しましま姉妹ねこが初めてシャンプーした日
銀色と黒のしましまねこ
おねえちゃんもしましま
いもうともしましま
おんなじお家に貰われて
色ちがいの首輪をつけられて
愛情いっぱい幸せいっぱい
いつも一緒に育ちました
大きくなったある日
飼い主のママさんが言いました
「そろそろシャンプーしましょうか」
シャンプー?
シャンプー?
しましま姉妹は首をかしげて
ママさんを見つめました
まず捕まったのはおねえちゃん
赤い首輪をはずして
抱っこされてお風呂場へ
大きな大きなさけび声
しばらくして出てきたのは
ずぶ濡れの知らないねこ
次に捕まったいもうとは
ピンクの首輪をはずされて
固まったままお風呂場へ
静かに静かにふるえて
しばらくして出てきたのは
ずぶ濡れの知らないねこ
ママさんにドライングされて
しましま姉妹は毛づくろい
すみからすみまで丁寧に
気がすむまで毛づくろい
舐め疲れたらおちついて
ふわぁとあくびをひとつ
いつもの場所でお昼寝しよう
近づいたしましま姉妹は首をかしげる
おねえちゃんの匂いがちがう
いもうとの匂いがちがう
ふんふんふんふん
お互いに匂いをかいで
やっぱり違う姉妹の匂い
シャーッとおねえちゃん
シャーッといもうとも
威嚇しあって猫パンチ
怒ってるんじゃないよ
怖くてしかたないんだよ
おねえちゃんはどこ?
いもうとはどこ?
おんなじ姿なのに
匂いがちがうなんて
あらあらとのんきなママさん
「これを付けましょうね」
おねえちゃんには赤い首輪
いもうとにはピンクの首輪
それぞれの匂いが付いた首輪
ふんふんふんふん
あ、おねえちゃんだ
あ、いもうとだ
目の前におたがいを見つけて
しましま姉妹はやっと安心
背中どうしをくっつけて
あたたかい窓ぎわの日向で
のびのびと体をのばして
ママさんの音を聞きながら
おたがいのぬくもりを感じて。




