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第一幕 新たな旅立ち Ⅲ

 宿に戻ると、シーリスと紫苑が起きていた。二人はベッドに腰掛けながら、俺の方を向く。


「クレス、あまり一人で夜出歩かないほうが良いわ。アリエスがいなくても、神人である貴方を狙っている存在は多いのだから。」


 シーリスに同調するように紫苑も口を開く。


「そうですよ。クレスさん、シーリスさんの言う通りです。心配になるので、一人で行動するのはできる限り止めてください。」


 いつの間にか打ち解けあっているシーリスと紫苑を見てとりあえず安心しながら、二人に謝罪する。


「悪かった。ちょっと外の風にあたりたくてね。それより、二人に話がある。」


 俺は、ベッドに腰かけながら、言葉を続ける。


「俺は、これからゲーテが言っていたように神の欠片を集めるために旅を続けようと思う。二人はこれからどうする?」


 シーリスは俺を見つめる。


「私は貴方の目的達成に協力すると約束したわ。それは今でも変わらない。貴方が何と言おうと、私は貴方についていくわ。」


 紫苑も俺を見つめる。


「私は、クレスさんを十二の大剣として助ける義務があります。それに何より私は、クレスさん、貴方に逢いたくて、貴方の力になりたくてここまで旅をしてきました。せっかく出逢えたのですから、これから先はクレスさんについていきます。」


「ありがとう。二人とも。」


 こうして、俺の新たな旅が始まった。


 この先、どのような運命が待ち望んでいるのかは分からないが、多分、俺の運命は、自らの消失という破滅に向かって動き出したのかもしれない。


 でも、後悔はしないだろう。


 それが、自分が選んだ道なのだから……。



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