表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

92/163

ちみっこと隣国の王子 その3

誤字報告いつもありがとうございます。

 番? 結婚? いきなり何言ってんだ? この王子。


 アタシ達が呆然とする中、真っ先に始動したのは求婚された当人だった。


「イヤよ。お断り。冗談じゃないわ」


「ガーーーンッ!」


 ライオネル王子は余程ショックだったのか、その場に蹲ったまま固まっちゃった。それにしても、自分でガーンっていう人初めて見たよ。世界は広いね。


 アリシアはそんな王子を残して、スタスタと帰ろうとする。

 

「ま、待ってくれ!」


「まだ何か?」


「俺様の何が不満なんだ!? 王子だし地位も名誉も金もあるんだぞ!? 顔だってイケてるし力だって強いんだぞ!? なあ、頼むから考え直してくれないか! やっと見付けた番を手放したくないんだ!」


「全部よ! 俺様な所も、身分をひけらかす所も、容姿や強さを自慢する所も全てが嫌い! 番だなんて知ったこっちゃないわ! 勝手に決め付けないで! いい迷惑よ! それにアンタは私の大切なミナを、そして仲間達を侮辱した! 絶対に許さないわ!」


「んなぁ!?...」

 

 さすがにこれは堪えたのか、それ以上アリシアを引き止めることはしなかった。アタシ達は呆然と立ち尽くすライオネル王子を置いて食堂を後にした。食事中だった皆さん、騒がしくしてゴメンね。



◇◇◇



「なぁ、頼むよ、アリシア。考え直してくれないか!?」


「しつこい! もう付き纏わないでよ!」


 今は放課後。ここの所、なにかと忙しくて訓練が出来なかったから、今日は久し振りに『精霊の愛し子隊』としての訓練をしようと思ってたんだけど...ライオネル王子が乱入して来ちゃったんだよね...


「おい、ライオネル、いい加減にしろ。アリシアが嫌がってるだろ? 俺達はこれから訓練なんだ。邪魔だからさっさと帰れ」


「んなっ!? 俺様が邪魔だと~!?」


「これから一対一の訓練をするんだから、邪魔以外の何者でもないだろ? 暇ならそこで見物でもしてろ。良し! みんな、始めるぞ!」 


「お、おいコラ! ちょっと待て!」


 待たない! アタシ達はライオネル王子を無視して訓練を開始した。


「ハァァァッ! ヤァァァッ!」


「ゴーレム! 止めて!」


 アタシはアリシアと、エリオットはシルベスターと、殿下はシャロン様とペアを組んでる。今日はアリシアの気迫が凄い。ライオネル王子のことが相当ストレスになってるみたいだ。ストレス解消のうさ晴らしに選ばれたこっちは堪ったもんじゃないけど...


「トォリャァァァッ!」


 ウゲッ! アタシのゴーレム軍団を壊滅しやがったよ...どんだけストレス溜まってんだ! ? 仕方ない、伸びるバリヤで絡め取って..


「ウォリャァァァッ!」


 ウオッ! 馬鹿力でアタシのバリヤをこじ開けようとしてなさる! なんか鬼気迫ってて怖いんですけど!


「エイッ! 悪霊退散!」


 ブーメランで頭に一発お見舞いしてやった。


「へぷっ! だ、誰が悪霊じゃい.. 」


 だって怖かったんだもん。ん? ライオネル王子がドン引きしてる?

作者のモチベーション向上に繋がりますので、出来ましたらブクマ登録及びポイントの応援の方をよろしくお願い致します。


下方にある広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援して頂けますと幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ