007:Sランクパーティへようこそ!②(追放サイド)
「ゴホン! ……え~、それでは、我ら『黄金の薔薇』のSランクへの正式な昇格と、そして新たな仲間パフの加入を祝って!! カンパーーーイ!!!!」
「「「「「カンパーーーイ!!!!」」」」」
グイと飲み干したウルトラエールが体中に染み渡る。
「っぷはぁ!! ウマ~~~い!!」
サイコーだ!!
自分好みの美しい女たちを侍らせて高い酒を飲みまくる。
これだよ、これ!
こんな生活のために俺様は冒険者になったんだからな!!
「おいしー! さすが最高級のウルトラエールね!」
「うまし、うまし」
「あら、お肉もおいしい。さすが『ミンシュラ』。お酒が進んでしまいますね~」
超一流の店で提供される酒と飯に、パーティの仲間たちも上機嫌だ。
正直に言えば目玉が飛び出るかと思うくらいの金額だった。
このウルトラエール1杯で、並みの冒険者なら数日分の生活費が軽く消えるくらいだ。
……だが、これからはそれくらい楽勝で稼げるようになるんだから気にする必要はない!
それくらいAランクまでとSランクには差があるからな。
Sランク以上になると挑めるダンジョンのレベルも大きく上がるし、入ってくる依頼の報酬金も桁違いにアップするのだ。
それだけ難易度も上がり、危険な冒険になるという事なのだが……俺様たちには余裕に決まっている!!
なにせ俺様たちはこれまで無敗だ!
俺は大きな傷すら負った事がない!
まさに最強の勇者……になる男……。
金の心配など必要なくなる男なのだ……。
……それに、今回は臨時収入もあったからな。
「それにしてもあいつの魔道具、思ったより金になったぜ。余計な物ばっかり買い集めやがって……ま、おかげで今日は貸し切りだぜ!! みんな好きなだけ騒げよぉーーー!!!!」
「あ~ん! さすがですトラン様! 役立たずのルードも最後にパーティの役に立てて泣いて喜んでますよ!!」
「道具にばかり頼る無能とオサラバできてありがたい。あんなハズレ魔術師……うまし、うまし」
「それも彼なりの努力ですよ。実力が伴っていなかったのは残念ですが。あ、このお肉もおいしいですねぇ」
ククク……あいつにも聞かせてやりたいセリフだぜ、全く。
これが現実だよ、ルード。
これが世界の現実なんだ。
ここに役立たずに居場所なんかねぇんだよ。
ゴミ同然だったお前を拾ってやったのに、拾われたゴミの分際で調子に乗りやがって。
あとは勝手に野垂れ死んでろってんだ!
「私の歓迎パーティのためにこんなお店を貸切るだなんて……ありがとうございます」
気持ちよく酒を飲んでいると、パフが隣に来て頭を下げてきた。
「ハハハ!! 気にするな。これくらい、Sランクパーティなら当たり前だ!」
ぽよよん。
前かがみになると豊満な胸部とその谷間がより強調される。
シーンにも負けないその迫力たるや……絶景だ!
「よーし、みんな!! 明日はパフと初めてのダンジョン攻略だ! たくさん食べて英気を養っとけよ!! 全て俺のおごりだからな!!」
全部ルードの荷物を売った金だけどな(笑)
「はーい!」
「うまし」
「パフさんも、ほら。飲みましょう~」
「あ、ありがとうございます」
Sランクに正式に昇格すると同時に俺たちに王国から直接の指令も来ている。
正直に言えば、めんどくせぇ!
でも、これはさすがに無視するわけにはいかない。
攻略対象はAランクダンジョンだが、Aランクの中でも最高難易度と言われているダンジョンらしい。
これはいわば、試金石だ。
王国の管理下にある未攻略ダンジョンで、俺様たちが本当にSランクに相応しいのかどうか、それを試そうというわけだ。
フン、国王とは言えこの俺様を試すなんて生意気だ。
だが良いだろう。
いずれ俺は王すらも超えるのだからな……。
「そしてこれがAランクダンジョンに挑む最後の冒険になる! Aランクの中では高難易度ダンジョンらしいが、ビビる必要もない!! こんなのはパフとの連携の確認もかねた、ただの肩慣らしに過ぎん!! Aランクダンジョンなんて余裕だからな!! そしてそれが終われば……俺たちはSランクダンジョンに挑む!!!!」
それが伝説の始まりになるだろう!
ククク、考えただけでワクワクするな。
真の勇者になればこんなパーティだけじゃない……。
ギルドの受付嬢、酒場の看板娘、そしてゆくゆくは王女だって……道行く女も全て、この世界のあらゆる美女どもが俺に跪いて子種を欲しがるハズだ。
「ハ~~~ハッハッハァ!!!」
俺は玉座にふんぞりかえり美女に囲まれる姿を妄想した。
そうなりゃ酒も女も選び放題だぜ!!
あ~、酒がうまい!!
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