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バランサーさんにいきなり商業ギルドに入るように言われて戸惑っていると、いきなり足をすくい上げられて肩と一緒に抱えた。いわゆるお姫様だっこだ。なんで!?


「ちょっと!?降ろして降ろして!」

「すいませんが、逃げられたら困るのでそのままで行かせてもらいます」

「いやぁぁぁ!?」


めちゃくちゃ恥ずかしい。

彼はズンズンと大通りを進んで行くから、待ちゆくプレイヤーに凄い見られてる。

自分で言うのも何だけど僕今は美少女みたいな姿なんだよ!?イケメンとセットだったら目立つから!


-----------------------


結局見られまくった後、どこかの建物に到着した。


「ギルドマスター、回復量が高いポーションを安く売っていた職人を連れて来ました」

「入れ」


あれ?今の声はもしかして?

ガチャっと扉を開けられ見えたのは、


「おや、ミー様ではありませんか。生産職だったんですね」

「カーイさん!?この人に降ろすように言って貰えませんか!?」

「勿論です。バランサー、すぐに降ろしてあげなさい」

「え、はい?」


疑問に思いながらもバランサーさんがようやく降ろしてくれた。もう、どうしようあんな大勢の人に視られた〜!


恥ずかしさで僕が悶えてる間にバランサーさんとカーイさんが話をしている。


「それで、なんでウチのお得意様を拉致して来たのですか?返答によっては提携も無かった事に」

「す、すいません!お得意様とは知らなかったものですから!」

「第一、拉致して来るのがいけません。相手がもし市場バランスを崩しかねない人物なら、恨みで市場経済が傾きかねません。それでは本末転倒では?」

「はい…………」


凄い落ち込んだ様子のバランサーさんを尻目にカーイさんが僕の方に向き直って言います。


「大変失礼致しました。彼はプレイヤー商業ギルドのギルドマスター、バランサーです。プレイヤー商業ギルドは簡単に言って私のギルドの外部提携ギルドですね」

「細かく説明するなら、市場価格の異常な高騰、暴落が起きないようにバランスをとるプレイヤー側のギルドだ」


なるほど、確かにこのゲームでは兎の肉が過剰供給されて値崩れを起こしてたから必要なギルドだね。


「それで、なんで私が連れて来られたんですか?」

「それは、その、ミーちゃんさんのブログで、ポーションを作りましたとあったので。ポーションは今高騰状態、ポーションの供給が追いつかず、生産職を集めて作っているんです」

「人手が欲しかったと」

「はい、今日からポーションは200ゴールドに突入してます。転売屋によっては250ゴールドというぼったくりです!早くしないとポーションを巡ってPKが起きるかも知れないんです!」


なるほど。確かに一大事だね。でも、それは僕1人入っても変わらないような気が。


「せめて12時間で1人辺り20本を越えられたらいいんですが」

「え?12時間で20本しか作れないんですか?」

「作成には30分かかるんですよね?準備なども含めて皆さん20本が平均ですよ。5人ほど薬師レベル15の人が居て、時間短縮で30本出来ていますが、まさか、ミーちゃんさんはレベル15なんですか!?」

「いや、作成と合成レベル2、いや上がったから3ですね」


店をリフォームする前にポーションを合成する実験をしたら量が増えただけというがっかりな結果だったがレベルが上がったのだ。


「それじゃあ20本以上作れないじゃないですか!てっきり沢山出来るかと期待したのに!」

「バランサー、人を勝手に連れて来て罵倒するとは酷い仕打ちですね。言葉遣いも悪いですし、やはり手を切った方が身のためのような気がしてきました」

「ち、違います今のは「僕1人で3,500個は作れますよ、12時間で」え?」


バランサーさんもカーイさんも凄いビックリしている。いや、20本に驚くからね?そんなに少ないの?


「1,000本以上!?そんなの出来るはず無い!」

「出来ますよ、何だったら目の前で見せてもいいですよ」

「では、是非見せていただきます。勿論、材料と道具はコチラで用意しますので」

「カーイさん!?」

「乳鉢と鍋とコンロは5つずつお願いします」

「分かりました」


いやぁ、スキル上げがタダで出来るなんてラッキーだね。

少し疲れるけどやってみますか。


準備が整ったようだ。鍋がズラリと並んでいる。


「並行作業はレベル15からですよ!出来ませんよね?」

「この世界はプレイヤーが出来る事ならスキルは後から付いてくるんですよ」


本来弓使いのレベル10から早撃ち、レベル15から同時撃ちが習得できるようだけど、成功させたから習得出来てる。スキルはプレイヤースキルに依存する事もあるのだ。


「な、そんな事が!」

「試して無いんですよね。スキルがあるからそれまでは出来ないと思い込んでしまったんですか。仕方ないと思います」

「確かに古い伝承にあったような気がします。実例は初めて聞きましたね」


へー、伝承とかあるんだ。後で調べてみようかな?

さて、準備もできたし、制作開始だ!

薬草を乳鉢で細かくする。1つ終わったらまた別の乳鉢に、そして全ての乳鉢の作業が終わる。これは大体30秒位しか掛からない。


そして鍋の中に薬草を入れる。全ての鍋に薬草を入れるのに30秒しか掛からない。


「でも、そこからは30分待つんですよね?ならせいぜい120個じゃないですか!確かに多いですが、3600なんて無r「五月蝿いですよ。スキップ」え?」


スキップによって鍋の中にポーションが出来た。

後は瓶に詰めるだけだ。


「作成に1分、1分につき5個、12時間は720分だから5倍の3600本出来ます。まあ、流石にロスはありますし、ポーションを鍋から瓶に詰める作業を手伝って貰ったらだいたい3600本は作れます。鍋増やせそうですし」

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