卵泥棒
卵泥棒の犯人は?
彼はわからないと答えた
昔、よく生きていた爺さんに
「わからない」と答える人は
正直で、いい人が多いと耳にタコができるくらい聞かされた。
3日前に署に電話が入った。
養鶏場のパークストンさんだ。
「どうしましたか!」
「卵が盗まれたんです」
よくよく話を聞くと卵が3個盗まれたということを捲し立てた。田舎だからそう大した事件ではないが...
パークストンさんの養鶏場の卵が3個盗まれたのだ。
息子さんと奥さんがしっかりと数えていたとなるから信ぴょう性はある。
パークストンさんの近所の方から聞き込みをイヤイヤながら始める。皆が口を揃えていう
「レイ」の仕業と。
レイはその日、家にいなかった。いつもは家でゲームをしたり、買ってきた酒に溺れていた。
よく泥酔して歩いていたり、庭の影で用を足す姿は目撃したことはある。しかしコレといって証拠はない。
任意の質問をしてみた
「3日前の朝、お前は家にいなかった、どこにいたんだ?」
「わからない」
彼は正直でいい人だ
実際、3日前の朝に泥酔して道脇の庭に寝ているところを私は見ている
3日前の朝食は私が作った。
婆さんと娘2人はハムエッグ、私と妻はハムだけ。
朝の巡回中にとってきたのだが、3個しっかり数えているのは予想外だった。
この村の治安を守ってるんだ、たった3個ぐらい
婆さんや娘のためだから
いいようなものを
レイは正直でいい人だ