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第14話 授業初日



結局、図書館ではこれと言って分かった事はなかった。

少しは期待していただけに残念な気持ちは有るが、望みはまだある。

大陸北部にある大国、セグニル帝国の帝立図書館には古い年代の本が数多く所蔵されているそうだ。

機会が有ればだけど、是非行ってみたい。


☆★☆


今は授業中。魔法基礎についての講義がされているが、正直退屈だ。

殆どツァリさんから習ってるから半分寝ながらでも答えられる。


授業の内容を簡単に説明すると――


魔法は火、水、風、土、雷、氷、光、闇の基本八系統に加え、イリヤの精神感応やレオンの身体強化等の特殊系統がある。


特殊系統は所持者が少ないものから多いものと種類が豊富だ。

身体強化は所持者が多い系統の代表格とも言える。


系統にはそれぞれ系統を表す色があり、一般に一系統のみ使える魔導師を単色持ちと呼び、複数系統を使う魔導師を複色持ちと呼ぶ。


そして、一般に確認されていない色として金と銀があったのだが、銀は天使系統と判明した。恐らく、金色は神系統だろう。


「――それでは、今日はここまでとしよう」


そう言って、担任とは別の先生が授業を終わらせる。

一授業は約50分、休憩は10分程度、この句切は全て学鈴(がくれい)と呼ばれる鐘の音色で管理されている。


ちなみに今の授業は2時限目。3時限目と4時限目は鍛練場だ。

いつものメンバー+アニューと連れ立って指定された鍛練場へと向かう。

一昨日行った所とは別の鍛練場だ。

鍛練場が一つでは流石に全生徒を捌けないので、学院内数ヶ所に存在している。

鍛練場の一周は約5キト(約5キロメートル)だ。対魔法、対物理障壁が鍛練場一帯に張られている。

鍛練場へ着くと、我等が担任のギース先生が待っていた。

いや、先生だけじゃなく――――


「よし!全員揃ったな!それでは授業を始める!今回はランニングだ!勿論!身体強化等の魔法は無しだ!いくら魔導師でも、体力がなければ貧弱な奴でしかない!」


「先生!」


「なんだ!ハインツ!」


「どうしてこの場に、ヒューイック先輩がいるんですか?」


そう、一昨日知り合ったヒューイック先輩がその場には居た。


「よう、トーヤ。話聞いてないのか?高等科との合同遠征までの実技の授業は、中等科の選抜メンバーが毎回一人一緒に受けるんだぜ」


「先生?」


「は、は、は!すまない皆!すっかり忘れていた!」


「……おい。しっかりしろよ先生」


本当にこの人が担任で大丈夫かな?

脳筋の度合いが半端ないっぽいんだけど…………


「まあ、そう言うことだ!お前ら!しっかり先輩から学べよ!」


「「「「「は~い」」」」」


元気のいい声が鍛練場に木霊した。


☆★☆


「なあ」


ある男の子が近くを走っている男の子に声をかける。


「な、なんだよ」


「俺達って普通だよな?」


声をかけた男の子が向ける視線の先の光景に、声をかけられた方は頷く。


「ああ。あいつらがおかしいだけだろ。じゃなきゃ心が折れるよ」


二人の視線の先にはトーヤ達四人とアニュー、ヒューイックの計六人の姿があった。


☆★☆


「流石だぜ先輩!この俺が抜けないなんてな!」


「そういうレオンこそ!よく俺について来られるな、驚いたぜ!」


「二人とも、テンション高すぎだって……」


ヒューイック先輩とレオン、なんとなく気が合うカモと思っていたがここまでとは……


「どっちも脳筋」


ポツリと呟かれたエリスの声にも、


「「なんだと!!」」


「綺麗に揃いましたね~」


「み、皆さん凄い体力ですね」


それは、俺達に着いて来てるアニューが言っていいセリフじゃないと思う。


「俺達は結構前から、トーヤと一緒に鍛練してるからな」


レオンが驚くアニューにそう返すと、さらに驚いた表情で俺を見てきた。

いつもの如く、その視線を無視する。

ちなみにイリヤは俺達と出会う前、健康管理の一環として毎日運動していたらしいからそれなりに体力はあった。

俺達との鍛練も半年近くやってるからそこらの同年代には負けない。


「へえー!それじゃあ後一周、本気で行くぜ?」


「絶対ェ抜いてやる!」

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