page.142 大日本帝国冒険者頂点決闘祭 後
日曜の朝一でノリとテンションの赴くままに1時間で書き上げた故。
やはりメンタル……メンタルが全てを解決する……!
音楽室のピアノで楽譜に載ってた”月光”を弾けるのが誰もいなかったから、
代わりにうろ覚えの”アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク”を俺が弾いたり、
「譜面通りに弾けええええええ!!!!!」
とか叫んで何処からともなく現れて襲い掛かってきた喰人鬼を皆で囲んでボコしたら体育館の扉の鍵を落としたり、
何故か存在した校長室の書棚の仕掛けを解いたら、
これまた何故か存在した隠し金庫を実家が鍵屋の冒険者が開けたら中に中身が半分位千切れた謎の日記が出てきたりして、
御城に戻って、
じゃあ次は何処に行く?
となって、間髪入れずに
女子更衣室!きっと隠しカメラとか仕込まれているから皆で確認しよう!
とか抜かしたアホを皆でシバいて、
体育館、ヤバクネ?
うん。ヤバソう……
推定:児童遺棄所と化していただろう体育館の現状調査が挙がったので、
偵察できる何かを持ってる人~
となって、誰も持っていなかったので、城の中庭に出て、中継用の大画面モニタとDM社謹製最新型準自動偵察ドローンを準備した。
持ってて良かった、企業取引
皆が随分と羨ましがっていたので、
「皆もDM社と企業提携すれば、これくらい融通してくれるよ!」
と親切めいたアドバイスをしたら。
「「「できるかあああああああああ!!!!!」」」
と、喜びの雄叫びを上げていた。
偵察範囲等の条件設定をササッと済ませ、偵察開始をポチッとな。
そしてシュイイイイイイイイインン、とかなりの静音仕様で飛び立ったドローンが体育館2階の窓から映した光景は
児童が変生したと思わしき餓鬼の群れと、大人が変生したと思わしき喰人鬼の一団が互いを、
或いは同集団内ですら喰らい合うという、飢餓地獄もかくやという地獄絵図そのものだった。
奥の壇上は暗くて見え難いのだが、大きな個体が居るっぽい。ボスか……?
俺にとって地獄風景なぞ(何故か)見慣れた物だが、他の冒険者の皆はそうでもないようで、
「ヒデェ……」「何コレ……」
と漏らしたきり、絶句している。
「えー、皆さんのメンタルが何故かダメージ入っているようですが……
突然ですが!炊き出しを始めまあああああああす!!!」
召喚ゲートを開くと中からクソデカ深鍋を担いだソルジャーアントを筆頭に鍋の具材を運び込む蟻の列がゾロゾロと。
体育館入口から少し離れた場所に簡易竈を築くと、火を付け鍋を乗せ、水を入れだし汁を作ると、人間基準で一口大に切り分けた各種具材を放り込んでいく。
「あの、これは……」
「ああ、インセクトハイブの皆に規格外品の農作物の提供や調味料の作り方を教えたら、最近調理概念を覚えてね。単品も作れない訳じゃないけど、量を求めるからスープとか鍋物の質が随分と高いんよ。」
「いや、そうじゃなくて」
「食べて大丈夫かって?大丈夫大丈夫!関係者皆口にして今まで何も起きてないから!」
「ほら皆、体育館の扉を開けて、煽いで香を送り込んで!」
作業を始めて1分もしない内に中から数百体の団体様が、
「「「喰わせろおおおおおおおおおお!!!!!」」」
ご到着。
「はーい、はいはいはい。食べたい人はこっちに並んで!ほら一列に!
噛みつかない!肉が食べたきゃ、ちゃんと鶏肉のツミレが入っているから!」
「ウメ、ウメ」
「(ちゃんと並びなおせるなら)お代わりもいいぞ!」
「そこ、鍋に飛び込もうとしない!」
「オカーサン、帰りたい……帰ってオカーサンのご飯が食べたいよう……」
何体かのモンスターが仮初の身体を失い、その場にソウルが残る。
召喚ゲートを再び開き、
「志子ちゃん!淡姫ちゃん!」
「やっと呼んだわね!遅いわよ!!」
「御用でしょうか?」
散らばっているソウルを指差して、
「皆連れて行って!ヤマさんには俺から子供達には情状酌量の余地大なりだから餓鬼道・畜生道は勘弁したって、って伝えといて!」
「しょ~がないわね!」
「はい、すぐに!」
二人が動き出したのを見て、何か呆然としていたり、列に並んで鍋を貰おうとしていた冒険者の皆に向かって、
「雑魚のお掃除は終わったぞ!体育館に乗り込めー!」
「ええ……」
「今鍋食べるのに忙しいからチョット後で……」
ノリ、悪くね?




