暗闇の中の光
少し投稿が遅れた感じですが、読んでくださるとうれしいです。
リュートとジェス、二人はこの状況を頭で認識するには数秒かかった。
この、人里離れた秘境に、大勢の大人の男が銃を携え、森を進んできているのだ。
「お、おい、ジェス...こ、これって...」
いつもは何があっても大抵驚かないリュートが震えている。
いつも、おどおどしているジェスは。
「こ、これは、村長に知らせないと!リュート!」
と、さきに冷静になったジェスがいうとリュートはハッとなり。
「あ、あぁ、そうだな、行こうジェス!」
と、さっき狩ったアミシーズを放って、村に戻ろうと走り出す。
『ポキッ!』と音が鳴る。
ジェスが、木の枝を踏んでおってしまったのだ。
「ん?何の音だ?」
それを兵士の一人が聞いていた。
「なんだ、何かあったのか?」
と、部隊の隊長であろう男が兵士の一人に問いかける。
「ハッ!森の中で何か音が鳴ったので確認を取らせてください!」
「どうせ動物か何かだろう、まぁ、お前ひとりで確認してこい、何もなかったらすぐ隊に戻れ」
「ハッ!」
と、兵士の一人が、リュートとジェスにどんどん近づく。
とっさに、木の上に上ったリュート、野生の勘というやつだろう。
その場で動けなくなってしまったジェス。そのすぐ近くに兵士の一人が近づく。
兵士は光がないようで、ちらっと見た後。
「やはり、動物か...早く隊に戻らないと。」
と、戻っていく。ホッと胸をなでおろすジェス。リュートは冷や汗が止まらない。
兵士が遠ざかっていくと、リュートとジェスはアイコンタクトで村に戻るぞと、言い合う。
するとそこで、ジェスが転ぶ。
「うわっ!」ドシッ!と音が鳴る。これには流石に動物とは言いづらく、兵士が、「誰かいるのか!」と大声を出す。隊の足が止まる。
「何があった!何かいたのか!」と、隊長が声を張る。
リュートとジェスは、かまわず走り出した。足では負ける自信はなかったからだ。
「と、とまれ!」と、銃を構える兵士。しかし、二人は、もういなかった。
「何かあったのか?」と、隊長が一人銃を構え近づく。
「い、いえ、やはり、動物だったっぽいです。」と、人の速度ではない動きをしたリュート達をどうやら動物と思ったらしい兵士が言う。
「そうか...ん?」と、隊長が何かを見つけ、しゃがむ。
「これは...」と、リュートが仕留めて、横たわっていたアミシーズの死体を持ちあげる。
「確実に人が仕留めた跡があるな、この傷は剣か何かで刺した後だな。」
と、アミシーズを放り捨て。
「今先ほど、竜人族と思われる者が狩りをしていた痕跡を見つけた!ここから奴らの住処は近いぞ!気ぃ張っていろ!」
「「「ハッ!」」」
「待っていろ...化け物共め...」
隊長が兵士達に喝を入れているその時、リュートとジェスは、村の近くに来ていた。
「やべぇ、仕留めたアミシーズおきっぱだ...気づいてなけりゃいいけど...」
と、リュートが仕留めたアミシーズを置き去りにしていることに気づき不安になる。
「えぇ!?そ、それはやばいんじゃ...」
「まぁ、どうせあそこまで近づいてんだもう手遅れだよ。」
二人はものすごい速度で森を駆け抜けているにもかかわらず会話をしている。
2分後、二人は村の入り口に着く。そこには。
「コラ!二人とも!今何時だと思ってる!こんな暗い時間に森に入りやがって、説教してやるから来い!」
と、二人が夜の10時頃にやっと帰ってきて心配していた、ジェスの両親と、村長が村の入り口で怒りながら待っていた。
「ハァハァ...ジルバおじさん!それどころじゃないんだよ...村長!近くの森に武装した大人の人間がすげぇ人数でここに向かっていたんだ!」
と、リュートが言う。
その言葉を聞き、村長とジェスの両親は、驚いた顔をした。
「こんな秘境に人間がたどり着くとは...二人の言うことじゃ、嘘ではないようじゃの。」
「村長、俺は、村のみんなに知らせてくる!リュート!ジェス!お前らも手伝え!」
「うん!」と、二人が答え、散っていく。
今夜、竜人族にとって、悲劇の夜となる。
読んでくださって、ありがとうございます。
続きも思いつき次第投稿していきます。