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戦国思想 現代思想でチート無双  作者: Aみんみん
第1章 違いの理解
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異世界とは

めちゃんこ処女作です。なので、こっちの表現の方がいいよぉ〜とか、描写足りてないよぉ〜とか意見をくださると幸いです。

「先生〜、最近学校で流行りの言葉の意味を知りたいんだが」


俺は授業終わりに先生のもとへ駆けつけ質問した。もちろん、目上の人なので敬語である。


「いや敬語になってないよ」

「表面上の言葉に意味なんてないだろう?心の中ではちゃんと敬ってたんだからいいじゃないか」

「心の中で思えてるなら、態度にも現れると思うのだがね。孔子もそう言ってたぞ」


呆れながら先生は言った。


「話を戻すけど、最近流行りのやつ」

「あぁ、"神は死んだ"ってやつだな。宿題を出すと、みんな口揃えて言うようになっちゃったんだから」


髪をかき、呆れながら言う。クラスの陽キャが宿題に対する抗議の言葉として使用したら、クラス中に広まり全生徒が使うようになってしまったのだ。今どきの高校2年生はこういう言葉が好きなのだろう。


「まずこれって誰の言葉だったっけ?」

「ニーチェだ。」

「どんな意味だ?」

「ん〜、そうだな、簡単に言えば、この世界に神がいないことに気づいたんだから、生きる意味を自分で見出して行こうぜ!ってことかな」


少し悩んでからそう言った。めちゃくちゃ噛み砕いて説明したが、そんなに間違ったことは言ってないだろうと先生は思った。


「ふぇー」


それに対して情けない声で返した。そうなんだ以外の感想は出てこなかったのだ。聞いといてなんだが。




「ただいま〜」


学校から帰宅した俺は、ワイシャツ姿から着替えることなくリビングへ向かった。

「おかえり〜」


母の出迎えの言葉を聞きながら、リビングの椅子に座る。夕食はラップに包まれてテーブルに用意されていた。母がご飯を持ってきてくれたので、


「いただきます」


全ての命に感謝する言葉をのべ、食事を頂く。ほんとに感謝しているか自分ではよく分からないが、言わないよりかは、言った方が良いだろう。うん、美味しい。


「ご馳走様でした」


作ってくれた人へ感謝する言葉を述べた後、カレンダーを見て予定を確認した。そういえばあと数日後に、クラスのハロウィン仮装パーティーがあるらしい。仮装するのは恥ずかしいので、仮装せずに参加するつもりではあるが。ちなみに、本来のハロウィンは随分ホラーなものらしい。それを日本流に改良して今の日本のハロウィンになったとか。いいとこ取りというか、受け入れ力が強いというか、そういう所は凄いなぁって思う。こんな風に日本に感心してたところで、


ピンポーン


突然インターホンがなった。多分宅配であろう。カメラで見ると緑の服の男性がダンボールを持って立っていた。予想的中である。


「コウちゃん出といて〜」


母が頼んできたので仕方なく、はーいと答えてから判子を持ってドアを開けた。ガチャ。そして目を見開く。




「…………え?」


それは、あまりにも唐突過ぎた。目の前に草原が広がっていた。真緑な草原ではなくちょっと黄色っぽい草原。普通は道路があるはずだ。目を擦ってみる。やっぱり草である。急に不安が襲ってきた。すぐ戻らないと。これ、やべぇやつだ……!振り返る。ドアノブを掴んでた手は、そういえば、何もつかんでなくて。人工物なんてなくて、壮大な自然が映し出されていた。





あ、判子落としてた。






まぁ、まぁ、落ち着け俺。クールで、パーソナルな、人間じゃないか。俺って。うし、まず状況整理だ。まず、今、俺は尋常じゃないほど汗をかいている。アニメとかで使われる汗の表現が現実で起こってる。ほら、俺のワイシャツと下着がこんなびちゃびちゃに。めっちゃ下着透けてんじゃん。おもろw。冷静沈着な俺なら分かる。全身から、穴という穴から汗が湧き出していることが。あと、心臓が現代流行りの曲のBPMの5倍は動いていること。ちょっと最近太って来たなって思ってたので、代謝が良くなるのはありがたいな。っていや、自己分析は要らねぇんだ。周りを見ないと。でも、ちょっと疲れたな。一旦座って深呼吸しよう。そう思って、胡座をかく。


「ふぅーーー。はーーー。ふぅーー。はーー」


うし、随分冷静になってきたぞ。まずは帰る方法を探そう。ん、でもスマホもねぇ、道路もねぇ。田畑も人もひとつとねぇ。え、どうすんの?俺どうしたらいいんだ?家族は?友達は?もう会えないのか?うわぁ…

また悲しみに暮れていた考子の前に何かでかい生き物が近づいてくる。だが、考子は気づけない。焦ってたら周りが見えなくなるタイプなのであった。(ゲコー、ゲコー)あと、受験勉強だ!受験勉強がそろそろ始まりそうだったのに!ん?回避出来たから、これはいい事なのか?ゲコー、ゲコー。他にも!彼女ができた時の初デート、ボルダリング計画はどうなっちまうんだ!?ゲコー!ゲコー!


「ああ!もう、さっきからゲコゲコうるせぇーな!」


やっと考子は気づけた。近くにカエルがいるのか?そういえば、カエルの声が近所迷惑とかそんな問題になったことがあったよな。懐かしい。まぁ、慌てても仕方ないか。とりあえず、状況を確認しないと。おっと、ずっと考え込んでて下向いちゃってたな。うし、まずは顔を上げて未来を見よぉ…… ん?カエルみたいな足が見えんな。あぁ、さっき鳴いてた奴か。いや、待て、見上げる途中にこの足を見つけたから、今俺は座りながら下斜めを向いている。つまり、このカエル?でけぇってこと。次に正面を見てみる。うぇー、結構生臭いんだな。大きな白いお腹がヌメヌメしてる。うし、最後に上を向いてみよう。へぇー、目はなんかキモいし、なんと迫力のある平べったい顎だこと。カエルは確か肉食動物。ハエとか食ってるもんな。そして、このカエルは異様にでかい。…………とにかく逃げろぉぉ!これまず


「ゲコォォー!」


逃げようとした瞬間赤い舌が伸びてくる。すぐ動くのは、このカエルを刺激する行為だったのか。失敗したぁ。あぁ、今思えば俺の人生って幸せだったな。友達とよく遊びに言ってたし。「ドンッ!!」家族とも旅行したし。美味しいラーメン屋を巡ったし。YouTubeとかテレビとか娯楽に溢れてたし。さらば現世!




ん?まだ死なないな。あぁ、これが走馬灯って奴か。確か死ぬ直前は思考の回転が上がるんだったな。いやぁ、生きてる内に体験出来るとは思わなかったわ。まぁ、もうそろそろ死ぬんだけどな。ガハハw


「おい!」


ん?なんかダンディーな声が


「聞こえてるかー?おい!」


「は、はい!」


たっ助かったのか!?運がいい事この上ないぜ!変な所に来ちまったが、ここは多分日本国内。だって日本語話してるもんな。じゃああのカエルは?まだ見つかってなかった新種か?まぁ、キリンの方がでかいし。でかいカエルがいても不思議じゃあないよな。うんうん。とか、思ってたら剣の先を自分の顔に向けてきた。


「下手に動いてくれるなよ?」


「分かりました!ぁ?」


え?随分きらびやかな甲冑を身につけた、いかにもリーダーですって感じのやつ、なんで剣を向けるんだい?いや、助けてくれたんじゃないのかよ!ん?いや待て。冷静に考えて見れば簡単に分かることじゃないか!甲冑、ということは、多分ここは中世ヨーロッパ辺りってことだ。つまり、俺は日本のどこかに急に移動してしまったと考えていたが、そうじゃなくて、中世ヨーロッパの世界にタイムスリップしたってことだ。で、中世ヨーロッパの世界で、このワイシャツ姿はあまりにも異質じゃないか。きっと外国人辺りと勘違いされて、警戒されているに違いない。うし、ここは下手に動かない方がいい。とりあえず両手を上げ


「動くなと言っただろう?」


ひ、ひぇー!こ、こいつ首に寸止めしてきやがった!民間人がお前に対して何も出来るはずないだろ!?そりゃ酷いぜ。まぁ、ここは日本とは別の場所。両手を上げることが最善手じゃなかったかもしれないな。これが文化の違いってやつか。だめだ。もっと考えて行動しないと。いつ殺されてもおかしくない。展開が急すぎて焦ってたみたいだな。おっ、多分仲間だと思われる男の兵士が、縄を持ちながらこっちに走ってきた。なるほど、縛られるのか。痛くしないでね。うお、口にまで巻くのか。苦し。



「シュタール様、これは」



兵士は、考子の変な格好に驚きながらも、縄で縛って、リーダーらしき男に話しかける。


「多分、生き残りだ。生贄にしろ」


ん?生贄?生贄、生贄!?え、じゃあ殺されるじゃん!てか、生き残りってなんの事だよ!まずい、考える前にもう手遅れだったのかもしれない……!


「では、これにて」


兵士がそう言うとシュタール様と呼ばれた男は歩き出し、俺は兵士に縄を引っ張られ歩かされる。


さっきから、焦りすぎて疲れたな。


生贄かぁ。なんの生贄なんだろうな。生贄に関する知識は全くもってないが、それに近い、魔女裁判ぐらいなら聞いたことがある。たしか、悪魔に騙されてる人間を処刑する裁判だ。このぐらいの時代だと、こういったオカルトチックな話も馬鹿にならないんだろうな。





数分歩かされ、ちょっと疲れてた所にまたイベントが発生した。


兵士の背中に頭をぶつける。

痛っ。

なんだよぉ。急に止まんなよぉ。何が起きたんだ?兵士の後ろからぴょこっと顔を出す。そして、止まった原因を理解した。


「お主たち、何をやっとるんじゃ?」


随分貫禄のあるおばちゃんが立ち塞がっていた。おばちゃんは杖をついていて、黒と白のローブを着ている。兵士の顔が強ばる。


「貴様、守家のリーベだな?」

「いかにも」

「目的は?」

「自分の心に聞きな」

「そうか」


兵士が剣を構えた。いや、展開早すぎだろ!もっと対話を心がけようぜ?自分の意見を主張したくなっていたら、兵士の体がちょっと光り始めた。もしかして、魔法か?つまりここは異世界。何となく分かってた。今考えたら、ヨーロッパにタイムスリップして日本語が通じるわけないよな。まぁ、そんなことより、初めて見る魔法に興奮している。一体どんな魔法を……!





「身体よ。強くなれぇぇぇー!!」


兵士は突撃した。


いや、ダサ!!もっと他に詠唱あるだろ!?もし、口に縄が巻かれてなかったら、大声でつっこんでいただろう。


それに対し、おばちゃんは冷静に対処する。杖の先端が黒く光る。


「黒よ。導け」


突っ込んで来た兵士を難なく避け、先端で首あたりをちょこんってした。兵士はそのままばったりと倒れ、動かなくなった。


随分あっさりと終わったな。激しい戦いを予想してただけに、あっけに取られていた。おばちゃんがこっちに来る。


「黒よ。切れ」


縄が全て外れた。とにかく感謝しなければ。


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