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008:Sランクのオーラ①(追放サイド)


 ~パフ視点~




 私は新米冒険者のパフといいます。


 今日からSランクパーティ『黄金の薔薇』(ゴールデンローズ)に新しく加入することになった補助魔術師です。


「はじめまして、魔術師のパフと言います。補助系統の魔術を専門にしています」


 一目見た瞬間に分かりました。

 王国でも注目されているという今一番勢いのあるSランクパーティ『黄金の薔薇』……その凄さに。


 全員がすさまじいオーラを放っているのです。


 補助を専門としてきた私には、いつの間にかその人の戦闘能力みたいなものが分かるようになっていました。

 魔術師は魔力を感じるから分かりやすいのですが、そうでない戦士系も今の私には力量が見抜けます。


 私の秘密の特技みたいなものです。


 私はそれをオーラと呼んでいます。

 筋肉量や魔力量、身体能力や身のこなし、洞察力……そういった全ての総合戦闘能力のようなものがオーラには表れるのです。


 そんな私の眼で見ても、目の前のメンバーは全員が凄まじく強いと分かりました。

 それくらいの桁違いのオーラなのです。


 私はまだまだ新米の冒険者で、これまで組んだ仲間たちも似たようなものでした。

 ですが、ギルドなどで高ランクの冒険者を見かける事はあります。


 それでも、今までにこんなオーラは見たことがないのです。


 やっぱり『黄金の薔薇』はすごいパーティなんですね。

 こんなすごいパーティに私なんかが加入できるなんて……。


 なぜ新米の私がSランクパーティに入れたかと言えば、単純に私のレベルが高いからです。


 両親ともに高レベルの魔術師だった私は子供の頃から英才教育を受けてきたました。

 それにダークエルフという種族そのものが魔術を得意としていますからね。


 だから私はまだ若いけど、魔術師としてのレベルはかなり高いところにまで到達できたのです。


 それとあと1つ付け加えるなら、補助魔術を専門にしている魔術師が珍しいからでもあると思います。

 実際、まだ他のパーティに所属していた私を見つけて声をかけてくれたのは、Sランクパーティのリーダーであるトランさんの方からだったのですから。


 このパーティにはあと1人、雑用係で荷物持ちの人がいたらしいのですが……パーティの強さについてこれなくなってパーティを抜けてしまったらしいです。


 ちょうど私のパーティでも自分の実力不足を感じて仲間が2人、冒険者をやめる事になっていました。

 私の所属していたパーティも決して弱くなどなかったのですが、そうして人がいなくなったために解散になってしまったのです。


 そんなタイミングで声をかけてもらえました。


「君が仲間に加われば、俺たちはもっと強くなれるんだ!!」


 こんなチャンス、めったにないです。

 そしてそのチャンスをつかめたことがとてもうれしかった。


 こんなハイレベルな人たちについていけるのか、正直に言えば不安です。

 今も見たことのないオーラに圧倒されそうなくらいですから。


 でも、それでも!

 このパーティのために全力を尽くす!


 私は選ばれたんです。

 だったら私を選んでくれた人たちに、私ができる事はそれだけですからね。



「そしてこれがAランクダンジョンに挑む最後の冒険になる! Aランクの中では高難易度ダンジョンらしいが、ビビる必要もない!! こんなのパフとの連携の確認もかねた、ただの肩慣らしだ!! Aランクダンジョンなんて余裕だからな!! そしてそれが終われば……俺たちはSランクダンジョンに挑む!!!!」


 次の冒険は明日の夜に決定していました。

 このパーティのみなさんならすぐにでもSランクダンジョンに挑める実力を持っているのに、あえてAランクダンジョンを選んでくれたみたいです。

 多分、トランさんの優しさなのだと思います。


 まだパーティに馴染んでいない私に気を使ってくれたのか。

 それとも私の実力を試すためかも知れません。


 だったら、そこで私の実力をしっかりと示さなければ!


 Aランクダンジョンなんて初めてだけど、怖がってちゃダメだ。


「明日から頼むぜ、パフ!!」


「はい。精一杯がんばります」


「トラン様は最強だから大丈夫よ! それに私たちもついてるから、余裕なんだからね!」


「その通り。私の魔術も披露してあげる」


「お、良い飲みっぷりですねぇ。がんばれ、がんばれ~」


 そして、少し飲みすぎてしまいました。


 それは多分、超一級品のウルトラエール……今までならとてもじゃないが手が出せないようなそのお酒の美味しさと、それから明日の冒険への緊張のせいだと思います。


 気が付けば、私はテーブルに突っ伏して眠ってしまっていたのです。

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