page.117 閑話 学食の運営を決めるだけの話
「レッディース、エ~ンド!ジェントルメン!!!
本日は翌亜流高校冒険者部部室棟へお集まりいただきありがとうございますっす!!!」
部室棟地下3階の特設ステージ上にて舞日 朝日がマイク片手に呼びかけると、
ウワアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!
と、絶大な反応が。
「いや~、いい反応っすねぇ!皆そんなに学食欲しかったんっすねぇ!」
「購買で買う・弁当を持ってくる・外で食べる以外に選択肢が出来ますからな!」
合いの手を打つのは二路 鍵留。
「それでは時間も来たから始めましょう!
第一回!!!冒険者部部室棟食堂運営権争奪料理バトル!!!!!
イエ~~~~ッス!!!」
「呼んだ?」
突然現れたジョニデ似のロンゲのお兄さんに声を掛けられたけどそれはソレ、これはコレの精神ッス!!!
「バトル内容は簡単に言いますと、お集まりの皆さんによる投票数を競いますぞ!!」
「参加者が用意した運営時の提供予定の料理を食べて、イイネ!と思った料理のお皿の裏に貼りました投票券に記名の上でコチラの投票箱に入れて頂きますぞ!同じ料理は一人一票のみですぞ!!」
「それではルールの説明が終わった所で参加者の紹介に移るっス!」
「エントリーナンバー1!
代々の翌亜流高校の子供たちの身体はワシのメシが育てた!
運動部員のヤロー共が親の顔より見たこのオヤジ!!
白須等商店街の一角にその店はある!!
”中華の白須等”店長! 柴田 李さんっス!!!
」
白髪混じりの短髪がギラリと光る頑固オヤジがステージの上で腕を組んで仁王立ちしてふてぶてしくニヤリとする。
「続いてはエントリーナンバー2!
その小遣い、外食で使う?ハイクを読め。貴様の小遣いが天に還る時が来たのだ!?
夕食の御残しは許しません!!
翌亜流高校PTA会有志の奥様方が今、立ち上がる!!!
飯所『オカン』、ここに在り!!
生徒の母親達(主に運動部の)が、前に出て自分の子供達を睨みつける。
「さらに続いては、学校内の活動なら私達が譲る訳にはいかない!翌亜流高校には冒険者部以外にも部活はある!!
飲食店のバイトで磨かれた実力を今こそお見せしませう!!
「家庭科部調理実習班実社会実践派」の皆っス!!!
」
2・3年生の生徒を中心に構成された学生の一団が一斉に頭を下げて、「よろしくおねがいしま~す!」
と言う。
「最後はやはりというか何と言うか、冒険者部にあの部長が関わらない訳はなかったっス!
小野麗尾興業食品部、『黄泉国江戸処』『譜阿洲戸風弩』の皆さんっス!!!
」
「べらんめぇ!こちとら大江戸八百八町の江戸っ子共の空きっ腹を200年間満たしてきた生粋の大江戸飯所でい!」
べらんめぇ口調で述べるのはねじり鉢巻きを額に巻いた丁髷頭の親父(死者)であった。
「なぁ、今部長って……」
「あぁ、北海道に……」
「あー、部長から連絡があってな。下手すると二学期にも帰れそうにないから先に進めてくれって事で運営決めを行う事にした」
「こっちの人は伊邪那美様が直接連れてきてな」
「うむ…… 黄泉神としてはこの様な事はあまりしたくなかったのじゃがな。
婿殿が利益のゴニョゴニョ%を妾の小遣いにして良いとまで言うのであれば、のぅ……」
……それで良いのか、日本神……
その場にいた全員の気持ちが一つになった瞬間であった。
翌亜流高校家庭科部 創立以来の歴史を持つ翌亜流高校伝統の部活動
調理実習班
花嫁修業班
家政婦勤務班
の3班に分かれ、それぞれ
食の道を究める
学生結婚を目指す
家事手伝いのプロを目指す
と、目的が分かれている。
今年は花嫁修業班に大型新神が加わったとかどうとか。
同時期に家政婦勤務班に大漁のワチャワチャしたのが出没するようになって可愛がられているとかどうとか。




