法律とは
俺が魔法を放った(何にも出なかった)あと、魔法についてと、猫耳について話した。魔法については言葉を最適化したら魔法を出せるようになった。感激である。リーベにも、なんでこんなに最初からイメージの最適化が出来てるのか不思議でならないという。普通はイメージがなかなか定まらないらしい。また、猫耳については、積極的に集めるようにして、愛家も情報に力を入れることで話がまとまった。猫耳が人として受け入れられてないこの状態がチャンスである。
というわけで、ハル、サミー、シュリセをリーベが部屋に連れ戻した。
「コウジとは今後の方針について話し合った。その結果決まったことは、お主ら4人で制家に行き法律を学んでくる事じゃ。」
ハル、サミーは了解!的な感じで割とノリノリである。それに比べシュリセはよく理解してないようだ。まぁ、いきなり連れてこられて、制家行ってこいっていうのは混乱するわな。そういえば、思想の共有とやらはしてこなくていいのだろうか?リーベに耳打ちする。
「思想の共有ってやるの?」
「出来そうなら、やって貰っても構わん。わしよりも、お主の方が制家のレヒトとウマが合いそうな気がするからの」
「ちなみに同盟とかって結んでいい感じ?」
「流石に、同盟ぐらい大きくなるなら、1度帰ってきてわしに連絡をくれ」
「了解」
とか、コソコソ話してたら、ちょっと良いですか?とシュリセが手を挙げだ。
「私の処分はどうなるのでしょうか?それと、制家に法律を知らない状態で行ったら、非常に不味いことになってしまうのですが法律を知っていらっしゃるのでしょうか?」
リーベはちょっとむっとしてる。まぁ、敬語嫌いな人だからな。でも、シュリセはタメ口を知らんのだから仕方ない。
「ふむ、お主の処分は今後決まる。お主の処分を決めるために法律を学びに行くようなものじゃからの。」
割と残酷な話だなぁって思った。
「それと、法律のことは全く分からん。どっかの商人あたりに聞こうと思ってたけぇの。何やら、法律を知ってる様子じゃな?」
シュリセは少しだけと言いながら、法律がどんなものかを説明する。
「制家は全て法律に乗っ取って運営されているらしいです。制家の法律はあまりにも複雑過ぎて分かりずらいのですが、私達の1番気をつけなければならないことは、敬語で話さなければならないということです」
あ、制家も礼家と同じように敬語を使うのか。てか、敬語を使わない愛家の方が珍しいのかも。
「水家も敬語使わないよ?」
へぇーそうなんだ。サミーありがとなって、え?めっちゃ心の声読んどる。
「いや、顔に出てたよ」
そうか。なら仕方ない。
「続けますね。制家は法律があるが故に身分差がそこまで酷く無いと思われがちですが、全く違います。むしろ、礼家より厳しいかもしれません」
「何ぃ?」
リーベは顔を顰めた。元々礼家のアンチテーゼとして愛家はいるからな。リーベがちょっと怒るのも無理は無い。
「法律はそれぞれの身分ごとにあります。誰もが同じ法律ってわけじゃないんです。」
ええぇ?一体どういうことだってばよ?法律って公正が第1原則じゃないのか?これにはハル、サミー、リーベも驚いている。やっぱおかしいことなんだよな。
「ふむ。全く他国の情報を仕入れないのがあざになったな。助けに行った時、誰も私に感謝しなかったのは、もしかしたら法律が関わってきてるのかもな。レヒトは一応感謝の念を送りにきたからのぉ」
感謝されてなかったんだ。感謝はめちゃくちゃ大切だから、した方がいいと思うぞぉ〜。
「身分は主に5つに区分されます。農民、職人商人、兵士、政治家です。それぞれの役割にあった法律が与えられてます」
ハルは分類なんて良くないよねと思ったが、口には出さない。代わりに質問した。
「私達は何に分類されるの?」
「私達は商人に分類されると思います。基本的に外から来た人は商人に分類されやすいです」
商人に分類されるのは少し違うとリーベは思った。どちらかと言えばわしらは政治家に近いだろう。思想について話し合うならどちらの方が都合が良いのか知りたいので聞いた。
「政治家と商人ならどちらの方がレヒトと会った時に待遇が良いのだ?わしなら、手紙を送れるからお主らを政治家扱い出来ると思うぞ」
そうですね、とシュリセは悩んだが
「いえ、商人の方が良いでしょう。商人は他国からの人も想定されているため、少し緩さがある印象です。政治家は行動が相当制限されると思います」
「分かった」
法律とはとても難しいのだなとリーベは思っている。だが、俺はやっぱ違和感が拭えない。法律がちゃんと法律として機能出来てるのか気になるところではある。別に法律専門家とかでは無いが、俺が自分なりにアレンジして愛家に導入するしかないだろうと思った。流石に、制家の法律は愛家には合わない。
とりあえず、今の話を聞いて思ったことは、まず法律を知らなきゃ話になんないこと。サミーとハルに敬語を覚えさせること。この2つかな。重い腰をあげないとだな。
「とりあえず、俺らは法律について知らなすぎるから、シュリセからもっと詳しく聞いて、覚えとかないけない。そして、サミーとハルは敬語の勉強をしなきゃだな。制家にはいつ頃行く予定なんだ?リーベ」
「2日後だ」
「2日後ね、おっけ〜。って短くないか?なんでそんな急なんだ?2日間が勉強出来る内容にも限りがあるぞ」
「ハルとサミーは貴重な戦闘力だ。月が変わるとゲコー害が起こる可能性がある。その時期までには帰ってきてもらわなければならぬ。」
ゲコー害か。前に聞いた奴だな。デカくてキモイカエルが何もかも食い荒らすやつ。
「そんなにゲコー害って被害が大きくなるのか?」
そんな疑問に、ハルが少し呆れたように見えた。え、俺の疑問が変すぎたのか?
「ゲコー害は何度も国を滅ぼすほど凶悪な害なんだよ。どこの島でも起きてると思うけど、ほんとにどんな島から来たの?」
「とりあえず、あのでかいカエルは居ない島からかな」
「あれほど怖いものは無いよ。緑から茶色になったカエルがめちゃくちゃ大きな群れを作って移動するんだから」
ハルがゲコー害の恐ろしさに震えていると、とりあえずとリーベが言う。
「話はまとまったな。2日間の間、コウジとシュリセは法律の勉強、ハルとサミーは敬語の勉強だ。それでいいか?」
みんな頷く。
「うし、じゃあこれにて解散!腹が減ってきたからの。上手い飯でも食おうじゃないか!」
というわけで、食事することになった。出てきた食事はカエルの刺身だった。なんか寄生虫が居そうで、あんま味わって食べなかったが、淡白だったのは覚えてる。