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この小説は不定期更新ですが、できるだけ1日更新するつもりです。
あくまでできるだけなので更新無くても勘弁してくだせぇ。
「なあ御使い、知ってるか?ニューパラが緊急メンテナンス中何だってよ」
と、ちょうど席についた僕に緋色が言う。
朝イチにゲームの話題はどうなんだろう。まぁ重要なお知らせだけど。
「へぇ、そうなんだ。原因はなに?」
「なんか《アカシックレコード》に昨日の深夜、負荷がかかり過ぎたらしい。世界の全てが分かるってキャッチコピーなのに、処理落ちするってどうなってるんだ!」
「まあ、そんないっぺんに使えるものでも無いだろうし、製作者が亡くなったから、分からない所もあるんじゃないかな?」
「うーん、そうなのかもな」
学校が終わり、ログインしてみる。
「今日と明日はメンテナンス中です。ゴメンね!良かったらスピーカーちゃんの楽しいニューパラって言うウェブサイトをみてね!」
よく司会をしているスピーカーちゃんが、マイクでログインしてる人に呼びかけている。
皆すぐにログアウトしていくなぁ。
「すいません」
「はい?何ですか、今はメンテ中ですよ?」
「なんか、《アカシックレコード》に負荷がかかり過ぎたって聞いたんですけど、原因は何だろうと気になったので」
すると、スピーカーちゃんは苦々しい顔で、
「《七人の弟子》の1人が、師匠に生前に頼まれた、もし、女の子が、全員幼女だったら、って仮定を、《アカシックレコード》で、無許可で、実効したんです。ニューパラは、《アカシックレコード》の3割を使っているのに、いきなり、4割も使う演算をしたら、オーバーヒートで部屋がグリルになるのに。しかも、「俺は師匠に頼まれたんだ、だから悪くない!」とかいって、ふざけんな!師匠も師匠だよ!何考えてんの男は!」
「あー、えっと、大変ですね。なんかすいません」
すると、スピーカーちゃんはハッ!として、
「すいません愚痴って。あと、さっき言ったことは他言無用でお願いします」
「分かりました。それにしても、スピーカーさんの声、どこかで聞き覚えがあるような?」
ゲーム内で聞いた気がするよーな、司会の時かな?
「っ!ああ、もうそろそろログアウトしてもらっていいですか!本格的にメンテナンスするので!」
「あ、はい」
結局、メンテナンスが終わるまで、ご飯作ったり、洗濯したりと、何時もの様に過ごした。
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「メンテナンス開けたぞおおおぉぉぉ!ご協力ありがとうございました!」
「「「「「しゃああぁぁ!」」」」」
広場は凄い盛り上がっていた。
「今日から空腹度が実装されるよ〜。一部モンスターやアイテムも増えてるから楽しんで行ってね!更に、明日は一週間記念!とあるアイテムを全員に配っちゃうよ!楽しみにしててね!」
「「「「「「「「「いよっしゃああぁぁぁ!!!」」」」」」」」」
僕はどうしようかな。今日はギルド手伝いの日じゃないし、次の町に行ってみようかな。
次の町に行くには、それぞれの町の近くのボスを倒す必要がある。
前にキリングベアーは倒したから、西にある町のボスを倒すだけだ。
15分程走ると、西の町が見えてきた。モブくんに言われた通りに、遠くからモンスターを狙ったら、接近戦より楽だった。けど、なんか物足りないなぁ。
スキル構成はこんな感じ。
名前ミー:種族エルフ
レベル20(10up↑)
HP15(+15)MP60
ステータスに20P振って下さい
STR10
DEF10(+5)
VIT15
DEX40
INT30
AGL70
スキル
攻撃系
《弓使いレベル10》《早打ちレベル4》《同時打ちレベル4》《キックレベル2》
移動系
《立体機動レベル2》《壁蹴りレベル4》
特殊系
《気配察知レベル2》
便利系
《鑑定レベル3》《解体レベル3》《選択レベル1》
控え
《空歩レベルMAX》《気配薄化レベル2》《擬態レベル1》《魔力操作レベル1》《合成レベル10》《作成レベル10》《濃縮レベル5》《分離レベル3》《選別レベルMAX》
さて、西の町の前には、1m近い大きさの兎がこちらを見ている。
確か次の町に行くためのボスじゃない、町特有のボスがいるんだっけ?
うーん、兎がボスかぁ。
鑑定
レラビット(ランクboss)
西の町、《ワングリア》のboss。高い敏捷性で、キックを繰り出す。音兎の1種。
さて、まだコチラに気付いてないので、弓使いレベル10で覚えたアーツ(スキルレベルによって覚える技)の[強撃]を放った。タメが必要だが、威力が2倍になる。
「きゅっ!?きゅきゅっ!!」
兎がコチラに気付いた。と、何故か力が抜けた気がした。
「きゅっ!」
「うわ!っ!?ぐはっ!」
何だ!?兎の攻撃を全然避けられなかった。いや、確かに素早いが、何時も通りなら、避けられたはずだ。
ステータスを確認すると、
AGL0(スキルで封じられています)
そんなスキルありなの!?0って、普段の僕より遅くない!?
「きゅ!」
「痛い!もう!」
ポーションを飲んでおく。既にHPが15減っていた。服が無ければ死んでいたぞ。
ついでに薬丸も3つ食べておく。うわ、苦っ!
弓矢で相手に近付かれないように、牽制してるが、どうしよう。せめて、AGLが0じゃなければ。
ん?0じゃなければいい?
クマを倒す前から、僕はステータスPも、スキルPも使ってない。という事は、
僕はステータスPをAGLに全部振る。
AGL20(70封じられています)
よし!どうやらAGLが無くなる訳ではなく、スキルを使った時だけ0になるみたいだ。
「えいやっ!!」
「きゅっ!?」
確認中に兎が来たので、カウンターでキックを食らわせてやった!少し大きいが、兎なのでどうにか蹴飛ばせた。
兎はカウンターを食らって警戒したのか、素早さで撹乱してきた。目では追えるが、速くて狙いが定まらない。兎がロックオン出来たら楽なのに。
と、思ったら、兎に十字のポインタが出てきた。なんで!?
「とにかく[強撃]!」
「きゅ〜」
どうにかレラビットを倒せた。ステータスを0にするとか、ゲームでやっていいのかな?解体して、アイテムは全部アイテムボックスに入れておく。
とりあえずステータスのAGLはちゃんと戻っている。
もう、あんなスピードはごめんだ。
「よし、行くぞ!」
《ワングリア》、楽しみだなあ。