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毒薬を作った後は、ログアウトした。


「お兄ちゃん、new paradise worldやってんのか?」

「もう結衣、言葉遣い直しなさい」

「うるせぇな!やってんのか!?」

「やってるよ、ダウンロードしたいの?教えるよ?」


一緒にしたいなーと思ったけど、


「あ、あたしがそんなグラフィックが綺麗な体感型ゲームなんてやる訳ねーだろ!そんなの誰が買うか!」


と言って部屋に戻ってしまった。

そっか。残念だなぁ、結衣とやったら楽しいだろうし、前みたいに仲良しな兄弟に戻れるかなと思ったのに。


-----------------------


翌日、学校から帰って、ニューパラを起動する。

さて、今日は6時から商業ギルドでポーションを作る予定だ。


今日はポーションを作った時に出る、薬草を何かに使えないか試す。

ポーションの効果で考えると、回復成分ヒーリングエッセンスは1度に回復する量の決め手らしい。

なら、ポーションのあと一つの効果、自然回復が速くなるのは、薬草の性質なのでは?


という事で、大量の葉を少し分けて分離で水分を飛してみた。

鑑定

染料(緑)(ランクD)

緑色の染料。それ以下でもそれ以上でもない。薬効が水と一緒に抜けた物。


漢方みたいな感じになるかと思ったのにな。無理矢理水を抜いたのがいけなかったかな。


少し日干ししてみる。


鑑定

薬草の絞りカス(ランクC)

乾燥している薬草。自然回復量が1分に2になる。効果が3つまで重複する。(インターバル10分、効果3分)


お、やった。もしかして、ポーションみたいに、回復成分入れたら効果上がるかな。


鑑定

薬丸(ランクC)

乾燥している絞りカスを球状に丸めたもの。時間と共に固まる。自然回復量が1分に1%回復する。3つまで重複する。(インターバル10分、効果6分)


ふぁ!?

ポーションと一緒に食べたら回復量がかなり増えそうだ。

と思いながら練っていたら、手が入ったまま固まってしまった。


「うわあぁ!全然抜けないし、壊れない!」


ノミで打ち付けるも全然壊れない!ヒビぐらい入ってよ!


-----------------------


食べ物だと思い出して試したお湯で溶けたから良かった。ゴムまりハンドは勘弁してほしい。


「よし、ギルドに行こう」


薬丸をいくつか作った後、ギルドに向かう。

材料はギルド持ち、1つにつき40ゴールド。正直今の値段で売った方が良いが、そんなの関係なく協力する人達らしい。


「皆さん、今日は強力な人が入ってきました!ミーちゃんさんです!」

「えー、ミーです。呼び方はミーで良いです!」


バランサーさん、いい加減にミーが名前だと気付いてほしい。


ざわ…ざわ…

なんかざわざわしてるなぁ。なんでだろう。


「あの、何で顔を隠しているんですか?」


あ、外套着けたままだった。フードしっかり被ってるし、怪しいね。


「あれはロールプレイって言って、キャラを作っているのよ。旅人プレイじゃないかしら」「例えば?」

「旅人が病が流行る村で、宿のお礼に薬を渡し、村を救う。うん、アリね!」


あ、なんかいつの間にかいい感じに勘違いしてくれてる。良かった。


「じゃあ、今日も頑張って下さい」

「「「「「「「「「「「ハーイ!」」」」」」」」」」


皆が作り始めるが、


「鍋が10個も?」

「多くない?」


僕に用意された鍋が気になるらしい。まぁ、作りますか。


-----------------------


今日入った新人さんを見た時、私は胸が高鳴った。

茶色い外套、顔を隠すフード、袋さんだ!


掲示板で書き込まず見ていた、袋さんが目の前に居る。私はワクワクしていた。


薬師の私は鍋を2つ使って、ポーションを作り始める。こう見えても、調合はレベル15だ。並列作業が使えるのだ。


後は時間経過を待つだけで、皆暇を持て余す。

と、袋さんの前には何故か、10個も鍋が置かれていた。


シュバッ!


「え?」


袋さんが見えなくなる。そして同時に、物が高速で動くのが、ぎりぎり見える。一瞬で鍋に何か(薬草だが、速すぎて見えない)入れて、鍋が何故か10個一斉に光る。


瓶が無くなり、水を入れたタライには、ポーションが10個入ってた。


「よし、1分に10個ならいける」


ああ、袋さんは本当に速かった。今日の報酬で人形買いに行こう。アハハハ。思わず現実逃避した私を誰も責めないと思う。


-----------------------


「よし、1分に10個ならいける」


確認が終わった時、やけに自分を見続けている人が居る事に気付いた。


「あの、何かご用ですか?」

「あっ、あの、袋さん握手して下さい」


え、袋さん?僕が?

人形を思い浮かべると、フード付きのあの格好は言われてみれば確かに僕だ。


うわぁ!恥ずかしいぃ!


握手は断るつもりだったが、可愛らしい薬師さんがうるうるとして、しょうがなくやった。


手が柔らかくて、スベスベしてた。女子の手ってこんな感じなのかぁとちょっとドキドキした。


やけに嬉しそうな薬師さんと、フレンド登録した。エリさんか。いい名前だなぁ。


今日は2時間で1,200個作ったので、48,000ゴールドの稼ぎだ。結構いい収入だなあ。


薬草を取って置こうと転移門に近づく。

転移門には穴があり、そこに100ゴールド入れると門の内側に光の膜が出来て、好きな場所に行ける。


光の森で薬草を採る。と、その時ふと、薬草を持って帰って、植えたら育てられるのでは?と思い付いた。


薬草を根っこごと引っこ抜く。10本程採って帰る。


庭に植えて、ジョウロで水を撒く。

育つのが楽しみだなあ。

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