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席替えこそ青春

運命のイタズラは残酷であり、甘い汁ですら毒薬である。逆に言えば、毒薬が甘い汁であるかもしれない。この物語は、新大陸の植民地メカンテを舞台にした恋愛と戦争の物語である。


暑くなりかけているある日、このメカンテの主都ティショルティクランの高校の片隅で、顔を赤らめる少年がいた。


その名はルルぺ・クエペタ。特にこれと言った特徴もない、どこにでもいそうな16歳の男子高校生だ。


ルルぺが目を向けているのは、中学からの同級生でかつ想い人のテスカ・クアツォタだ。彼女は頭がよくて、優しくて、おまけにかわいいという、出来すぎた女の子である。


今日もかわいいな、と見とれていると、後ろから声をかけられた。

「あれれ〜?ルルぺまたクアツォタ見てるの〜?」

「ち、違うよ!!//」


声の主は、ルルぺの中学以来の親友、 ジェショカン・クラスチャであった。ジェショカンにはいつもルルぺをからかうクセがあった。

「おいおい、今日はいつも以上に顔が赤いぞ!」

「そ、そりゃそうだろ!今日は席替えだもんな!」


その時、既にこんなことを心で考えていた。

ーもしテスカチェと隣の席になれたら今まで2年間の想いを告白しようー


結局、その日は妄想でぼんやりとしたまま運命の帰りのSTの時間が来た。

「これより、皆さんお待ちかねの席替えを行う。」

初老の担任教師ケロシェの一言でクラスがざわめく。いよいよ運命のくじ引きの時が来たようだ。あっという間に順番は回っていく。

「次、クエペタ。」

(うわぁ・・・ついにオレの番かよ・・・)

ルルぺが引いた紙には、23という数字が書かれていた。すると、突然斜め後ろに座っている生徒会学年代表の女子が、ルルぺの方に首を伸ばしてきた。

「な、なんだよ??」

「ふぅん、クエペタくんの番号は23番なのね。」

「だからなんでだよ?」

何回聞いても、彼女は理由を全く教えてくれなかった。


そのうちあまりの緊張で周りの音が全く聞こえなくなり、頭の中でテスカの顔が回り続けていた。気がつくともう最後の人がくじを引き終えていた。


「よし、全員引き終わったようなので座席発表を行う!」

担任教師の一声で、クラス全員の目が黒板に注がれる。方眼紙のような黒板の座席表に、1つずつ番号が書き加えられていく。ルルぺは今までにないほどドキドキしていた。後ろの方にいるテスカを見ると、彼女も緊張しているようだった。


そしてついに、"23"が真ん中のあたりに書き込まれた。教卓の真ん前じゃなくてよかったと思いながらも、隣に書き込まれた16という番号が誰のものかを考えつつ、テーブルを動かす瞬間を待っていた。少し離れたところにいるテスカを見ると、何やら前後の親友2人にからかわれ、かつエールを送られているようだった。


「はい、動かせ!」

テーブルの脚が床を引きずられる音が醜く聞こえる中、真ん中のあたりへとテーブルを動かした。そして隣の席にやってきたのはー

「ク、ク、クアツォタ!!??」

テスカが横に座っていた。

「よろしくね、クエペタくん。」

「あぁ、よろしくな、クアツォタ。」

こうして、ルルぺにとってドキドキする毎日が始まったかのように思われた。

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