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プロローグ
僕は昔、スーパーマンになりたかった。
スポーツ万能、成績優秀。クールで格好良いスーパーマンに。
そうなれば、クラスでは人気者になり、女の子からはちやほやされて。
そんな毎日に、ずっと憧れていた。
現実とは、酷な物で……。
僕、堤敬太は、スポーツ音痴の、成績最下位。
内気で、友達の少ないただの人間。
もちろん、クラスでははぶられ物で、女の子からモテた記憶なんて一度もない。
そんな毎日だった。
友達が少ない(・・・)と書いたのには理由がある。
そう。こんな僕にも親友と呼べる奴がいた。
名前は、渡辺淳司。
こいつとは、小学校からの付き合いで、ずっと一緒に遊んできた。
僕たち2人には、秘密事なんて1つもない。
そんな仲だ。
だから僕は今日まで、こうして生きてこれたんだ。
『僕』は、いつまで経っても『僕』なわけで、それは誰もが受け入れなきゃいけない現実なわけなのだ。
何度も自分を変えようと頑張ってみたけど、結局変われず終い。
でもそんな僕に、ある日チャンスが訪れようとしていた。