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テケテケ

作者: 朱雪藍

少し時期外れの怪談です。

数年前の大震災の時、私はまだ小学校にも入っていない子供だった。

いきなり日常を壊した地震に対して漠然とした恐怖しか持っておらず、恐ろしさを完全に理解はしていなかったと思う。その反面、幼いながらも自分の身を守ろうという意思はあったような気がするが。


話は、数年前までさかのぼる。

地震が起きた。全く経験したことのないような。よく状況を覚えてはいないが、この時に初めて「余震」という言葉を聞いた。親が血相を変えて迎えに来ても、特に何も感じなかった。大声で泣き叫ぶことも無く、ニュースを見ても良くわからなかった。自分の力ではどうにもならないことが起きているということ以外。


そして、それは夜中に現れた。


草木も眠る丑三つ時、だったと思う。

布団の中で、いきなり目が覚めた。横を見ると、家族は私以外皆ぐっすりと眠っている。

その時、ふと物音がした。


テケ……テケ……


廊下、いや、階段の方からだったと思う。

そして、音はだんだんスピードを速め、近づいてきた。

絶対に気配を悟られてはいけない、と本気で思った。


目を硬くつぶって、じっと待つ。


どれくらい待っただろう。いつの間にか朝になっていた。寝てしまっていたのだろうか。


家族が朝食に呼ぶ。昨日のことを聞いてみた。眠っていたから、覚えていないだろうとは思ったけれど、あれだけ大きな音だったのだから、一人くらい目を覚ましたり、覚えていてもいいと思った。


本当は覚えているのか、答えが本当だったかを確かめるすべはない。


答えは全員、


「覚えていない、というか知らない」


だった。その音をそれ以来聞いたことは無いが、次またその音を聞いた時、「それ」はきっと自分を見つけるだろう。


実話かどうかは、読者様の判断に任せます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「おぼえていない、というか知らない」 の言葉がなぜ子供の冗談と馬鹿にしていることになるのかが、よくわかりませんでした。 夢でも見たんだろう、の決まり文句ならばわかりもするのですが。 […
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