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歴史転換ヤマト  作者: だるっぱ
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雪山登山③ー登山口

 僕の旅の相方は、20年来の付き合いになるスーパーカブ。1日に350kmも走るという強行軍にも付き合ってくれる頼もしい相棒になります。例え向かう先に雪が積もっていたとしても……、雪か~、どうしよう。タイヤチェーンを装着すれば走れなくはないのですが、なんか気乗りしない。ジャラジャラと音が鳴って、乗りにくそうだし。もし雪が積もっていなかったら、ただの荷物になるし。というわけで、モームセンターで売っている、一番太い結束バンドを持っていくことにしました。


 2025年2月23日は、比較的天気が良い1日でした。寒波到来の最中でしたが、青空が見えます。奈良県の紀ノ川を渡るまでは、雪の影響はありませんでした。国道309号線を走り天川村に向かいます。国道は山の間を分け入り標高を上げていきました。つづら折りのカーブを曲がっていると、道路の脇に雪の堆積を確認します。タイヤに結束バンドを巻きました。ただ、国道なだけに車の往来が多い。アスファルトの上に雪が積もり始めましたが、そこにタイヤに踏みつけられた黒い轍が伸びています。その雪が溶けた轍の上を走っていれば安全でした。


 天川村に至る長いトンネルを抜けると、そこは雪国でした。山も村も真っ白。道路の轍も溶けていません。いよいよ結束バンドタイヤが活躍する時です。スピードを落として、両足を投げ出しました。転倒防止の補助輪代わりです。

 ――やっぱりタイヤチェーンが必要だったかな~。

と思いましたが、案外と走れました。目的地である天川村役場に向かいます。


 白い雪道を走り橋を渡ると、前方に役場が見えました。役場に隣接したグランドは真っ白。子供たちが、ソリを持ち出して遊んでいました。のどかな風景。祭日ということもあり役場は休みなのですが、登山客はこの駐車場に無料で車を停めることが出来ます。僕も、スーパーカブを停めました。


 時刻は10時前。役場の駐車場には多くの車が停まっていました。多分、全て登山客です。一般的な登山スケージュールなら、日の出前後にここを出発して山に登ります。僕の場合は、山の中でテント泊をするので、ゆっくりとしたスタートでした。雪除けのゲイターを装着したり、折りたたみのストックを伸ばしていると、一台の車がやってきました。車から降りてきた男性が、僕と同じように登山の準備を始めます。僕の方は準備が出来たので、出発する前にトイレを済ませました。再びスーパーカブを停めてある場所に戻ると、その男性は出発した後でした。


 僕もザックを持ち上げて背負います……が、かなり重い。それもそのはずで、中にはビールと日本酒とウィスキーが入っています。晩酌の為の万全の備えになりますが、かなり欲張りすぎました。歩くたびにザックのベルトが肩に食い込みます。アイゼンはまだ装着しません。ザックのベルトに挟んであります。雪道ではありますが、登山靴で歩けなくはない。歩けるところまで、アイゼンなしで歩くことにしました。役場から500m程歩くと登山口に到着します。そこに登山届を入れるポストがありました。雪山の中で一泊するスケジュールを記載した登山届を投函します。さて、いよいよ冒険の始まりです。興奮してきました。

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