特ダネの為にその1!
水無月優花「取材です!特ダネの!」
昼飯時にうるせぇ・・・
岡田悠一「飯食ってるのにうるせぇよ!」
机を叩く、脅しではなく割と本気で。
おかげで机が傾いた。
水無月優花「そんなに怒るな!そろそろ悠一君の取材も終わったし・・・」
え?あれ取材だったのか?
岡田悠一「なら取材費よこせよ!いつもいつも仕事の邪魔ばっかして!」
水無月優花「・・・それより特ダネです!」
だから何のだよ!!
水無月優花「悠一君!白夜鳥会社、別名幽霊会社知ってますか!」
岡田悠一「あ?あぁ、昔事業で失敗して社長が自殺したり、そのせいで誰も買わないし挙句今は心霊スポットみたいになってるあの会社か?」
なんかさっきニュースで言ってたな。
水無月優花「ふっふっふ、実はさっき編集社から取材してきたらがっぽり貰えるって話です!」
岡田悠一「お巡りさーん、ここに不法侵入者がいまーす、捕まえてくださいー」
えぇー!もしかして馬鹿にしてます?
水無月優花「確かにダメかもしれないですけどちょっとだけなら・・・」
岡田悠一「ええっとお巡りさんの番号は・・・」
あぁーん!やめてー!
小林龍騎「よんだか?」
岡田悠一「早!つーか元から待機してたろ!」
・・・
・・・
岡田悠一「で、依頼内容は?」
仕事モード・・・とはいえ昔の馴染みのだ、そこまで堅苦しくはない。
小林龍騎「お前らがさっきからずっと言ってた不法侵入の件だ、調査の手伝いをして欲しい。」
岡田悠一「手伝いだぁ?天下の警察様が俺みたいな猫探し担当何でも屋にぃ〜」
くっ、昔の事をいつまでも・・・
小林龍騎「その事は前に謝ってるだろうが、もちろん謝礼も出す。」
岡田悠一「たりめーだ!誰がタダ働きなんてするか!だがまぁ・・・」
ちらっと横を見る。
岡田悠一「アイツを黙らせてくれたから手伝ってやるかな。」
2人の視線の先に手錠に繋がれた・・・
水無月優花「ふぇぇ・・・ずみばせんでじたぁ〜」
多分すみませんでしたと言いたいのだろう、涙で聞こえん。
岡田悠一「で、調査はいつからだい?俺もなかなか忙しいからな!」
ほぼ空白の手帳を胸ポケットから取り出す。
小林龍騎「あ〜、そのなかなかいい出しにくいんだが」
なんだよ、歯切れが悪い・・・
岡田悠一「あのなぁ〜俺とお前の仲だろが、金は貰うから遠慮するな!」
小林龍騎「なんだその謳い文句。」
まぁいいっと話を戻す。
小林龍騎「明日からだ。」
岡田悠一「あ?」
水無月優花「明日?」
・
・・
・・・
岡田悠一「お前共これまでだな・・・」
小林龍騎「おいおい!遠慮するなっていっただろうが!」
岡田悠一「いきなり過ぎるんだよ!いつもいつもお前は!」
小林龍騎「仕方ねぇだろうが!こっちも人いねぇんだから!」
胸ぐらを掴み合い今すぐにでも殴り合いが始まりそうだ!
カシャ!カシャカシャ!
へ?
水無月優花「手錠を前に掛けたのは失敗でしたね〜」
しまった、撮られた。
小林龍騎「おい、カメラを、フィルムをよこせ!」
水無月優花「ではまず手錠を外してください!そして私を幽霊会社に連れてってください!」
岡田悠一「おま!無茶苦茶だぞそれ!」
水無月優花「悠一君も御近所にばら撒かれたくなかったら私に同行兼ボディーガードをしてもらいます!」
こ、こいつ・・・
水無月優花「このカメラ、写してから直ぐに私のPCにデータが飛びます!更に10分以内に私が止めないと自動編集されて編集社に飛びます!」
何その無駄な機能・・・
岡田悠一「わ、わかったお前について行くよ、龍騎、アイツの手錠外してくれ。」
小林龍騎「あ、あぁ・・・」
手錠を外す。
相変わらず恐ろしい女だ・・・