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ある高校生冒険者のAdventurer's Report ━あるいは陰キャ型高校生が彼女を作りたかっただけの話━  作者: 適当男


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page.32 僕らが新聞部になった理由

場所が場所なので、全員一旦生徒指導室に移動することになった。

こんばんわ生徒指導室、もう二度と会うことは無いと思っていた君にこんなにも早くまた会えるとは思ってもいなかったし、会いたいとも思わなかったよ。


部室にやってきた教師は新聞部の顧問で国語担当の文章ふみふみ 読子よみこ先生であった。教師になったばかりの初々しさと黒髪ロングヘア、若干の小動物気質が人気の女教師で、個人的な補習を受けたい教師ナンバーワンの座を獲得しているとか。(鍵留調べ)


部屋に入ると早速取調べが始まる。

当時の新聞部を傍から見た図式は、自称:いたいけな先輩(♀)が一人で居る部室に最近評判の悪い後輩含む(♂)三人が因縁を付けに来た構図である。

ウ=ス異本とか二次元戦士E・ロマンガーシリーズとかにありそうな構図なのが実に心象に悪そうである。

ボクは良い子なので何のことだか分からないが。(棒

幸い撮影・録音の物証により、忌まわしき疑いは晴れたが無ければどうなっていた事か。

取調べは早々に終わり、事態の収拾をどの様に付けるかOHANASHIAIに移行する。

 とはいえ教師のいる手前、心を折る様な事は出来ないので、ここは最低限の要求で。

「……こちらとしては、前回の記事の訂正・謝罪文の掲載および今後このような極めて不名誉な印象を与える記事の作成を止めて頂きたい所です。金銭・物品による賠償は求めません」

「ええ、訂正・謝罪文の掲載は勿論問題ないわ。今回の記事の件も朝陽ちゃんに注意して、小野麗尾君に一緒に謝りに行こうと思っていたのですから。記事の作成も私が今後はちゃんと監修します。今まで朝陽ちゃんはキチンとした新聞を作っていたから任せていたのだけど、私がちゃんとしていれば今回の様な事は起こらなかったわ。本当にごめんなさいね」

「……いえ、しっかりと対応していただければそれで結構です」

「ありがとう、小野麗尾君は優しい子なのね」

 そう言って頭を撫でてくる。

ヤメロォ! そういう事されるとストライクゾーンから外れていても惚れてしまうやろ!

 ……あの、惚れてもいいでしょうか?(真顔

「あら、ごめんなさいね。つい親戚の子にするようにしてしまったわ」

 あ、髪の毛越しにも分かるスベスベの温かい指先が離れていく。だめぇ、止めないでぇ!気持ち良いのぉ!

  舞日先輩が前に立ち、

「本当に申し訳ありませんでしたっす。訂正・謝罪文の記事は今日明日で何とか書きあげるっす」

「……ふざけた内容でなければ、もうそれで良いですよ」

  よし、一騒動起き掛けたが何とか決着だな。

  今日はこれで……

「あー、でもこれで新聞部ってかなり危険なんじゃ? 問題起こしたって事で今年部員が入るか分からないし」

  池流? 何を言い出すんだ?

「それは、しかたないっす。私が、悪いから……」

  ぐすっぐすっとまた泣き出しそうになる舞日先輩。

「つまり、問題はまだ解決されていないってことだな。このままだと先輩がまた暴走しかねないし」

「さすがに、今回の様な事はもう起こさないっす。でも信じて欲しいとか迷惑かけた自分にはとても言えないっす……」

「新聞部の問題が解決されない限りはまた同じ様な問題が起きかねない、それが俺の懸念だ」

「それで池流殿、わざわざそれを言い出すのはどういう積もりですかな?」

「なーに! 簡単な事さ! 新聞部の部員不足も解消でき、こんな問題が二度と起きずに俺らも安心して学校生活を過ごせる解決法を俺、いや俺達が提案できるってだけだ!」

「おい、池流。今嫌な閃きがあったんだが、まさか」

「はっはっはっ、さすが守。鋭いな! そのまさかだ! 俺達が新聞部に入れば良いんだよ!」

「「な、何だってー」」「でござる!」「っす!」

  中々息が合っているな君ら!

「へい、へい。池流、鍵留こっちカモン」

 少し離れて、

「どうしたんだ池流。まさか先輩か先生でも狙っているのか?」

「今から部活動に参加。何を企んでいるのでござるか?」

「二人とも良く分かっているじゃないか。いいか、よく聞け。これはチャンスだ」

ニッと悪い顔をした池流が、

「一.先輩はともかく、ふみふみちゃんとお近づきになる大チャンスゲット

 二.今回の件で新聞部を支配、学園に自由に情報を流せる立場をゲット

 三.取材と称して女子に話しかける自然な流れをゲット

 四.来年の一学期から後輩ちゃん確保大作戦の発動フラグゲット

 どーよ、これだけ理由があるんだが」

「……一はともかく二から四は、確かに」

「後輩…… シチュエーションが良いでござるな……」

「どーよ、良くね?」

「うーん…… まぁ、悪くは無い、か?」

「ふむ、実働として池流殿が文化系と一般生徒担当、守殿が運動部系担当、拙者が教師と集計データの取りまとめ担当で行けそうですな」

「早いよ鍵留。 ……おいまて、何で俺が運動部担当なんだ。新聞部はお断りなんだろう?」

「ネタを貰えるかは別として守殿には、この間の死合の件をキッカケに切り込める大きなアドバンテージがあるでござる。池流殿と拙者は特に彼らとの接点が無いですゆえ。負担を掛けるとは思いますが、いかがですかな?」

「……」

 かなり悩ましい。正直、取材とか嫌なんだが。だがまぁ、こないだの投資に昨日の件、二人に結構な借りも作っているし、そろそろ負債を返しておかないとなぁ……

「まぁ、そういう事ならしゃーないわな。話聞けなくても勘弁してくれよ」

「おお、引き受けてくれるのか! よっしゃ、文化系女子の情報集めは任せておけ! バッチリ調べ上げるぜ!」

「くそ、コッチは基本ゴリラどもを相手にしなきゃならなくなるというのに……! 女子マネに良い子がいる様に祈るしかないか」

「出来ましたら女子の運動系も守殿に」

「いよいよ俺が本気を出さねばならない時が来たようだな!」

「守は現金だなぁ」

「やる気があるのは良い事でござるよー」

 現新聞部構成員の元に戻り、条件付きで新聞部に入部する事を告げると、二人は驚いた後で大喜びした。

実に、素直な反応である。チョロイ物よのぅ クックックック……

心の中で悪い笑みを浮かべていると、感極まった文章先生に抱きつかれて頭を撫でられた。

くっ、ナデナデになんて…… 絶対に負けない!!!

(五秒後)

だめぇ! そこ弱いのぉ!! 弱くなっちゃったのぉ!!!


池流と鍵留も同じ目に会い堕ちた様子を見て、チョロイなおれらとおもいました まる

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