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「成程、確かに大金を持って移動するのは怖いですよね」

「ですよね」

「家を買うのはいい考えだと思います」


NPCの人達は死に戻り出来ない為、私が襲われたら死ぬと思ってるんだね。いや死ぬんですけど。復活(リスポーン)って凄いなー。


早速不動産の人に連絡をしてもらった。


「不動産のメニーです。本日はミー様の案内をさせて頂きます」

「よ、宜しくお願いします」

「メニー、ミーさんはゴールドカードをお持ちだ。粗相が無いようにな」

「まあ、500万ゴールドの買い物をなさるなんてどこかのお姫様ですか?」

「い、いえ、売った方です」


とにかくお金を早く置きたい。さっさと見に行こう。


「ミー様、土地を紹介すればいいのでしょうか?それとももう既に建築済みの物件でしょうか?」


はっ!そうだ。まだ条件も決めてない。

折角雑貨屋を持ってるんだし、店を購入しようかな。


「えっと、予算は200万以内で、店として使えそうな物件でお願いします」

「かしこまりました」


メニーさんカッコイイな、身長高くて足が長い。かっちりした服が凄く似合ってる。それに美女だ。

僕は身長が低いから憧れちゃうな。


「ミー様?」

「へ?スイマセン聞いてませんでした」

「何故寒くないのに外套を纏っているのですか?と、お聞きしました」


あ、外套被ったままだった。ていうかカーイさん外套被ったままだったのによく男だって分かったな。ギッシュさんは距離が近かったから顔見られたけど。


「スイマセン、なにぶん目立ってしまうもので」パサっ

「!まぁ、確かにそのお顔は目立ちますわね。可愛らしいですわ」


またか。まあ、別にいいか。


「オススメはコチラになります」


町を四つに分けているメインストリート。その中央の広場に近い場所だ。


「人通りが多く、大きいお店です。本店を王都に移した為、空き家になりました。ちょうど200万ゴールドですね。ルー様はゴールドカードをお持ちなので、160万ゴールドですね」


デカイ。100×50㎡位ある。僕には広すぎるよ。なんかこう知る人ぞ知る脇道にヒッソリとあるちょっとイイ店がいいかな。


「えっと、はい、条件に合う物件があります」


普通でかくて人通りのいい所を進めるのに、変な要望ですいません。


「いえ、稀に雰囲気で店を選ぶ人もいますから。コチラになります」


メインストリートから少し脇に逸れた道に少しの土とそこに挟まれた店があった。

奥に長く、30×20㎡位でやや古めかしい建物だ。瓦みたいな屋根と平たい屋根があり、道と接している面以外を囲む土も含まれるらしい。


「でもお高いんでしょう?」

「ところがなんと!今だけ120万ゴールドになります!」

「安ーい!」

「さらにゴールドカードをお持ちの方はさらに割引!100万ゴールドぴったりです!」

「お得〜!」

「こ、こんな感じでよろしいですか?」

「ありがとうございます」


一回やってみたかったんだよね。電話ショッピングの真似。


「でも立て直し無しで本当にいいんですか?倒れたりはしませんが見た目が古びてますよ?」

「大丈夫です。自分好みに変えますから」


再三に渡り確認をしてついに店を購入した。元々店だったので、備え付けの金庫が奥にあるらしい。


「さて、買い物買い物~♪」


料理器具一式やビーカー等の薬師が使うセットに小型ナイフ等、雑貨をドンドン買っていく。


ついでに矢も買っておいた。

30本で150ゴールドだった。

持っていった500ゴールド全部使ってしまった。まあ必要経費だよね。


アイテムボックスに仕舞う。

さて、帰ってご飯でも作るかな。


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まだ三時間しか経ってないなんて信じられないな。

もう1日過ぎた気がするよ。


今日作るのはベッコウ飴だ。砂糖に少ない水を入れて火にかける。茶色くなってきたら型に入れて冷やす。これだけだ。


紙皿に移して隣の家にいく。引越し挨拶は円満な近所づきあいに大切だからね。


概ね好評だったベッコウ飴。砂糖が高いもんね。1キロ100ゴールドは高すぎだ。買ったけど。


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草原に戻った。勿論外套は羽織っている。

何故来たのかというとスキルを試す為だ。


《空歩》

さっそく足を踏み出す。コツ、おっスカッ。ダメだった、足が触れる瞬間だけ足場が出来るみたい。


コツ、スカッ。コツ、スカッ。コツコツスカッ。

おっ今2回行けた。なんか感覚が掴めてきた。

リズムゲームと同じだ。タイミングを合わせて入力すればいいだけ。

コツコツコツコツコツコツコツスカッ。

コツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツスカッ。

コツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツ・・・


30分後。僕は歩くどころか空歩で走り回っていた。


「アハハハハハハハハはハハハハはハハハハはハハハッ!!!たーのしーい!」


もう自由に動ける楽しさに僕はただ走る。

そしていつの間にか雲のはるか上に居た。


「はー、はー、も、もう歩けない。酸素薄い。寒い、眠・・・」


目を覚ましたら落ちていた。ヤバイ、落下ダメージがあるのにこんな高さから落ちたら死ぬ!


「うおおおお!!!」

足をバタバタさせてみるも意味はなかった。せまる地面、僕は「《壁蹴り》!!」とヤケクソで言ってみた。


バッ。

え?壁無いのに出来た?なんで?

頭に疑問が掠めた瞬間、グシャっと、上空14,000mまで登った末路は潰れた卵みたいになったのであった。


-----------------------


「知らない天井だ」


いや、知ってる。自分で買った店だわ。

2階を家にする事にした僕はホームに2階の1室を選んだのだ。


ホームは死に戻りした時にそこに戻ってくるようになるという機能だ。建物でしか出来ない為、宿か家が無いと最初の広場に戻されるんだよね。


まさか、最初の死亡が転落死なんて恥ずかしいなーもう。まあ疑問があるし、まだ試してないスキルもある。もう一回草原に行ってみよう。

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