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それは青く、痛く、甘酸っぱい。

「ぶーぶー!」


下唇をそっと出しながら不貞腐れるいつかの私。

ダンボールが積み立てられ、

東雲の朝日がそっと部屋を包む


くすんと鼻でそっと笑う気配い、

猫みたいで気配がいつもしない人。


揺らぎピンチの時は

そっと肩を触れその灯りが道標になった。


小さな部屋が広く感じる、


スマホの画面には三角のマーク

届かなかった言葉の羅列。


「シズク!それ…なんとかしいっ!

もうっ、年度末で忙しいんだからっ」


小さなダンボールの手渡される。

大きな足音がこだまする


スケッチブック…ぬいぐるみ

ガラクタの様な僅かなものが揺れる



....


砂利道の旧道、揺られ空を見る

窓枠を半分だけ開けて田園を眺め、風が舞う

カタンコトン..

列車はそっと灯りを運ぶ


まだ、肌寒い風が頬を伝う。


マフラーを首に巻いて

わたしは降り立った..。


ゆっくりと歩む


駅から30分ほどの田園を超え

丘を越えると閑静な住宅街が..


白髪混じりの女性がそとで、

庭仕事をしている。


「あの…!」


リュックに入れた彼のモノ、

捨てられず持つこともできず

電車に揺られ来てしまった。


「ウォン!」


変わらずフサフサの毛並みで私に抱き付く


爛々な瞳や灯り、

まつ毛が少しだけ白くなっている


「わっ!」


リードを口に加える姿、

何処か似てるその瞳灯


まだベットもテーブルも、家具もない薄明の中、ガスポンベと共に鍋から鼻腔をくすぐる。


この子が待てをせずに食べて、

キョトンと小首を傾げ灯りが灯る


記憶の欠片がそっと覗く。




「あら..いらっしゃい」


目尻の皺、変わらない微笑みと眼差し


「紅茶、ハーブティー?」


「あ、あのっ! 手伝います」


慌てて追いかける


その背中はなんだか懐かしい。

親子なんだって..ワタシは思うよ。


色んな事があったんだね、、


ちゃんと言葉にして

歩んで ワタシは今更でも気持ちを伝えたんだ。


帰路の中、電話をする


「はいっ、突然のキャンセルで

ごめんなさい! でも…」


ペコリと、頭を少し下げながら相手に伝える。

目線を感じてハッとして左右を見て、

少しだけ頬が熱くなる


ホームの待ち時間、

リュックの中には、手作りのおにぎりと

タッパーにはおかずが入っていた。


渡された小さな梅干しが身体をそっと巡る、

ベンチに腰掛けた足が上下に揺れる。


「♬--♪ 」


懐かしい夕焼け小焼けのフレーズを

そっとなぞる。


..




ベランダから遠くに見える桜並木、川沿いの小道、


-ねぇ、運命ってどんな色?


青く、少し痛くて、甘酸っぱい


-ん、こんな音


勝手に楽器を取り出して

弾き始める。


遠い波紋と記憶。


窓辺にはハラリと

薄ピンクの花弁が舞う

虚空を掴む、

左手をそっと風が揺らぐ


ハイライトにした髪がうねる。

ヒヨドリが花の蜜を触れる


あっちはきっと、

午後や夕日が覗く


姉が呆れた顔をしたけど。

ワタシは此処が好きみたい


教職の時に一緒に飛行機に乗って、

私の父に頭を下げた記憶。


初めて自分で選び、反抗した


飲めないお酒を飲んで、ほろ酔いで夜空の下、

ベランダで父と2人で話した記憶


深夜の下で、星空を見上げる。

沈黙も今では、寒くて暖かい風なんだ。




遠いから近い、

離れてるから一瞬を想う。


ホレミタコトって姉さんにも

呆れられたけど...たまに彼の話題になる。


隠してた事を知った後にも、

別に変わらない。


何度出会ってもきっと笑って、

何処か知ってる気がして目で追って

キミと少しだけ、

一緒に歩いた気がするのも変わらない、



「コムギ、あのひと。

ちゃんとご飯を食べてるのかな?」


窓辺の子猫は大きな欠伸で応える


小気味の良いタイピングの音と、猫の気配。


まだ余温が残るコップを、

そっと両手で添える


湯気と共に見上げる空は少しだけ痛くて蒼く、

そっと薄ピンクの春の気配が寄り添った。


タイトルはそう。


「あの日、あの場所で」

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