「ふふっ、負けないからね?」

「……こっちこそ」

バチバチっと視線をまじあわせる。これは譲れない女同士の戦い……ってわけでもないけどノリでやった。


「いやぁ、今回は波乱の予感がするなぁ」

「そうだね。僕も楽しみだよ」

男の声に三波は後ろを振り返ると短く切りそろえられた髪の毛にアホ毛がピンッと立ち、少し気怠そうにしている男が佇んでいた。


「!?!コウくん!?ど、どうしてここに、いるの?」

「来ちゃった……眠い」

ウトウトと顔をかくつかせながら三波に寄りかかっていた。そして、当の本人は驚いたら、嬉しいやらの表情をしていた。


皆さんお察しの通り、三波さんの彼氏。またの名を佐藤 高貴(こうき)。みんなからあだ名で「コウくん」というあだ名がつけられている。二人合わせて「佐藤夫妻」とか影で言われている。

「もう!コウくんったら教室で寝てなさい!」

「うごけない……」

「しょうがないわね〜?よいしょっ……」

三波はコウくんを背中に背負う


背中に背負う?


「ありがと……zzz」「いいのよ……」

二人はそのまま教室を出って行った。そんな二人を見ていると甘ったるいのか三波が男らしいのか考えものだ。


「……甘ったるい」

「同感ね」

二人はうなづくように二人を見送った。チラッと結衣ちゃんを見ると羨ましそうな表情をしていた。彼氏が欲しいのはわかったけど、私を抱きしめないで頂けます。あなたによって窒息死してしまいますその凶器で



時はたち、放課後。私は課題とノートを広げて勉強していた。


「都子〜今日、暇?部活ないからさ、勉強会でもしない?」

「いいね、私も混ぜて」

その横で、三波と結衣ちゃんが談笑をしていた。私は勉強に集中しているのに、邪魔してるのかっと心の中で毒を吐く。まぁ、声には出さないけど


「……今日、用事があr「失礼しますわよ!!」……」

ガララっと教室の扉が開く。そこには絹のようにサラサラの金髪を持ち、青い瞳のいかにもな外人美少女がいた。いかにも清楚そうな人だ。


「……」


金髪美少女は教室を見渡し、ふとこちらと視線が合った。ツカツカっと靴を鳴らす。

なんで靴からそんな音するの?


「結衣さん!お会いできて光栄ですわ!!今回のテストも私が勝たせていただきますわよ!」

と豊満な胸部を強調し、胸に手を置く。その仕草だけでクラスの獣共から「おぉー……」と歓声が上がる。私は気持ち悪いと視線を向けるとクラスの野獣は静かになった。

「……誰?」

「あれ?都子は知らないんだっけ?ほら、例の学年一位の……アリスさんよ」

「あぁ……」

三波は「あんた、そういう事興味ないもんね」という。失敬な人全般にあんまり興味ないわ


「いいでしょう」

結衣は立ち上がり胸をアリスさんに合わせて押し付けて、二人は睨み合う。そして、またクラスの男共が盛り上がったので、最大の侮辱の意味を込めて男共をいちべつする。


「ただ、今回のテストの敵は私だけではありませんよ?」

「どうことかしら?」

と結衣ちゃんは不敵な笑みを浮かべてこちらを見てくる。あの、巻き込まないでください


「そこの女の子が学年一位宣言をしていますから」

「……」

「ども」

アリスさんは見定めるように上から下まで隅々まで見てくる。特に胸を見られる。何?ケンカする?売られたら買うけど……


「……いえ、勝負の相手が誰であろうと私のやることには変わりません。あなたが学年一位を狙うのであれば、あなたはライバルですわ!!」


何今の間?やっぱりここを見て言ってるよね?ならば、戦争(クリーク)だ。

「はぁ……?」

「テスト当日を楽しみに待っていますよ!」

そう言い残し、彼女は教室を出て行った。


「……」

「都子も大変ね。変なのに目をつけられて。ん?この場合はこっちが目をつけたのか」

「なんか……」

なんて言えばいいんだろう。見た目は大人しそうで儚いという言葉に似合うのに、中身がお転婆お嬢様のような

「なんかイメージと違かった」

今日は、初めてのことが色々あったなと思いながら、帰路についた。

そういえば、今日は小野のやついなかったな。一応、おやすみメール送っといた方がいいか。心配だし


よろしければ、ブックマークとかお気に入り、コメントをよろしくお願いします。作者のモチベーションになりますので!

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