表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔神英雄伝戦記  作者: さとうふみこ
2/9

最初の敵

アスカは先ず、長老夫婦に言われた通り、マハルシティへ行ってみることにした。今、その町はワルサーの幹部である「ブロックン」が支配しているのだ。アスカはマハルシティへ向かう途中、一人の少女に出くわした。

??「チミが救急車アスカ?」

アスカ「僕の名はアスカだけど救急車じゃない!救世主だ!」

??「あちし、ミコト・ザ・ミリス。魔法使いだよ」

ミリス家と言えば、隣国の「パイ国」に住んでいる高名な魔法使いの一族だ。

アスカ「お前が僕に何の用?」

ミコト「オババからチミの事は聞いているのだ」

ミコトは小さい頃からオババのお世話になっていて、オババとは親しく話す間柄だ。

ミコト「アスカ。あちしも着いていくね」

ミコトは遠足にでも行くような感じでいる。

アスカ「遊びに行くのとは違うのだぞ」

ミコト「分かってるって。さあ、ワルサー退治にレッツゴー!」

アスカ「勝手に仕切るな!」


アスカ達はマハルシティに向かう途中、パンカレー村へと立ち寄ったがその村の雰囲気は“どんより”していた。

ミコト「何か、皆んな暗いね」

しばらく歩いていると村人達がアスカ達の所に近寄ってきた。

村人A「あなたがアスカね…」

アスカ「そうだが…?」

村人A「やっぱり!オババさん達がウワサしてた少年だ」

村人B「『救世主』が来たからにはこの村はもう安心だ」

アスカ「一体、どういう事だ?」

村人B「今、この村はブロックンの配下の“パックン・マックン”に支配されてしまってな。奴が支配してからは、月に一度 村の食料を全て納めければならないんだ」

アスカ「ブロックン…」

村人A「村に案内してあげる。どうかパックン・マックンを……」

寄り道にはなりそうだが、ワルサーの奴らが関わっている以上放っておく訳にはいかない。


その頃、パンカレー村の中心にある館ではハリキントンによって村人達が無理矢理集められていた。村人達の前には巨大なテーブルが置かれており、その上には豪華な食事が並べられていた。

パックン「ありがたく思え!今日もお前らからかき集めた食料を美味しく食ってやるからよ…」

パックンは村人達の目の前で豪華な食事をこれ見よがしに食べていた。その光景を村人達は恨めしくみている。パックンはそれを無視して食事を一通り食べ終えた。

パックン「飯は全部片づけとけ」

ハリキ「全部食べないんですか?」

パックン「何事も腹八分目よ」


その夜、アスカ達は村人達が用意してくれた宿に泊まることになった。ほどなくして、宿の近くから男の叫ぶ声が聞こえてきた。

村人C「保存食だけでも返して下さい!それを取り上げられると家族の食いぶちが…」

パックン「何だと…!?」

村人C「他の食料なら全て差し上げますので、保存食だけは…」

パックン「なおさら、その保存食も食いたくなったぜ」

村人C「そんな〜!!」

アスカ「止めろ!!」

アスカはたまらずパックンの下へ詰め寄った。

パックン「何だ!?貴様は!」

アスカ「僕は救急車…じゃなかった。救世主アスカだ!」

パックン「ケッ!ヒーロー気取りか…。ハリキントン!ソイツを殺れ!」

そう言うと同時に、ハリキントンはアスカ達を取り囲んだ。

アスカは剣を構えたが、そこへミコトが割って入った。

ミコト「ここはアチシに任せて」

ミコトは両手を空にかざした。

ミコト「爆炎魔法!ファイヤーボム!!」

<ボカン!!!

大爆発が起きた後、ハリキントン達は全員 その場で倒れていたが、

アスカ「チョット!僕まで食らったじゃないか!」

ミコト「キャハハハ!」

ミコトは笑ってごまかした。

パックン「くっそー!こうなったら『ブリンキー』で始末してやる!」

パックンがそう叫ぶと、巨大な魔神“ブリンキー”が現れ、彼はブリンキーに搭乗した。アスカは巨大な魔神に圧倒され、一歩後ずさりした。…と同時にアスカを呼ぶ声が聞こえた。

(アスカ。魔法瓶をかざして私の名前を呼べ)

アスカが持っている魔法瓶が光っていた。

アスカ「その声は…。白狼丸か?」

白狼丸「そうだ。私の名を呼んで魔法瓶をかざせ!」

アスカは大きな声で叫んだ。

アスカ「白狼丸ーーーーッ!!」

すると、魔法瓶の中から白狼丸がアスカの目の前に現れた。アスカは白狼丸に吸い込まれた。魔神の中にはコックピットがあり、前方左右1つずつに水晶玉があった。

白狼丸「アスカ。両手に水晶玉を当てて念じろ。そうすれば魔神を思い通りに動かせる」

白狼丸に言われてアスカは両方の水晶玉に手を当てて念じ、白狼剣を構えた。

アスカ「かかって来い!パックン!」

すると、ブリンキーは白狼丸よりも太い剣を取り出した。ブリンキーはその剣で白狼丸に切りかかったが、白狼丸は剣でしのいだ。次に、ブリンキーは何度も剣を振り降ろしてきた。白狼丸は剣で何度もしのいだが、ブリンキーの剣が太い分、白狼丸は劣勢に陥ってしまい。白狼丸は片ひざをついた。

パックン「ハハハ!この剣で魔神ごと押し潰してやる」

アスカ「敗ける訳には……」

ブリンキーの優勢になったかに思われたが、

<ぐううううう

パックン「腹が減って動けないよ〜」

アスカ「ブリンキーの動きが止まった」

白狼丸「チャンスだ!アスカ」

白狼丸は剣を空高く掲げた。

アスカ「白・狼・剣ーーーーーーッ!!!」

白狼丸はブリンキーを一刀両断し、ブリンキーは爆散した。

パックン「昼間ちゃんと食べとけば…」

パックンは吹っ飛んでいった。その後、村人達はパックンの館に乗り込み、奪われ食料を取り戻した。


その光景を影から見ている者がいた。

??「白狼丸か…。早速ワルサー様に報告だな」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ