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静けさに問う

作者:
雨は、音もなく夜を沈めていた。
ぬかるむ土、ひっそりと濡れる石。
囲炉裏の残り火が、かすかに息をしている。

傘の影が、ゆっくりと近づく。
濡れた草履が土間を踏むと、
軒下にわずかな風が立った。

静かに、傘が畳まれる。
その所作は、懐かしさに満ちている。

しずくが落ちる音に、
時がふと立ち止まる。

顔を上げたその人は、
何度もこの雨を知っている。

千利休。
この静けさと火の揺れを、
幾たびも見つめてきた人。
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