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意地

もうそろそろまじめに書かなければ。

 ドラゴンの口から紅蓮の息吹の一端がもれ出る。

 噴火寸前の火山を思わせる漏れ出る息吹は風を受け形を変えながらも風に負けじと大きさを変える。

 長い間ゲームをやっていた俺にはすぐに分かった。


 これはまずい!!


 急いで横に走ろうとするも体が動かない、正確には地面を蹴った瞬間に何か壁にあったように動けなくなったのだ。

 一瞬遅れたように衝撃が体を襲った。

 肺から空気が一気に抜けるのを感じる。

 視界が激しく揺れ、思わず持っていた鎧とを手放してしまう。


 いったい何が起こった!?

 俺は死んだのか!?

 どうなっているんだ!?

 どうして熱くないんだ!?


 いくつもの考えが頭の中で交差するが頭から地面に落ちるとその衝撃が思考をクリアにする。


 まずは状況を確認しないと・・・


 あわてて回りを確認する遠くで炎が荒れる海のごとく道を焦がしていて、自分は何本かの折れた木々に逆さに埋まっていた。

 そして数秒の間をおいて理解する。

 自身が地面を蹴った勢いで木々をなぎ倒しながら飛び、ドラゴンの息吹が数刻前に自身がいた場所を燃やしているのだと。


 やっべぇぇぇぇぇぇぇ!!??


 妖精さん勇者の力が役に立たないとか思ってマジすいません。

 まさかたった一歩でこうなるとは…

 そう思いながら折れた木々の隙間から立ち上がる。

 ドラゴンもどうやら俺の横とびが見えていなかったらしく既に戦闘が終わった気でいるらしい。

 俺はこちらに気づいていないことに安堵するもそこである余計な考えが頭をよぎった。

 踏み込んだだけでもこれなのだ。

 もし俺が全力で殴ったのならばどうなるのだろう?

 幸い目の前に見えるドラゴンは体長20メートルほどだろうか?かなり大きい、これだけの大きさならば本気を試すのにはぴったりではないだろうか?

 これだけの力だきっと俺tueeeeeeeeeeeeeができるはずだ。

 しかも向こうは油断しきっている。

 これならば・・・

 そう思いゆっくりと近づく。

 なぜさっきみたいに地面を蹴って近づかないのかって?

 想像してみてほしい、目の前のドラゴンのうろこは独特の尖った形をしている、そこに突っ込めといわれて突っ込む人がいるだろうか。

 いや、確かに木にぶつかっても無傷だったし大丈夫だとは思う。

 しかしそういうことではないのだ。


 そうしてドラゴンの横っ腹までたどり着いた。

 もはや余裕ですよこれは!

 そんなことを考えながら全力で拳を叩き込もうと体を大きくひねり強く踏み込む。

 今まで喧嘩をあまりしたことがないせいか少し腰が引けていた。

 そして放たれた拳は


ドラゴンの鱗によってはじかれた。

というよりは打ち負けて筋肉のわずかな反発にはじかれたのだ。


そして一瞬遅れてやってくる痛み。

なぜかドラゴンの鱗に拳は打ち負けたのだ。

拳からは血がたれているがそこまでの痛みはない。

どういうことだっ!??くっそ!!

そう思ったとたんに突然の浮遊感に襲われる。

横腹にドラゴンの尻尾がめり込んでいた。

木々にぶつかっては跳ね返る、ピンボールのように森の中をはねる。


「ごほっごっ!!?」


痛覚は麻痺しているのか分からないが痛みはないものの咳は血の味がした。

けど・・・もしかして

一つの考えが頭によぎる。


もしかして強くなっているのには条件があるのだろうか?

いやそれだけではない耐久もある程度上がっているのだろう、そうでなければ今頃ミンチになっている。


そう遠くない場所から木々が薙ぎ倒される音が近づいてきていた。

もし俺の考えが間違ってないのなら逃げるだけなら簡単なはずである。

しかしこのまま逃げるのも何か違うのだ。

こんなところで逃げていてはあの妖精の思う壺なのだ。

もはや意地になってしまっているのに苦笑しながらもクラウチングスタートの構えを取る。


やってやるよ・・・クソ野郎!!!


ドラゴンの姿が木々の間に見え始める。


ここが正念場だ!!


全力で地面を踏み抜いた。

地面が衝撃で大きく陥没する。

同時に腕を体の前で交差させる。

何か硬いものを砕いた感覚とともに防ぎきれなかった頭への衝撃で久方ぶりの眠りへと誘われた。


突風が吹き荒れた。


少しだけ内容を濃くしてみる今日この頃。

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