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少女の夢

「パパ、これなーに?」

パパ「ん?これはね・・・ほらこのメガネかけてご覧。」


そう言われるがまま少女はメガネをかける。


真っ暗・・・あ、光が見えて来た。


メガネ越しの眼前には広大な土地に咲く色とりどりの花。


室内での暖かい風。


次に見たこともない鳥、綺麗な蝶。


「うわー!凄い凄い!」

少女はピョンピョン飛び跳ねる。


パパ「あぁ、ダメだよ暴れちゃ!」


ブゥーン・・・


恐らく映像を見せる為の機械だろうか、振動を与えた為に停止してしまう。


パパ「あぁ・・・やっぱりまだ対ショックや映像への転送情報に難があるか・・・」

「あれ?パパ真っ暗になっちゃったよー!」


少女に掛けたメガネを取るパパ。


もしかして壊してしまった?

少女はそんな心配で怒られると思いメガネを取られた瞬間目を閉じた。


少しの沈黙後、少女は父の顔を見上げる。


パパ「実験は成功だ!はは!」


子供の様な笑顔だった。


普段から余り笑わないパパの笑顔。

少女も自然と笑顔になる。


ん・・・


もう朝か・・・


朝日を浴びる、眩しいさで目が開かない。

イヤ、まだ眠いだけだろうか・・・


時計を見ると既に9時を回っている。


しまった!今日から学校!

ってまだ春休みか・・・


最近よく昔の夢を見る。


懐かしく、暖かいパパとの夢。


「なんで今更・・・」


ベッドから起き上がりテレビをつける。


朝食の準備をしながら歯を磨く。


いつもの朝だ。


テレビのニュースキャスター「・・・であるからして、白夜鳥会社の取り壊しが決定しました。」


・・・は?


そんなばかな!あそこはまだ僕の土地・・・


ニュースキャスター「白夜鳥会社の元社長の息子である白夜鳥創(しらやとりはじめ)様にお越しいただきました。」

白夜鳥創「はは、僕は元社長の息子って役かい?一応今はWNBって会社社長なんだけどね。」

ニュースキャスター「あ、失礼しました!今日のゲストは・・・」

白夜鳥創「はは、冗談ですよ冗談」


に、兄さん?なんで!


貴方は・・・


父から死んだって・・・


混乱の中テレビでの会話が進む。


ニュースキャスター「何故今になり創社長は親会社であった白夜鳥会社の取り壊しに?」

白夜鳥創「子供だからですよ、最早父とお爺様の会社は人も居ないだけでなく他の住民に迷惑がかかっているしね。」


ダメだ、頭が回らない。


ニュースキャスター「確かに最近肝試しに不法侵入したりして怪我、それにその・・・」

白夜鳥創「幽霊、ですか?はは、それこそナンセンスだ。僕はどちらかと言えば無駄にデカイビルで日当たりや古い部材からの廃棄物が問題と思います、また老朽化による・・・」


は、ははは、ダメだそんなの。


本物かどうかわからない兄にパパの、私達の思いでを壊さない!


急いで着替える。

引っ越したばかりだから・・・ああもう!制服しかない!


急いで中学校の制服に袖を通す。


白夜鳥創「・・・っと観点からして、子である僕が父の会社にお疲れ様と言い畳みたいんだ・・・」

ニュースキャスター「大変涙ぐましい話です、今日はWNB社長の白夜鳥創社長でした。」


スカートを履き終わりテレビでのを消す。


僕が、僕がパパの夢を、思い出を守る。


成長した少女は鍵を閉め、鍵を表札の裏にしまう。


隣のおばさん「あーら四音(しおん)ちゃん、おはよう!」

四音「おはようございます、おばさま。」

隣のおばさん「あら、もう学校?まだ春休みじゃ?」

四音「あはは・・・実はまだ片付け出来てなくて・・・」


この人はマンションのお隣さん、引っ越したばかりの僕に優しくしてくれる方。


隣のおばさん「あーら、力仕事ならいつでもウチの人使ってね?どうせ暇なんだし!」

あはは!っと朝からの高笑い。


四音「はい、ありがとうございます、けどご迷惑かけますし大丈夫ですよ。」

本当に迷惑かけれない。


隣のおじさん「おや、おはよう白鳥さん!」

白鳥四音「おはようございますおじ様。」

隣のおじさん「あれー?もう学校かい?」

隣のおばさん「やだよー!さっき同じ話してたの!」


あははっとマンションに笑い声が広がる。


絶対に守る、思い出もこの生活も。


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