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シュッ。トス。パタン。


あれ?案外当たる。

兎はそこそこ素早くて難しいと思ってたのに、一発で当たった。


マグレかもしれないので、もう1回撃ってみる。初心者の弓矢(耐久値∞、本数∞、攻撃力3)を引き絞り、狙いを兎に定める。


シュッ。トス。パタン。


さっきと同じ事が起きた。もしかして他の人も同じ位出来るのかな。


「チクショウ、また避けられた!」

「よっしゃ、当たった!一匹目ゲット!」

「慣れたら余裕だぜ!」


弓使いの人達は3回に1回当てられる位みたい。慣れたら外すのは少ないみたいだから、ほんの少し上手いくらいだよね。


もっと色々試してみよう。次は連続で撃ってみる。

矢を矢筒から急いで出して、直ぐに狙って撃つ。


シュッシュッシュッシュッ。トストストストス。パパパパタン。うん。当てられた。もしかしてゲームの演算補正が入るって言ってたからそのおかげかな?


じゃあ同時に3本撃ってみるかな。

ゲームでよくあるように3本の矢を角度をずらして同時に引き絞る。指でしっかり矢を固定してズレないようにしながらそれぞれの矢の着弾点に兎を入れて放つ。


ビシュ!ドドドスッ!パッタン。


ホントに出来るとは思わなかった。しかも驚いた事に当たった。兎が動いてたのに当たるとはびっくりだ。


「………凄い………」


いつの間にか静かになってた草原の後ろを振り返ると、20人ぐらいの人がこちらを見ていた。


「ちょっと君ウチのギルドにこないか!?」

「いやウチに!」

「ウチは入ったらポーション使い放題だよ!」


「えっ、えっ、あ、あのその」


どうしよう、めちゃくちゃ怖い。ちょっと緋色(ヒーロー)助けて!


「コッチだ!」

「えっ!?」


いきなり手を引かれた。えっ!そんな強引に入れるなんてイヤー!?

逃げようとするも、ガッチリ捕まって全然振り解けない。


-----------------------


「大丈夫でしたか?」


町まで戻ってようやく手を離された。黒髪の平々凡々とした少年である。目が隠れているくらいしか目立った場所はない。


「困っていたみたいだったんで無理矢理連れて来たんですけど、もしかして迷惑でしたか?」

「あ、いえ、大丈夫です。助かりましたぁ」


ホントに怖かった。人に囲まれるのは緋色に巻き込まれて大体ろくな目にあってない時だけだもの。


「これ、アナタが仕留めた兎です。拾っておきました。あと、もしまたしつこい勧誘されたり捕まったりした時はGMコールしたらいいですよ。すぐにペナルティが発動しますから」

「GMコール?どこにあるんですか?」


「メニューにありますよ。あと、同性は緩いですが今みたいに異性が触るとGMコールがウインドウででます。目の前に出てますよね?」

「いえ、出てませんよ」


と言うと、不思議そうに僕を見る。


「あれ、バグかな?ちょっと運営に報告しますね」

「いえ、同性だと緩いんですよね?だからだと思います」

「いや、僕女の子じゃないですよ?」

「でも僕は男ですよ?」


ピシッ!っと空気が凍りました。ああ、またか。


「嘘ですよね!だって髪長いし、声も可愛いし顔は美少女ですよ!」

「髪はバグです。それに可愛いとか反応に困ります。本当に男なんですよ」

「ご、ごめんなさい」

「いえ、慣れてますから、慣れてますから………」


言ってる内に落ちこんできた。


「ぐすん。た、助けてくれてありがとうございました。よろしければフレンドになってくれませんか?」

「あ、喜んで!」


彼はモブというらしい。分かれた後メールが届いた。

死に戻りするとステータスが下がり、アイテムをたまに無くすらしい。フレンドメールで初心者の心得を書いてくれるなんてモブ君は優しいなあ。

忠告通りポーション3つと外套を買っておく。


外套を被り、草原に戻ると、兎を目立たないように一回ずつ倒す。外套は近寄り難いらしく周りには誰もいない。


「折角だから他のスキルも試してみようかな」


《解体》をしてみよう。

ちょっと怖いが《解体》を発動し、出てきた初期ナイフを掴む。ガイドラインが兎に引かれてそこを順番に切れば良いらしい。


工程をスキップしますか?

yes/no


あ、スキップ取ってたの忘れてた。

スキップはスキルの時間がかかる工程をスキップ出来る素晴らしいスキルだ。稀に劣化するらしいが凄い便利だったから30Pで取った。

何故か緋色は勘違いしてたけど。


yesを選択して解体が終了する。

ララビットの耳×2

薬の材料。

ララビットの肉×4

一般家庭に良く出回る肉。

ララビットのシッポ×1

モフモフしており、幸運のお守りとして有名。


凄い増えた。肉1個、稀に耳くらいだったのに。

アイテムボックス(皆持ってる。10種類の物が99個まで入る)に突っ込んでメニューを開く。


ステータスを見ると、

名前ミー種族エルフレベル10(9up↑)

HP15MP60

20P割り振って下さい

STR10

DEF10

VIT15

DEX25

INT30

AGL50

スキル

攻撃系

《弓矢レベル3》(2up↑)

生産系

《作成レベル1》《合成レベル1》《濃縮レベル1》

移動系

《空歩レベル1》《壁蹴りレベル1》

便利系

《鑑定レベル2》(1up↑)《解体レベル2》(1up↑)《スキップレベルMAX》《選別レベル1》


控え

《早打ちレベル2》(2up↑)《同時撃ちレベル3》(3up↑)《気配察知レベル1》(1up↑)《気配薄化レベル1》(1up↑)《擬態レベル1》(1up↑)


ナニコレ?このゲームこんなにスキル習得しやすいの?


設定でお知らせを音声で知らせるにしておく。

とりあえず20PはAGLに振っておく。

さて、お金も欲しいし市場にいってみましょう。

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