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「そう、それは5000年前の事じゃった」
おじいさんはニューパラの歴史を語り始めた。
内容は、
突如世界中の人々の頭上に三角の印が出現した。
もちろんいきなり現れたそれに皆慌てふためいていた、その時じゃった。
「我が子達よ、我は創造神。どうか落ち着いて聞いてほしい」
空に神々しい空間と小さな女神様、創造神が見えたのじゃ。
それはそれは美しき幼じゲフンゲフン、若い女神だったそうなのじゃ。
「これよりこの世界には新しい制約が出来る。それを今から伝える」
そして、
・渡来人 (別の世界から来た者)が現れる
・区別しやすい様に頭にフラッグを付ける
・スキルと言う力を授ける
主にこの3つが伝えられた訳じゃ。
ちなみに細かい事は聖書が町に必ず3つ与えられたそうじゃ。
最後に創造神はこう言った。
「渡来人は強い力を持つだろう。
それはオヌシらを傷つけるかもしれぬ、助けになるかもしれぬ。
だが、決して崇拝してはならぬ、そして迫害してもならぬ。
渡来人はオヌシらと同じ人なのだ。善き者も悪しき者もおる。
オヌシらは良き隣人として過ごすのじゃ。
それが我の望みじゃ」
そして、
「……やったー!一発録りでいけたよ!今のは威厳たっぷりだったでしょ!?」
「よかったよ〜、私感動しちゃった〜」
「なんせ創造神ですから!さあ崇め奉れ!」
「おい!それまだ繋がってるぞ!?」
「え?ちょっ!?い、今の無し無し!!無かったことにしといて!!」
と言ってそれは見えなくなったそうじゃ。
ついでに巨乳の女神も2神いたそうじゃ。
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「以上がこの世界の歴史の1つ、神話時代じゃ」
「………教えてくださってありがとうございました」
「いやいや、これでも語り部じゃからのぅ」
長っぽい人の話を聞き終えて思った。
…運営さん全部台無しだよっ!?
最初雰囲気のある良い話なのに、後半のせいで台無しだよっ!!
もう1回やり直して欲しかったよ、まったく。
「流石町長、相変わらず話が上手いぜ!」
「まぁ、70年も続けたらうまくなるよな」
「俺らが子供ん時から話してたからな。久しぶりに聞いたぜ」
え、今聞き捨てならない事が聞こえたような。
「えっ!町長さんだったんですか!?」
「ほっほっほ、語るのに肩書きは要らないのでな」
本当に長だったよ!
ついでに名前はロージーって名前でした。
「聖書を読みたくなったら来るといい、町の真ん中にある建物にいるからの」
「ありがとうございました!またクエスト終わってから行きますね」
「ほっほっほ、じゃあの」
さて、じゃあ早速アイテム収集に行きますか!
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「酩酊草はここら辺にあるって聞いたけど……分かんないや」
ツードラスは雪が降り続けているから草が見えない。
そのわりには足首までしか積もってないから、不思議な感じがする。
ゲームだから普通なのかな?
雪に足取られたら嫌だから、《立体機動》で移動したけど。
「うーん、面倒臭いなぁ。1つあたり3分以上掛かるかな?」
雪が無ければ良いんだけど……
そうだ!
「[ファイヤボール][ファイヤボール][ファイヤボール][ファイヤボール][ファイヤボール]………
[ファイヤボール]!!」
[ファイヤボール]を30個ほど作って雪に近づけると、辺り一帯の雪が溶けて草が見える様になった。
のはいいけど暑い!流石に出しすぎた!
「とりあえず空に飛ばしてっと。結構生えてるね」
ここら辺にある草全部、酩酊草だ。
他にも思い出せないけどなんか拾った。なんで拾ったんだっけ?
「とりあえず次の草に行こうかな…?なんか騒がしいな」
ドドドドドドと地鳴りがしてくる。もしかして動物の大移動とかあるのかな?
「えっとあれは、っ!?桜!?」
当たりには雪が振り続けているのにも関わらず、満開の桜が全力でこっちに走ってきている。しかも5本も!!
鑑定
乱桜(ランクC)
酩酊草近くに生える桜。何故か動き回る。アルコーレのせいか行動はめちゃくちゃである。(効果:酩酊[3])
「う、うわぁあああ!!」
こうして桜との戦いは幕を開けた。
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「はぁ、はぁ、もういないよね?」
どうにか乱桜を倒したけど、木なだけあって体力が高かった。2本は勿体ないけど燃やしてしまった。
しかも酔ってるのか、フラフラして当てにくかったんだよね。
でも、それなりにいい物が手に入ったんだよね。
これから役に立つかも。
鑑定
酒花(ランクC)×50
酒が染み付いた花。この花を入れて飲むとかなり粋らしい。水でさえも水割りになるほどアルコーレが出る。(効果:酩酊[3])
危険な松明(ランクC)×20
酒が染み付いた枝。指先程度の火でも火がつき、眩しいほど燃え上がる。ただし燃え尽きるのが恐ろしく早い。(効果:酩酊[2])
酒炭(ランクC)×75
酒が染み付いた木が燃えて出来た炭。中にはアルコーレがかなり詰まってる。高火力が出せるが、爆発の危険性もある。(効果:酩酊[2])
「アルコーレって何?アルコールとは違うのかな?」
別に成分が分かってもお酒の作り方なんて知らないから、放っておくけど。
それにしても、酩酊草を触ってから酒臭いなぁ。手から匂いがツンとくる。
ドドドドドド
「後ろから物音。何だろう、嫌な予感」くるっ
「「「シャケアアアアア!!」」」ドドドドドド
「シャケだー!?」
何で雪の中をシャケが泳いでるのさ!?
あ、でもシャケ食べたい。
「ごくりっ…」
「シャッ!?……しゃー」くるり
「待てー!!」「「「シャケーーッ!?」」」
シャケは速かったけど、僕より遅かったから簡単に捕まえられた。
並走した時驚いた顔してた気がするよ、魚だからよく分かんないけど。
鑑定
酒鮭(ランクC)×3
酒が染み付いた魚。雪の中を泳ぎ、アルコーレが含まれる場所を回遊する。酒鮭が酒の中で泳ぐと酒が上手くなるという伝承があった。(効果:酩酊[3])
生け捕りしといてよかった〜。
生きてるままでもアイテムボックスに入るのかな?
「よいしょ、あ、入った。僕が捕まえたから僕のものになったってことでいいのかな?」
まるで猫型ロボットのポケットみたいだなぁ。
とりあえず今は気にしないでおこう。
「疲れたし、町に戻ろう。まだ時間あるしね」
雪は歩きにくいから《立体機動》で上を走る。
うぅ、寒いなぁ。
「《ファイヤーボール》」
いくつか火を灯して暖をとる。走るのと同じ速さで動かすの結構難しいなぁ。




