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魔神英雄伝戦記  作者: さとうふみこ
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夜の騒音

ヘラクレス「何をやっているんだ!?貴様は!!」

ドク「申しわけありません。私の力不足で…」

ヘラクレス「分かっているのか!!アスカを倒さなければお前の望みも叶えられないのだぞ!!」

ドク「……」

ヘラクレス「よーし!ドク、お前は今すぐにコムギ湖へ向かい、そこにあるほこらから“変化の杖”を奪い取ってくるのだ。これは、ワルサー様直々の命令だぞ」

ドク「ワルサー様が…?」

ヘラクレス「それと、ドク。お前にはもう一つやってもらいたい事がある」


アスカ達はダンゴームを倒した後、ドクの言っていた“コムギ湖”へ向かってみることにした。その途中、チャパシティの中央にある大きな公園でアスカ達は休憩を取ることにしたが、その公園では多くの町民が昼寝をしていた。

アスカ「何で、皆んな昼寝なんか…」

しばらくすると町民の一人が目を覚ました。

ミコト「何で、皆んな昼寝をしているのだ?」

ミコトは不思議そうな顔をして町民に聞いてみた。

町民「こうなってしまったのは昆虫一族の“ギリギリッス”のせいなのよ」

アスカ「昆虫一族…!?」

町民「ギリギリッスがこの街を支配してからは、皆んなが寝静まった夜分になると公民館から大音量の音楽を流して町民の睡眠を毎日妨げているんだよ」

アスカ「何とかならないのか…」

町民「無理だよ!公民館は四六時中 ハリキントンが見張っているのよ!お願い、ギリギリッスをやっつけて!」

アスカ達は町民に案内され、公民館へと向かっていったが、案の定、公民館の入り口には多数のハリキントン達が見張りをしていた。

アスカ「ミコト。その娘を頼んだぞ」

ミコト「ハーーーーイッ!」

アスカは臆することなくハリキントン達の前に飛び出していった。

ハリキントン「貴様!ここ二何ノ用ダ!?」

アスカ「僕は“ギリギリッス”って奴に用がある。通してもらおうか」

ハリキントン達が互いに口合わせをしているところにギリギリッスがアスカの前に現れた。

ギリギリッス「お前、アスカだな」

アスカ「そうだ!ギリギリッス、お前 夜中に大音量の音楽を流しているそうだな…。今すぐこんな事は止めてこの街を去れ!」

ギリギリッス「ふんッ。お前にはワルサー様から抹殺の命が下っておる。お前を倒してほうびをいっぱいもらってやる。殺れ!ハリキントン!」

ハリキントンが一斉に襲いかかってくると、アスカは所持していた剣を構え、襲い来るハリキントンを次々と倒していった。ギリギリッスは倒されたハリキントン達を見てガッカリしたような表情をした。

ギリギリッス「アテにならん子分共め…。こうなったら俺の手でテメぇを始末してやる!出でよ!ブルダイヤル!」

ギリギリッスがそう叫ぶと巨大な敵の魔神が現れた。アスカは魔法瓶を空に掲げ白狼丸の名を叫んだ。すると、白狼丸が現れアスカは白狼丸に乗り込んだ。

ギリギリッス「現れたな!だが、お前の悪あがきもここまでだ。これを見ろ!」

ギリギリッスは自身の魔神の左腕に付いてる“ダイヤルボタン”を白狼丸に見せた。

ギリギリッス「このダイヤルボタンを押すと色んな魔法が使えるんだよ。まずは“1”だ」

ブルダイヤルが「1」のボタンを押すと火の玉が白狼丸にめがけて飛んできた。火の玉が白狼丸に当たった直後、白狼丸は炎に包まれた。

アスカ「うわちちちちちち…!!!」

ギリギリッス「へへへ、どうだ!次は“2”のボタンでお前を氷漬けにしてやる」

ブルダイヤルが“2”のボタンを押すと白狼丸の足が氷に覆われてしまい、白狼丸は瞬時にして凍ってしまった。

ギリギリッス「次は“3”のボタンだ」

ブルダイヤルが「3」のボタンを押すと今度は白狼丸の頭上に雷雲が発生し巨大な雷が白狼丸に直撃した。雷は白狼丸の頭上に落ち白狼丸を覆っていた氷は砕けたが、白狼丸自身も雷をモロに食らってしまい、かなりのダメージを受けてしまった。

アスカ「白狼丸」

アスカは弱々しい声を出した。

白狼丸「この魔神、なかなか強いぞ!」

ギリギリッス「アスカ、お前の最期が近づいてきたな。止めのダイヤルボタンを食らえ!」

ブルダイヤルは「0」のボタンを押した。すると、ブルダイヤルの体に電流が走り、火花が発生した。

アスカ「どうなってんだ!?」

ギリギリッス「しまった!!間違えて“自爆魔法”のボタンを押しちゃった!!」

そして、ブルダイヤルは爆散した。

ギリギリッス「私はバカーーー!!!」

ギリギリッスは捨て台詞を吐いて空高く飛んでいった。

白狼丸「勝手にやられちゃったな」

アスカ「マヌケな奴だな~」


その夜、ギリギリッスが居なくなった公民館は本来の静けさを取り戻し、町民達は皆 久々に深い眠りについていた。一方、アスカ達は街の外れにあるほら穴で眠っていた。そこへ、ほら穴の中へドクが入ってきた。

ドク「ヘラクレスめ。姑息な事を考えたものだ」

ドクはアスカ達が眠っている隙をつき、魔法瓶をそっと奪い取った。ドクはほら穴から出た後、

(さーて、これをどこに隠すか…。そうだ、コムギ湖の側にある森の中にでも捨てておこうっと)


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