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遅くなってすみません。
最近疲れが取れません。
皆さんも体調には気をつけて下さいね。
場所:日本の何処か
ここでは最先端技術が詰まったコンピューター、《アカシックレコード》がある場所だ。作業員20名、技師が10名、そして《7人の弟子》が常日頃から議論、研究、開発を行っている。
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ニューパラ一週間だよ!ヒミツの作戦会議!
カラフルな文字の垂れ幕があり、会議に使う様な丸い机、ではなく長机が一つだけ。そして7人の人物が座っている。
「で、何か問題ある?」
黒髪ストレートのつり目な女性が一言。ピシッっと空気が変わった音がした。
「やはり市場経済システムは止めた方が良いのでは?ポーションが30倍の値段ですよ。作りやすいのに」
メガネのいかにもな技師が提案する。
「それよりも生産職の待ち時間が無い方が良くな〜い?」
金髪日焼けのギャルが言う。
が、一番奥、高い椅子に座っている者が口を開く。
「えー、つまんないよそんなの。みんながやる事がゲームに反映されるのが楽しいのに!却下!それに直すのは難しいし」
小さい身長、ぱっちりクリクリな目、童顔、慎ましい胸、ロリっ子がここにいた。
「も〜!コサキンの思いつきでどんだけゲームバランス悪いか知ってんの〜!」
「本当ですよ、何ですか他のステータス犠牲にして1つを底上げするスキルって。貴女がなったらヤバイと言ってた事を助長してますよね」
「あの、毎回思うんですけど、清掃員及び雑用の僕が、何でゲーム開発してんすかね」
「うるさーい!良いの!《セブンズクリエイター》に間違いなんて無いの!」
このロリ、何と7人の弟子の1人、小崎音波なのだ。ニューパラではスピーカーと名乗っており、運営でプレイヤーなのだ。
バン!!
「てぇへんだてぇへんだ!ニューパラがてぇへ「うっせーよボケがっ!!」ぐへっ!?」
ドアをふっ飛ばして入って来た男性を、目つきが悪い女性が蹴り飛ばす。
もはや1日に3回は見られるお約束だ。
「今、ポーションの値段が元の10ゴールドに下がってる!ポーションも200万個はある計算だ!」
「はぁ!?何だそれ!ポーションがそんなに早く増えるわけねえだろ!」
「現に増えてんだよ!ダイブして確かめようぜ!」
「やったー!会議って肩凝るからキライだよ〜」
「おい、ニューパラ最高責任者」
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運営側は早速全員ログインすることにした。
ベッド型ダイブマシーン。開発してまだ売り出してないが、より深くダイブ出来るマシンだ。
定価12万円のベッドに横たわって、全員はニューパラにログインした。
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「価格が本当に下がってる。何だこれ!?」
「ちょっと権限で製作者を調べてみましょうか。《視聴権限》」
《視聴権限》
ポーション(ランクD)
回復量7%、材料、薬草、町の水。
生産過程:作成と合成、すり潰し、お湯に入れ、《スキップ》され、瓶詰め。
制作者、ミー
説明しよう!
《視聴権限》とは、アイテムの全てを見られる開発者のみ許された、権限の1つである!
「《スキップ》?一覧にあったかしら?」
「あ、責任者が逃げようとしてます」
「また何かやったのね!もう許さないわよ!」
「嫌だぁ!面白いスキル突っ込んだだけだもん!」
「あ〜、一応権限で視たら初期スキルだね〜でもこんなに多く持ってるのおかしくない?」
そこに出たのはスキル割合表。スキル習得者数が分かり、全体の比率も分かる権限の一部だ。
102人、生産職の3%が《スキップ》習得済み。
「確かに初期のみにしては多いね」
「!?おい、掲示板覗いたらスゲー事書いてんぞ!」
「なになに、スキル封印石を再利用し、スキップを配るミーさん!?石は魔力詰まったら使えないんじゃなかったの!?」
サッパリ分からないが、ミーというプレイヤーが事件の中心の様だ。なら、
「よし、見に行きましょう。《検索権限》《転移権限》《透過権限》」
プレイヤー名ミーを検索、場所を特定し、見破れない様にして、ミーを閲覧する。
「《スキップ》に《空歩》、《選別》!?何でスピーカーが思いつきで作ったものばっかり選んでるのよ!」
「うわぁ!友達になろうっと!」
「黙れ!ってか何だコイツ!《空歩》レベル10の成層圏ギリギリまで行くを何で達成してんだよ!」
「選別も2,000回はしないと行けないのに、5日でやるなんてね。しかも派生が《分離》《選択》になるなんて、凄いわ」
まるで狙ったかの様に良いスキルを習得してるミー。運営はもう関わりたくないのだが、
「あ!?」
「何ですか!貴女には後でお説教4時間コースですよ!」
「あの子ステータスがAGL極振りで90だ!?」
「「「「はあ!?」」」」
「何で極振りが驚かれるんですか?」
1人は分かっていないようだが、このゲームが作られた理由の1つに関わるからだ。
「ステータスに差があり過ぎると、肉体のデータが離れ過ぎているのを計算する為に、頭が痛くなるのよ」
「だから痛くなった時点で注意してるんだけど、あの子はまだのようね。どんな頭してんのかしら?」
その後も、出るわ出るわ、低レベルでボス単独撃破、回復量がおかしいポーション、はては隠しクエストの兎のシッポまで、見事な頭痛の種だ。
「まあ、こんな子も珠にはいるだろ」
「そうね、極振りなんかこの子位で「極振り他に3人居るよ〜!」はぁ!?」
何だコイツらは!?何で私達を困らせるんだ!
運営の皆さんはちょっとだけ泣いた。
「どうでも良いけど、何で僕は清掃員なのにゲーム作ってるんだ?ちょっとゲームに詳しいだけなのに」
清掃員がボソリとつぶやく。
しかし彼が居なければニューパラは、ゲームに詳しくない皆が作った一瞬でクマにプレイヤーが粉微塵にされる無理ゲーになってたのは誰も知らない。




